「売り言葉」に「買い言葉」(電車の中で)

電車の中でのこと。
別の電車への乗り継ぎがある場合は、そこに近い車両は大変混雑します。
しかも、奥に入らず入り口付近に人がたまってしまい、ほかの人が電車の中に入りにくいことがあります。

私は奥の方で立っていましたが、ある男性が入ってきて入り口付近で立ち止まりました。乗り継ぎのために、できるだけドアに近い場所にいたかったのだと思います。

当然、ドアの入り口はふさがれて、ほかの人が入りにくくなっています。

案の定、入ろうとした男性が進路をふさがれていたので、無理に入るかと思いきや、その男性に怒って、「奥に入らんか」と叫び、続いて罵声を浴びせかけました。

(さらに…)

人の話をきくこと(TVタックルより) その2

まず、人の話を聞かず割り込んでくるという状況が生まれる理由として
「その話に納得がいかない」ということです。
その背景として、「事実関係が違っている」「思い込みがある」「批判されている」と思っているからです。
間髪いれずに、納得いかない話をさえぎり、自分の意見をかぶせて主張してきます。

話をかぶせてきた場合に、討論番組では、そのまま主張し続けていましたので、2人同時に話をしていることになります。
当然かぶせたほうは、声もトーンも大きくなっています。さらに、3人目も話をかぶせてきます。
話を中断したら「負け」と思っているのでしょうか。

人物像
まず、相手の話をさえぎりまったく話を聞こうとしない人は、いくら説明しても最後まで納得しないことが多いと思います。
そのような人物像に対して、説得を続けるということは労力がかかるだけで実らないことが多く疲れてしまいます。
正義感と責任感が強い相談員は何とか相手を説得しようとがんばりますが、がんばればがんばるほど裏目に出ます。

ポイントは冷静な事実確認
相談内容を「事実」と「推測」に分けるという説明を今までしてきましたが、このタイプの人は「事実」ではなく「推測」を「事実」に転嫁して主張していることがあります。第3者から見れば「推測」なんですが、それを指摘すると、主張そのものが成り立たなくなるので、論点をずらすなど、「事実」の確認から避ける傾向があります。それを指摘しようとすると、話を際限なく重ねてくるのです。このように話が重なると、声が大きいほう、口調が強いほう、早口で巻くし立てるほうが「勝つ」という意識になるので終わりません。
相談対応としては、かのような勝ち負け論争になるのは避けなければなりません。

対応方法
どうするのかというと、「一歩引くのです」。
相手が、明らかに間違っている主張や、誤解していたとしても、割り込んできた話に、さらに割り込まず、最後までしゃべらすのです。
相手の話が終わったら、声のトーンは冷静かつゆっくりと「~の根拠は難ですか」というオープンクエスチョンや、「~があったのですか」というクローズドクエスチョンを問いかけるのです。すると、都合の悪い話だと、前述と同じようなやり取りに戻るのですが、これも、しゃべりたいだけしゃべらしておくのです。その後、「もう一度確認したいのですが」と。事実確認を続けます。根競べですね。
あっせんには事実関係が最重要です。それがあいまいなままだと話がまとまりません。
明確な答えは出なくても、雰囲気でわかると思うので、「~ということですよね」と誘導型クローズドクエスチョンにもっていきます。
この事実関係さえ抑えれば、次に段階に進むことができます。

もうひとつは「相手を批判しない」ことです。
批判されると必ず反論してきます。言葉を上手に選んで批判にならないような表現をしましょう。

「苦笑いしている出演者」のように「一歩引いて」、同じステージに乗らないようにするのが相談員の立場です。
もちろん、気持ちのつながりや共感は大切ですが、相手によってしっかり使い分けましょう。
これを読みながら、私は大丈夫と思っているかもしれませんが、当事者になるとついつい冷静さを失い興奮してしまうことがあります。
貴重な第3者の指摘があれば素直に振り返ってみてください。
どのような論点の相違でそうなってしまったのか。
どうすれば冷静に対応できたのか。
実践から日々学んでいく必要があります。

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人の話をきくこと(TVタックルより) その1

たけしのTVタックルを見ていました。
相談業務に役立つ要素が山盛りです。
ほかの討論番組とも共通しています。
もちろん、内容についてのことではなく、コミュニケーションという観点からです。

「人の話を聞かない」「人の話に割り込んでくる」「都合が悪い話は違うものに転嫁する」

大の大人が情けない。4人も同時に話をしたら何を話しているのか分からない。
子どもの見本にはできないので、子どもに見せれないです。といいながら自分の子供に解説してました。
ブラウン管を通じて冷静に見ていたら、客観的に評価することができます。
この状況を苦笑いで見ている出演者もいました。

さて、この議論のやり取りは、相談現場での難苦情事例とよく似た要素を持っています。
相談者や事業者と意見の食い違いや誤解から、話しのかぶせあいになったことはありませんか?
相談員はどちらかというと「苦笑いで見ている出演者」になることが大事だと思います。
しかし、当事者になってしまうと、なかなか冷静になることができないんですよね。
私自身も、ついつい感情的になって同じことをしてしまうことがあり、あとで反省してへこみます。

相談業務では、相談員対相談者、相談員対事業者、そしておそらく相談者対事業者でも、同じ場面が出てきます。
はたから聞いている(見ている)第3者にとっては状況がよく読めてきます。

この番組はあまり見ていないと思いますが、出演者の中で、共感を持てる出演者と、関わりたくない出演者がいると思います。
どのような人間像がどのような行動をするのかも。
冷静に見ていれば一目瞭然です。

まあ、テーマが「日韓問題」など議題が議題だけにお互い感情的になっても仕方がないかもしれませんが、相談業務では議論が公共ではなく個人になるので表現がストレートになります。

「人の話を聞かない場合、どのような背景があって、どのように対応すればいいのか」
次回は、討論番組を教訓として、相談業務にいかに活用するかということについて具体的に解説したいと思います。

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