解説 ドロップシッピング その7(最終回)

③ドロップシッピング商法は古典的商法(パターンが同じ)であるとの理解

ドロップシッピングの解説もいったん最終回となりました。
これまでの解説を読んで理解していただけたのであれば、ドロップシッピングとは、またドロップシッピング商法とはなにか分かったと思います。
そして、このドロップシッピング商法は古典的商法であるというのも納得がいくと思います。

つまり、今回は商材が「ドロップシッピング」であっただけで、対象は何でもよいのです。

ドロップシッピングというのは実はコストはほとんどかからないものだというのは分かってもらえたと思います。
そのコストがかからないものに対して、無理やりコストをかけてしまう商法なのです。
そして、それが悪いことかどうかはコストと比較しての価値観になります。
もっとも、安いコストの商品を提供する意味はないので高額になるのでしょう。

ドロップシッピング商法は、今まで解説してきた本来自分がすべき一連の作業を代行し手間賃を稼ぐことと安いものではなくあえて高いものを売ることで利益を出すのです。
前回にも説明した、カローラを売るのではなくベンツを売っているのです。
しかも、そのベンツが本来の性能を発揮できてない(たとえばSEO対策したのに上位表示されないなど)ことも問題です。
さらに、誇大なうたい文句ですね。
利益を上げれる可能性があると同時に簡単には利益を上げることができないことも分かっていただけたと思います。

おかげでドロップシッピングに悪いイメージが付いてしまいました。
そして、それが、ドロップシッピングとはあやしいものだというバイアスが生じることにもつながったのです。
本来はすばらしいビジネスモデルだというのにです。

10年近く前のネットがまだ普及し始める時期にも同じようなことがありました。
小売店に対して、「インターネットでお店のホームページを開設しませんか」という商法です。
消費者センターにも相談があったと思いますが、事業者ですので対象外で対応したと思います。
この商法はドロップシッピング商法と似ていて、HP開設スペースのためのサーバー契約とHPの作成費と更新費でした。
高額な初期費用と毎月の費用が必要です。
単純に自分でやればほとんど費用がかからいことはお分かりですよね。
さらに、パソコン本体の費用やHP作成ソフトまで買わされる場合もあります。
そうすれば、初期費用はあっというまに50万円を超えてしまいます。

もとはといえば、消費者が必要な知識を持ち合わせていないデジタルデバイド(情報を持つ者と持たない者、ITを使える者と使えない者との間に情報格差が生じ、それが収入格差にもつながっていく)という昔からの大きな問題が根底にあるのだと思います。

先物商法でロコロンドンなどの投資と同じですよね。最近は外貨です。
マルチ商法やねずみ講や豊田商事残党などとも発想は同じようなものです。
基本原則は共通です。商材は何でもいいのです。
基本原則が同じということは、基本的な対応方法も同じなのです。
目新しい言葉に惑わされる必要はありません。
その目新しい言葉をしっかり知っておくということを日ごろから心がけておけばよいのです。
まあ、その目新しい言葉を知っておくというのが実は難しかったりするのです。
その役割をこのスキルアップ講座が果たせたらと考えています。

相談員として、本来の正しい意味を理解しておけば、ワンランク上の相談対応につながっていくと思います。
「ドロップシッピング」の相談を受けてしまった、どうしよー、ドロップシッピングって何だったかなー」などという情けない対応にならないように日々努力してください。
そして、今回のドロップシッピングの解説が参考になれば幸いに思っています。

(平成22年9月23日 初稿)

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解説 ドロップシッピング その6

②ドロップシッピングには(商材として)何が必要か (その3)

(6)SEO対策
SEOとは「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の頭文字をとった略語です。
特定の検索エンジン(ヤフーやグーグル)を対象として検索結果でより上位に現れるようにサイトを作成する技術をSEO対策といいます。
ネットで買い物をする場合に消費者は、検索サイトで欲しい商品名や地名などで検索します。そして、その上位に現れるお店をクリックします。
上位に表示されれば、消費者に訪問してもらえる機会が増えることになります。逆に、検索しても表示されなければ、消費者の目にとまることもないのです。
そして、検索で上位に表示されるには技術的にある程度の知識があれば可能なのです。
・さて、ショッピングサイトを開設したのであれば、お客さんに来てもらわなければなりません。
これまでの解説を読まれているなら、結果がどうなるか予想は付きますよね。
売上が少ないというレベルではなく、売上がゼロ、訪問もゼロ、というのが関の山でしょう。
じゃあお客さんに来てもらえるように、SEO対策をして、検索上位に表示されればと考えますが、ある程度の知識が必要です。
じゃあ、その対策をほかの人にやってもらう発想になります。そのSEO対策を商売としている会社もあります。費用対効果が判断する目安になります。
費用をかけてお客さんが訪問したとします。そのあとは、いかに買い物したくなるかというサイトの魅力と内容と価格でしょう。
これも結果の予想は付きますよね。訪問されても、すぐにほかのサイトにいきます。
結局、SEO対策の費用だけがかかったことになります。もちろん、その費用もドロップシッピング商法では含まれているんでしょうけどね。
・相談現場ではドロップシッピングのSEO対策というよりも、一般の小売店からの相談で「SEO対策の契約をしたけど効果がない」という相談を受けたことがあるかもしれません。事業者からの相談は対象外と回答してもいいのですが、SEOについて知識があれば、少しアドバイスを入れてから他機関を紹介するというスマートな対応も可能です。それ以前に、SEOを知らなければ何の相談かもわからないまま終わってしまいますけどね。
・私はこのサイトのほかに趣味のサイトを含め複数のブログを持っています。手間をかけずにSEO対策もできていて、検索ワードによってはグーグルで1位表示されるのも多くあり、自分自身でもびっくりしました。直接的に商売につなげたらいいのですが、アフィリエイトで数千円の収入になっているだけです。また、出会い系サイトからのメール公開のページを削除したのも、検索で上位に入ってしまい、意図しない人からの訪問が相次いだからです。
・SEOは実は簡単かもしれませんね。SEOについては、講習会の機会があればネットで見ながら実際にキーワードを設定してどう検索されるかなどを実践したいと思います。

②ドロップシッピングには(商材として)何が必要か (まとめ)
ドロップシッピングでネットショップを開設するには、どれぐらいの費用が必要か?
私の場合
レンタルサーバーが初期費用 1,000円 で12ヵ月2,500円、独自ドメイン 「.com」で1年間950円。
もしドロップシッピングをするとなると、費用がかからないベンダーと契約(ショッピングカート無料機能付き)。
ベンダーの一例として「もしもドロップシッピング(http://www.moshimo.com)」を利用した場合、無料。
サイトの構築、更新、SEO対策は自分でする。
必要な費用は、4450円。失敗しても、ダメージはほとんどありません。

これまでの解説を読まれたのなら、もう理解できていると思います。
実は、ドロップシッピングは、ネット起業するにはリスクが小さく可能性が無限大という魅力があります。
SEO対策や魅力的なサイトを構築するなどの努力をすれば成功する可能性も十分にあります。

これでドロップシッピングはあやしいものというバイアスはなくなったのではないでしょうか。
ネットで調べれば簡単にわかることなんですけどね。
一番の論点は、ドロップシッピングというシステムではなく、これを商材として利用したドロップシッピング商法にあります。そして、それは古典的な商法でもあります。
これについては、次回「③ドロップシッピング商法は古典的商法(パターンが同じ)であるとの理解」で解説します。

(平成22年9月20日 初稿)

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解説 ドロップシッピング その5

②ドロップシッピングには(商材として)何が必要か (その2)

(2)ドメイン
・ドメインというのはアドレスの「http://」以下の最初のものです。
この講座の場合は。「soudanskill.com」となります。
レンタルサーバーを契約すると、自動的にレンタルサーバーからドメインがもらえます。しかし、複雑なドメインであったりするので、独自にドメインを取得して、みんなにわかりやすく覚えやすいサイトのアドレスにすることがほとんどです。
ネットショッピングサイトであれば、それこそ独自に素敵なドメインを取得することも重要です。
・独自ドメインの取得には、仲介会社がたくさんあります。一般的に、「.com」「.jp」「.net」「.info」などのトップドメインから、自分の欲しいアドレスを探して取得します。
当然、すでに取得されているものは取得できません。簡単な組み合わせだと無理だと思います。
まあ、フリーメールアドレスのIDと同じように考えてもらえたらいいと思います。
それぞれの会社から空いているドメインを検索できるので気に入ったものがあれば取得したらいいと思います。
・独自ドメインの取得費用は、だいたい1年単位になっています。どこの会社でも取得できるドメインはほとんど同じなのですが、取得費用がピンキリです。
私は「ムームードメイン」というところから取得しており、費用は1年契約で950円です。トップドメインごとに取得費用が違っており、安いものでは300円程度から、高いものでは3000円程度まであります。また、会社によっては、同じ「.com」でも数千円必要な場合もあり、高いものでは数万円のものもあります。
・ドメインを取得した場合に所有者の情報を開示する必要があります。個人名で公表することはあまりなく、そのドメイン取得代行会社が、まとめて会社名で公開していることがほとんどです。この公開名はプロキシ検索(IPアドレスなどからの調査)などで調べることが可能です。
・このように、サーバーと同じく、自分でドメインを取得するのであれば、価格について弾力性がありますが、最初からドメイン取得代行費用が含まれているパッケージになると実は高額であったりします。

↓こちらがムームードメインです(以下アフィリエイト広告にもなっています)


↓最近、こちらの会社からキャンペーン割引で「.info」を380円で取得しました。


(3)ホームページ(ショッピングサイト)作成ソフト
・自分のお店を開設するには、当然ながら店名や商品一覧や決済方法などの画面を作成する必要があります。
・昔は、ホームページビルダーなどの専用のソフトを利用していたりしましたが、最近は、ネット上でサイトを作成するソフトを利用できるようになっています。
いわゆる、WEB2.0、クラウド、CMSなどというものです。
・パイオネットシステムも以前は専用ソフトをインストールしたPCを使用していましたが、今は専用ソフトではなく、ネットを通じて直接入力することになっております。相談員のみなさまは、知らないうちに最新のネットシステムを使用しているわけですね。
・ベンダーによっては、サイト構築まで丁寧に解説してくれているのもあります。
しかし、魅力あるショップを作るには自分自身で努力することが重要です。
・結局、サイトを構築する力のない人は、サイト構築費用を支払い、ほかの人に作ってもらっているんですね。
自分でやるか、お金を出して他人にしてもらうか、選択肢がありますが、ドロップシッピング商法などではサイトの構築費用がすでに含まれてたりします。

(4)ショッピングカート
・ショッピングカートとは、買い物するときに商品名を選択し、買い物カゴに入れて注文し決済する、一連の機能を備えたプログラムです。
ドロップシッピングには当然必要なものです。
単独のソフトで販売しているものや、フリーソフトのものがあったりします。
一般的には、ドロップシッピングの提携するベンダーが提供していることが通常です。無料の場合が多いです。
しかし、パッケージで込みの費用にしている場合もあります。

(5)HP(ショッピングサイト)の更新作業
・お店ですので、日々、商品を入れ替えたりする必要があります。
流行の商品をいち早く取り入れることができるか。
価格も相場にあわせて変動できるか。
など、サイトの更新作業もお店の売上に大きく影響してくることになります。
これもサイトの構築と同じで、自分でするか、他人がするか、放置するか。
普通は自分ですることになりますが、できますか?
この作業までも他人がしてしまうと、自分は何をやっているのだろうかという感じですね。

次回は「(6)SEO対策」について解説したいと思います。

(平成22年9月16日 初稿)

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