「地域体制の在り方」意見交換会 第2回 議事録

第2回の議事録が公表されました。関係ある部分について抜粋紹介します。

消費者庁HP
ホーム > 地方協力課 > 消費者の安全・安心確保のための「地域体制の在り方」に関する意見交換会
http://www.caa.go.jp/region/anzen_anshin.html

参考1 第2回意見交換会概要[PDF:171KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/131206_sanko1.pdf
⇒第2回の発言の概要が2ページでまとめられています。今回は、かなりのボリュームが割かれていますが、相談員関係は前半部分ですね。

第2回意見交換会概要

≪全体について≫
○骨子案について、地方消費者行政の機能を明確にし、その機能を実現させるために必要な体制を示した上で、各論に入るという構成にすべき。
≪消費生活相談員・消費者行政職員の確保と資質向上≫
○消費生活相談員の社会的認知を高める方策を考えて欲しい。
消費生活相談員を法律上に位置づけることには賛成。
現在の制度について、行政職員も消費生活相談員も問題はないとの意見があったが、何を変えようとしているのか。
○見えやすい資格にして、社会的信頼を得て、高い水準の解決ができる人材を確保することは正論
小規模市町村で資格保有の消費生活相談員はとても少ない。資格を義務付けるとなれば、人材確保ができない市町村がでてくるのではないか。
○資格を所有していない相談員もいる現状を踏まえれば、資格取得後における、法改正や実務の継続的なキャッチアップのための研修の充実も重要。
登録試験機関制度で試験機関を増やすことと、消費生活相談の質を担保することと矛盾しているように思われる。を採用することにより、量と質の確保のバランスが取れるのか。政策的に矛盾していないかという点に疑問がある。
資格は、単一の団体が単一の国家試験を行って、その資格を持っているということが消費者等から尊敬されるものでないといけない。
○資格を一本化することが現実論として妥当なのか。従来の資格も尊重しつつ、継続的な研修を制度的に位置づけることが重要。
○特定消費生活相談員の役割を具体的に明確にして欲しい。
○特定消費生活相談員について、都道府県のみであるため、市町村の消費生活相談員がなんとなくがっかりしていた。市町村にいる同様の要件を満たす者についての役割を検討してほしい。
○民間委託は、縮小していくべき。偽装請負の問題をクリアできない。
○法執行や個人情報の取扱いを踏まえると、民間委託は望ましくない。
○行政職員の長期の在職については、行政職員が異動して、他の行政分野に消費者行政の役割を広めてもらわないと、庁内で消費生活センターが認知されない。国から指導しないと、行政職員はコーディネート役として動けないのではないか。
○行政職員が動くような体制づくりに向けて自治体を動かすためには、基準財政需要額にきちんと参入してほしい。
○庁内の連携、地域のネットワークづくりは、自治体の行政職員が果たすべき役割が非常に大きい。
○消費者市民の育成のためには、地域のネットワークの担い手の育成や団体の育成も重要であり、推進役の自治体の行政職員も必要。
○行政職員の配置と資質向上に向けた国のリードの仕方も緊急に検討すべき重要な課題。
○消費生活相談員と行政職員との連携がなければ、被害救済は難しい。役割分担をして、行政職員は、何が問題なのかを把握し、動くことが重要。

 

参考2 消費者の安全・安心確保のための「地域体制の在り方」に関する意見交換会(第2回)議事録[PDF:375KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/131206_sanko2.pdf

9ページ
○望月消費者制度課企画官 それでは、事務局から資料4の骨子案について説明させていただきます。
この骨子案は前回いろいろ御意見いただきました議論でありますとか、それから、個別に私どもがお話を伺ってまいりまして、その内容を踏まえて作成しております。

続きまして、4ページでございますけれども、これは最後、消費生活相談員とか消費者行政職員の確保と支出の向上でございますけれども、昨年8月に検討会で中間報告も出ておりますので、その内容を踏まえて、それを具体化する観点から取り組むというものでございます。

まず、1番目が消費生活相談員及びその資格に関する法的整備でございますけれども、消費生活相談員を地方自治体で消費生活相談を行う専門職として法律上きちんと位置づけるということが1点目、2点目が消費生活相談員に求められる知識・技術を有するか判定するための資格試験制度を設けるということ、3番目で、試験の合格者またはそれと同等以上の知識・技術を有する方を消費生活相談員として任用するということ、4番目で、現在、知識・技術を有する現職の相談員さんたちが働いていらっしゃいますので、引き続き円滑に相談業務を担えるよう移行措置を講ずることというふうなことを挙げております。

さらに、消費生活相談員の資格試験はどのようなものを行うかということでございますけれども、これは消費生活相談の人材の裾野の拡大の観点から、要件を満たせば複数団体が実施できるという、いわゆる登録試験機関制度というものでございますけれども──という制度を採用したいと思います。また、民間の消費者問題に係る資格であっても、要件を満たすものであれば積極的に認めていくということ、そして、資格試験では、筆記試験だけではなくて、実技試験などによってコミュニケーション能力など技術面も確認するというふうなことも主要だということを挙げております。

さらに、相談員さんの知識・技能の更新と向上でございますけれども、現在、国民生活センターや地方自治体、民間団体でいろいろな研修や講座などをやられておりますので、研修・講座の活用や充実を図るというものでございます。

さらに、最後でございますけれども、実務経験を積んだ専門的人材の方々が既にいらっしゃいますので、そのような方々に市町村に対する助言や援助を行う専門的人材として、一定の実務経験を積んだ方々を特定消費生活相談員、これも仮称としておりますけれども──を配置して、さまざまな助言や援助を行っていただくという人材として位置づけるということもあるのではないかと思います。

⇒相談員資格に関する骨子案のまとめです。法律上の位置付けは誰もが異論ないと思うのですが、資格試験の仕組みについて賛否両論うずまいており、結果的には国が強引に決めるような気がしています。

22ページ
○近藤代理
それから、骨子に対します御質問あるいは考え方なんですが、平成21年に消費者安全法ができまして、都道府県と市町村の役割というのが明確にされております。そのことによりまして、市町村の相談窓口というのも交付金を活用させていただいて、どんどん整備されてきているという状況にございます。いまだ専門の職員がいないですとか、資格を持った相談員がいないというのは確かにありますが、市町村の役割が明確化されたことによりまして、小規模市町村の消費生活に対する認識が高まっているということがございます。

そういう面で、骨子の3ページ目の3番目の都道府県の役割というところで、市町村の相談事務を代替して実施できるという文言がありますが、消費者安全法との整合性というのがいかになっているのか。 それから、資格制度の関係でございますが、今も申し上げましたが、小規模市町村で資格を持っている相談員さんの率というのが大変低くなっております。その上で、資格制度というものをがちがちに固めてしまって、任用を義務づけるというふうになれば、人材を確保できない市町村も出てくるのではないかというふうに考えますので、その辺は市町村等の御意見を広く聞きながら慎重に検討していただきたいなというふうに思います。

⇒資格試験のハードルを高くすると人材の確保ができないのではということですが、今回の試験制度だと、いろんなところが試験をすることになるので、どちらかというとハードルが下がるのではないかと思っています。

24ページ
○吉川委員 相談員の資格をあまりがちがちにするなということだったのですが、協力員は資格なしで、相談員というのは、消費生活センター等で相談をしている者ということですから、協力員と相談員は分けて考えていただけたらと思っています。

今回、消費生活相談員と消費者行政職員の確保と資質向上ということで、消費生活相談員を専門職として法律上位置づけるということについては賛成です。ただし、資格試験の実施ということで、従来から国民生活センター等3つの資格を認定する機関があるのですが、それとは別に登録試験機関をつくって、そこが認定する新たな資格ができる。今でも3つの資格があって非常に混乱したというのが前回の中間報告の結論だったと思います。今度それが広げられると、裾野拡大の観点から要件を満たせば登録試験期間として認定するということが書かれているのですが、要件がどのようになるのかとかいうこと等が非常に気になります。それよりも質の確保のために資格は必要だということで、それを法律上位置づけるということにしておきながら、裾野を広げるために要件を満たせば登録機関を広く認めていくというのは、何となく矛盾しているように思われます。このことについてもう少し議論していただきたい。

つまり、質の確保ということであれば、一定の質の確保のためには、試験というのは一定のものでないといけないと思っているので、いろんな機関がやる試験を広く認めていくというのは、混乱が出るのではないかということ。つまり質の確保という点から見れば、本当に質の確保ができるのだろうかという懸念を持っています。

それから、都道府県に実務経験を積んだ専門的人材の配置ということで、先ほど相談員がコーディネーター役を担わされるのは困るという御発言もありましたが特定消費生活相談員というのは、職員だけに頼るのではなくて、職員を超えるかどうかは別にしまして、そういう特定な役割を担った相談員と位置づけておられるのかどうか、明確に御説明いただければありがたいです。

それと、もう一つ、都道府県の専門的人材ということですけれども、要件としたら、恐らく市町村にも同じような要件を満たす者が多くいるときに、それをどう区別するのか。市町村にいる相談員が何となくがっかりするということもありますので、この特定消費生活相談員の役割等をどうしていくのかということを検討していただきたいと思っています。

民間委託のあり方については、従来からいろいろ議論があります。法執行の問題、個人情報の問題を考えると、民間委託というのは本来、望ましいものではないと考えておりますので、議論していただけたらと思っています。

それと、職員の質の確保ということで、池本先生が御発言いただいたことには全く賛成ですし、担当職員がいかに確保されていくかということが必要だと思っています。

27ページ
○圓山委員 そのペーパーの4ページで一言ずつ申し上げます。
4ページのところの宿題以外のものですが、1番が消費生活相談員の資格についてというところで、今の提案に基づいたものを書いておりますが、大事なのは、単一の団体が単一の国家試験を行って、その資格を持っているということが消費者や事業者から尊敬されるものでないといけないと思います。

⇒両名とも主張する「試験は1つにすべきだ」という考えには賛同します。また、「特定消費生活相談員」を設置すると、さらに「特定消費生活相談員」の資質について議論することにもなるかねませんし、指摘のとおり、現場の相談員ががっかりするような存在でも困りますね。

31ページ
○有山委員 先ほど吉川さんから出ましたけれども、コーディネートを相談員がしたくないというわけではなくて、コーディネートの核は職員だということを認識していただきたいと思っております。

それから、今、相談員の資格について話題になっておりますが、前回の会議においては、地方の行政の方も相談員さんも、かなりの方が現状で問題はないというお話だったと思います。今回、法的位置づけ、資格試験の実施というところで、消費者安全法の施行規則にある3資格についての記述をどういうふうに変えるかということを考えていらっしゃるのか、そのままなのか、その辺を伺いたいと思いますので、ちょっと構想を教えください。

○樋口座長代理 今、お答えいただけますか。お答えいただける範囲でどうぞ。

○望月消費者制度課企画官 御指摘のとおり、今、消費者安全法施行規則の中で3つの資格付与団体が規定されておりますので、新しく考えているイメージでは、登録試験機関というものを法律の中に位置づけて、満たすべき要件を法律で書いていくというものでございます。法律の中では、それぞれの団体の名前というのは出てこないんですけれども、要件を満たすような団体は内閣総理大臣が認めなければいけないという規定になりますので、当然その水準に達していくところは複数でも認めていくということになると思います。

⇒国はどうしても複数の試験機関を設置したい考えのようですね。もしかすると、今の3資格の権益も考えて、3資格を継続して使えるように考えているのかもしれません。ここが核心のような気がします。

32ページ
○池本委員
それから、相談員の資格のことも議論が2つに分かれているように思うのですが、一方では、国で見えやすい資格にして、社会的信頼を得て、高い水準の解決ができる人材を確保することも非常に魅力的な、むしろ正論だと思います。

しかし、他方で、北海道からの御発言もありましたし、各地で現在でも3資格すら有していない方が25%あると。そういう実態の中で、それを着実に高めていくのにどうするかという現実論の問題と、それから、相談員というのは、5年前、10年前に資格を取れば、それでばりばりやっていくかというと、決してそうじゃなくて、例えば特定商取引法なんかは、この10年で4回も5回も法改正しているんです。つまりある時期に資格を取るということももちろん大事でしょうが、それ以上に毎年の新しい情報、あるいは法改正、実務的なあっせん能力、こういうものの継続的な研修こそがむしろ命ではないかというふうに
私は感じています。

その意味では、入り口の資格について、現在の消費者安全法は、センターの要件の関係で資格が書いてあるだけですけれども、もう少し、相談員の資格の位置づけそのものを法の中にきちんと示すということは必要だと思うんですが、それを一本化する、新しい第4の資格にまで持っていくのが現実論として妥当なのかどうか。むしろ今まで資格も尊重しながら、継続的な研修や更新というようなところを国がきちんと制度の中に位置づけていくことが重要ではないかというふうに考えます。

⇒最後のまとめ的になっていますが、この考えに賛同しますし、私もずっと主張してきていることです。今の制度の中で国家資格なり、ならかの法的位置づけをするというのが先だと思いますし、現職は切らないということを前提に考えるのなら現実的だと思います。

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「地域体制の在り方」意見交換会 第2回(2013/11/20)

消費者の安全・安心確保のための「地域体制の在り方」に関する意見交換会 2013年11月20日
開催分について、配布資料が掲載されていますので、相談員関係の部分を紹介します。

消費者庁HP
ホーム > 地方協力課 > 消費者の安全・安心確保のための「地域体制の在り方」に関する意見交換会
http://www.caa.go.jp/region/anzen_anshin.html

資料4 消費者の安全・安心確保のための「地域体制づくり」の考え方-骨子案-[PDF:318KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/131120_shiryo4.pdf
最終的にこの骨子案を基にした報告が行われると思います。
この中の「4.消費生活相談員・消費者行政職員の確保と資質向上」が関連する箇所になります。

Ⅰ.基本的な考え方
Ⅱ.目指すべき「地域体制」のイメージ
Ⅲ.「地域体制」づくりのための方策
1.地域ネットワークの構築
2.消費者関連情報の活用に向けた基盤整備
3.消費生活相談体制の強化
4.消費生活相談員・消費者行政職員の確保と資質向上

4.消費生活相談員・消費者行政職員の確保と資質向上

○消費生活相談員については、先般の検討会「中間報告」を踏まえて、その内容を具体化する観点から取り組むものとする。
・消費生活相談員及びその資格に関する法的整備
「消費生活相談員」を地方自治体において消費生活相談を行う専門職として法律上位置づけるとともに、消費生活相談員に求められる知識・技術を有するか判定するための資格試験制度を設ける。資格試験の合格者またはそれと同等以上の知識・技術を有する者を消費生活相談員として任用するとともに、知識・技術を有する現職の消費生活相談員が引き続き円滑に相談業務を担えるよう、移行措置を講ずる。
・消費生活相談員資格試験の実施
資格試験については、消費生活相談の人材の裾野拡大の観点から、要件を満たせば複数団体が実施できるものとする(登録試験機関制度)。民間の消費者問題に関する活動に係る資格であっても、要件を満たすものであれば積極的に認める。資格試験は、筆記試験のみならず、実技試験等により技術面を確認する。
・消費生活相談員の知識・技能の更新と向上
消費者問題をめぐる動向を踏まえ、消費生活相談員の資質の維持・向上のため、国民生活センター、地方自治体、民間団体による研修・講座の活用・充実等を図る。
・実務経験を積んだ専門的人材の配置
都道府県において、市町村に対する助言・援助を担う専門的人材として、一定の実務経験を積んだ相談員(「特定消費生活相談員(仮称)」)を配置するものとする。
○地方自治体の消費者行政職員の確保と養成のため、国民生活センター等における研修の実施など、積極的な支援策を講じていくとともに、消費者行政の重要性について、地方自治体のトップである首長の認識と理解が一層深まるように努めることが重要。

※資格試験が国家試験ではなく、複数の試験が対象となるという考え方は、初期の目標とは離れてきたような気がします。どちらかというと、ゆるゆるになったような感覚を持ちます。また、実技試験はなくて研修で実施するということだったのに、実技試験等が実施されることになっていますね。「等」とあるのでどのような形になるのか分かりませんが、判断基準をきつくすればハードルが高くなるので、どうするのでしょうか。もちろん、現職は免除というおまけをつけると思います。この方法だとアドバイザー試験との格の争いをせずに済みますね。アドバイザー試験の2次試験面接が実技試験等にまるまる該当するという奥の手もあるのでしょうか。それとも、アドバイザー試験に相談員資格コースとして実技試験を追加するという選択肢を加えるのでしょうか。また、国民生活センターの消費生活専門相談員資格は「国民生活センター」が登録試験機関になるという裏技が実現して、結局、今の試験制度に実技試験が加わるというパターンに落ち着くのか注目ですね。

資料9 消費生活相談員の資格保有状況[PDF:196KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/131120_shiryo9.pdf
※この表はすごいですね。
資格保有相談員数と無資格相談員数が地域別で正確に数字が出されています。
地方によって明確に分かれています。
一般の消費者や行政職員、有識者が、この表を見ると不安を抱くかもしれませんね。
また、資格を持っていない相談員は、後ろ髪をひかれる思いかもしれません。
資格は単なる資格にしかすぎませんが、単なる資格が形の上では重要なのが、資格職の世界です。
資格を持っていない相談員は何が何でも資格を取得して欲しいと思います。

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「地域体制の在り方」意見交換会 第1回 議事録

消費者の安全・安心確保のための「地域体制の在り方」に関する意見交換会 2013年10月25日(金)
https://soudanskill.com/20131025/697.html
新しい相談員資格(新情報?) 2013年10月31日(木)
https://soudanskill.com/20131031/710.html

第1回の議事録が公表されました。関係ある部分について抜粋紹介します。

消費者庁HP
ホーム > 地方協力課 > 消費者の安全・安心確保のための「地域体制の在り方」に関する意見交換会
http://www.caa.go.jp/region/anzen_anshin.html

参考1 前回の意見交換会におけるご意見等[PDF:186KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/131120_sanko1.pdf
⇒第1回の発言の概要が3ページでまとめられています。

(3)消費生活相談体制の強化等
②消費生活相談員の資質向上等について
○消費生活相談員については、レベルアップを求める自治体の声が強い。また、守秘義務と併せて役割と身分保障を考える必要がある。

参考2 消費者の安全・安心確保のための「地域体制の在り方」に関する意見交換会(第1回)議事録[PDF:378KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/131120_sanko2.pdf

1・2ページ
○岡田副大臣
・内閣府副大臣を拝命いたしました参議院議員の岡田広です。きょうは、森大臣が予算委員会のため出席することができません。代わって出席させていただきました。時間の範囲の中で皆さんの御意見をしっかりと私も承り、勉強させていただきたいと思っております。
・御承知のように消費者被害も複雑多様化しております。高齢者をはじめとする消費者被害の早期発見・未然防止というのは大変重要なことであります。そのためには、消費生活センターの充実・強化というのは特に大事なことだろうと考えています。消費生活相談員の資格の問題もそうですが、資質を向上する、これがとても大切なことだろうと考えています。
そのために大切なことは「情報」だと考えています。
・ 21世紀、ITの時代、情報過多の時代と言われる今日を生きる私たちにとっても、戦国動乱、江戸安定政権の時代を生きる人たちにとっても大切なのは情報だと、私はそういうふうに考えています。
⇒相談員の資質向上には「情報」が欠かせませんが、情報があふれる社会から必要な情報を取捨選択する作業は大変です。そう考えると、情報まとめサイト的なこのサイトは理にかなっているような気がします。

4ページ
○望月消費者制度課企画官
・資料3は、このようなA3の大きな紙がございますので、そちらに基づいて主に説明をさせていただきます。左側が現状と課題、右側が論点となっております。
・まず、現状と課題につきまして説明させていただきます。「消費者行政をめぐる現状と課題」でございますけれども、大きく問題点を3つ挙げさせていただいております。
・1番目が、地域全体で取り組むべき消費者被害への対応が十分でないということでございます。
・続きまして、2番目の大きな課題でございますけれども、「市町村をはじめ地方消費者行政の体制が十分でない」という点でございます。
最近では、相談業務を民間委託している例も市町村などで増加しております。必ずしもそれが悪いというわけではございませんけれども、最近、一般競争入札などで価格重視の入札も増えておりますので、どのように考えていくかということはあるかと思います。
それと、職員の資質の問題、兼務職員の問題などがございまして、自治体の人員が十分でないところなどでは兼務が多くなっているとか、職員の研修の機会が少ないという問題点がございます。
・3番目は、消費生活相談員の確保と質をめぐる問題でございます。
現在、消費生活相談員は3,391人いらっしゃいます。そのうち、消費者生活専門相談員、消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタントという3つの資格がございますけれども、どの資格も有していないという方が4分の1程度、822人となっております。また、資格を有していらっしゃる方でも、関東圏や中部、近畿などが大半を占めておりまして、地方ではこのような資格を持っていらっしゃる方が不足しております。このような面が相談の質にどのように反映されているかというところは、検討していくべきことではないかと思います。3つの資格に関しましては、24年8月の中間報告の中で法定化することが提言されております。また、実務経験を積んだ方の実務経験は非常に重要でございますので、消費生活相談の中でスーパーバイザーとして指導するような役割も期待されております。
⇒相変わらず、資格を持たない相談員問題が議論されています。その中で新しい資格と試験を創設して、もれなく資格を取らせるように便宜を図ると考えているのでしょうか。

P.7
○小田消費者委員会事務局審議官
・お手元の資料8に、「地方消費者行政専門調査会報告書について」、ことしの8月に出たものでございますが、横長の紙がございます。その後ろに「推進に関する建議」の冊子をつけておりますけれども、きょうは概要のほうで御説明させていただきます。
・消費者行政担当職員の配置状況は、一般的に全体として見て、消費者行政を専任で行う職員が配置されている市町村は全体でも1割強にとどまっておりますが、高齢者割合が高いところ、あるいは規模の小さいところほど、兼務職員での対応、かつ兼務職員が1人という割合が高くなっている、こういう状況でございます。一番下のところに書いてございますが、高齢者割合が高い、人口規模が小さい、財政力が弱いといったところでは、相談体制が整備しづらいという状況にあるということでございます。
・一つが、小規模市町村の消費者行政の体制の底上げということで、広域連携を図っていくことが述べられております。上に述べました①~⑤までの機能を果たしながら、かつ、相談員が研修も受けられるという体制をとるためには、2人以上の方が配置されないといけないわけですので、2人以上の相談員を常に配置できるためには、ある程度規模の小さなところは広域連携が求められるのではないかということでございます。右のほうに広域連携の推進と書いて幾つか指摘しておりますが、これは、例えば消費者庁ではこれこれこういったことをされてはいかがかといった内容でございます。
・最後は、地方消費者行政の担当地方自治体職員に対する支援でございます。官民連携あるいは庁内連携に当たって、さまざまな主体が参画されますが、消費者問題に当たっては消費者問題を担当している職員がコアになりますので、そうした職員に対する支援策として、研修機会をさらに充実してほしい。こちらは国民生活センター、県に期待されるということでございます。これまで相談員の資質の向上ということで、相談員に対する研修は非常に力を入れてこられたと思いますが、今回、この専門調査会では、行政の職員のレベルアップ、研修機会の向上が強く主張されたということでございます。
⇒最近の状況を読んでいると、国は「相談員の資質向上」は基金で終了し、「行政職員の資質の向上」に力を入れていくような感じです。相談員の資質向上に関する施策が「相談員資格」にからむものだけになってしまうような感じですね。

P.10
○望月消費者制度課企画官
それでは、資料3の右側の「主な論点」について、次に説明いたします。論点をここでは4つ掲げております。
・4番目でございますけれども、消費生活相談員や地方消費者行政職員の確保、資質向上をどのように図っていくべきかという点でございます。これは、消費者委員会から御指摘もございましたけれども、さまざまな消費者被害が増大しておりますし、複雑な案件も増えておりますので、職員や相談員の資質の向上や人数の確保は非常に重要だと考えております。この中の論点としまして、消費生活相談員の資格付与の在り方、消費生活相談員の養成確保、資質向上、地方公共団体の行政職員の養成確保という点がございます。

P21
○大森座長
この真ん中のまとめ役がいないというか、市町村の場合、もともと消費者行政の担当者は人事で来るわけですね。専門家ではない。それ以上に、ネットワークをつくるということに習熟していない。ですから、「人」が要るわけです。どういう人だったらこれがつながるか。実は自治体は一番不得意なのです。地域のほうはいろいろやっていますけれども、こういうのは一番難しいのです。特に消費者センターの職員がこれができるか。できるためには、どういうトレーニングとどういう資質が要るのかということを打ち出さない限り、簡単にはいかないですね。ネットワークをやれやれと、みんな言うのです。
でも、なかなか動かないのはどうしてかということを追求する、その話だと思います。
⇒行政職員と相談員は、そもそもスタートラインが異なります。これについては別途書きたいと思います。

P.26
○柿沼委員
最初に私も、地域通貨ならぬ地域人材の抑止力としての活用ということを申し上げましたけれども、それについては、守秘義務をどのように課すかということが一つ連携してくるかなというふうに思います。それと、消費生活相談員の方々のレベルアップを求める声が非常に強い実態もあります。すそ野を広げる方々に対しては、例えば啓発事業とか、要するに事務の特化をして、相談は相談員の方が受けるとか、いろいろな工夫も必要かと思いますけれども、相談員の方々に対しては、いろいろな期待と、身分保障とかいろいろなことを考えていただく必要もあるのではないか。守秘義務とあわせて、よろしくお願いしたいと思います。
⇒相談員のレベルアップを求める声が非常に強いというのは、裏を返せば、「相談員のレベルに対して不満がある」ということです。このような状態の中で新しい資格や試験を創設することは、レベルに達していない相談員を切ることとどうリンクさせるのでしょうか。相談員は不足しており、現職相談員を切るわけには行かず、実質的には全員がクリアするという矛盾を感じます。

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