将来は訪問販売にも不招請勧誘規制を導入?

業界紙で「日本流通産業新聞」というのが週に1回発行されています。
業界向けに特商法などの解説や問題点、法律Q&Aなどが掲載されています。

日本流通産業新聞社 日流ウェブ
http://www.bci.co.jp/
日本流通産業新聞バックナンバー
http://www.bci.co.jp/ryutsu/latest_edition/back_number_edition/index.html
日本流通産業新聞 2012年8月30日号

このたびの特商法の改正により、訪問購入が特商法の第7の商取引類型として規制が課せられることになりましたが、その中の「不招請勧誘規制」の導入について、8月30日号のコラムにに興味深いことが書かれていましたので紹介します。
コラムというのは記事ではなく、朝日新聞でいうと天声人語のようなものです。
「日本流通産業新聞」では「流通春秋」というタイトルです。
全文読むのがいいのですが、長いので概要を紹介します。

・今回の特商法の改正で訪問購入に「不招請勧誘規制」が導入されたが、ある官僚に訪問販売に及ぼす影響を、あくまで一般論として質問してみた。
・「訪問購入に導入された不招請勧誘規制は、訪問販売にも導入される可能性があるか」
・答えは「ある」と明快だった。
・その理由は訪問購入を特商法で規制した理屈が、訪問購入も訪問販売も似たような行為だからというもの。
・ならば、訪問購入で導入された不招請勧誘規制が、似たような業態である訪問販売にも導入されると考えるほうが官僚の論理としては自然ということだった。
・特商法は施行5年後に見直しを行うことになっており、その際には議論に上がることは必至ではないか
・今回の国会では政局が混迷した結果、「営業の自由の侵害」について十分な議論を経ずに国会をあっさり素通りした。
・訪問販売業者にとって、不招請勧誘規制が導入されれば業界は大混乱になり、「死刑宣告」に近い。
・訪問販売業界では、次回の特商法改正の議論の前に「訪問購入には必要だった不招請勧誘規制が、訪問販売には必要がない理由」について十分な理論武装をしておくことが求められる。

日本の商習慣の歴史から、訪問販売がなくなるとは思ってもいませんでしたが、このような考え方が国にあるということはとても興味深いですね。
業界と政治家の癒着も取りざたされてきたし、訪問販売による高齢者の被害が一向に減らない現状から考えると、ありうる話かもしれないなあと思いながら読んでいました。
日本流通産業新聞は訪問販売業者を含めた業界のための新聞です。当然、反対の方針でしょうが今後大変でしょうね。

行政としても、この動きを後押ししていくこともできます。例えば、訪問販売の被害が急増するたびに、不招請勧誘規制を導入すべきだと国や消費者やマスコミに訴えることも可能です
。また、消費者安全法における財産分野での消費者事故の通報時にセンターとしての要望に不招請勧誘規制を導入すべきと追記しておくなど。
相談員としても、このような動きや可能性があることは頭に入れておいた方がいいと思います。

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地方消費者行政の充実・強化のための指針 その2

Ⅳ 自治体への期待(提言)
先導的な取組と考えられる「現場」の事例を挙げながら、地方消費者行政の充実・強化に向けた自治体への期待をまとめました。
1.どこに住んでいても消費生活相談を受けられる体制づくり
(1)市町村における消費生活相談体制の充実
(地域特性に応じた窓口の設置と充実)
身近なところで消費者が相談できる窓口の充実は、消費生活の安全・安心の確保のための第一歩であり、消費者安全法では、市町村は相談、あっせん、情報の収集と提供を行うとされています。
平成24 年4 月現在で、窓口を設置している市町村数は、1,623(※)になり、設置率は93.2%(※)となりました。市町村による窓口設置の状況を人口カバー率でみると98.9%(※)に上ります。
(市町村の総合力による対応)
幅広い分野にわたる消費生活相談には、消費者行政担当課や窓口における取組だけではなく、福祉、子育て、教育、環境、税務、産業、労働など幅広い部署と連携が必要です。

(2)都道府県の消費生活センターの機能
(広域的で高度な案件への対応)
消費生活相談は、まずは消費者にとって身近な市町村による対応が基本です。都道府県の消費生活センターは、主として
①複数の市町村にまたがって発生しており、市町村と連携して都道府県が包括的に対応することで、より効果的な被害拡大防止が期待される案件
②豊富な相談事例の蓄積などを生かし、市町村ではノウハウの蓄積が進んでいない特殊性がある案件や、新規性があり現行の法制度だけでは十分な対応が困難な案件(最近の例では貴金属等の買取業者による強引な訪問購入に関する相談)
など、より高度で専門的な知識が必要とされる案件について、豊富な相談事例の蓄積などを生かした対応を行う必要があると考えます。
加えて、
③ 都道府県による法執行につなげるため、例えば管内の財産事案についての悪質事業者に関する消費生活相談情報等の一元的集約
管内の市町村の消費生活相談員等へアドバイスして、圏域全体としてあっせん力の向上を図るなど問題解決能力を高めていく取組
など、センター・オブ・センターズとしての機能を発揮する必要があると考えます。
このため、都道府県においては、自らの消費生活相談員や担当職員の一層の専門性の向上を図るとともに、有識者や専門家のアドバイスを活用するなど、体制の整備を図っていくことが必要と考えます。
(管内の市町村におけるセンター・窓口の設置・充実への支援)
管内の市町村のニーズに的確に対応して、市町村における消費生活センターや窓口の設置に向けた支援や消費生活相談員を養成するための研修など、相談体制の充実への支援を行っていくことが重要です。
このため、都道府県の担当職員や消費生活相談員が市町村の担当職員や消費生活相談員に対しアドバイスを行ったり、新たに配置される市町村の消費生活相談員に対して、一定期間、都道府県の消費生活センターでの研修を行うことなどを通じて、相談業務に関するノウハウを提供し、支援していく必要があると考えます。
また、一人で多くの機能を果たすことになる小規模市町村の担当職員に向けて、都道府県が独自の研修を充実させることも有効です。
消費者行政においては、相談内容が複雑化・高度化・長期化する一方で、関係法令の制定・改廃も頻繁に行われている状況にあり、管内の消費生活相談員への研修を継続的に実施することが大切です。
さらに、市町村の消費生活相談員や担当職員が解決困難な事案に直面した際にバックアップできる体制を整備するなど、市町村への支援体制を強化する必要があると考えます。
(市町村の相談体制の補完的機能)
小規模な市町村に寄せられた専門的知見が必要な事案や、あっせんが必要となる事案などを解決するために、市町村の消費生活相談員へのアドバイスを行ったり、市町村と連携しながら都道府県のセンターで対応したりするなど、市町村の消費活相談に対し補完的な役割を果たすことが求められます。
また、市町村間の協力体制が進むよう支援することも重要です。地域の実情に応じ、都道府県と市町村との具体的な役割分担や連携がなされることが重要と考えます。

(3)相談体制の基盤整備
①消費生活相談員の任用と処遇
複雑化、高度化する消費生活相談には、関係法令や制度を含めた消費者問題に関する専門的な知識と、聴き取りや助言、説得、事業者との交渉などの技能が必要とされます。特に聴き取りや事業者との交渉の技能は、相談の実務経験を積み重ねることによって習得できるものです。
また、消費生活相談員は、その知識や技能などを生かして、出前講座の実施や市民向けの消費生活情報の発信など、相談業務以外にも様々な役割を果たしています。
しかし、全般的に、こうした専門性に見合った地位が必ずしも確保されていない状況です。
現状では、自治体に任用されている消費生活相談員の大半が非常勤職員となっており、任期は約9割が「1年」となっています。実際には、再度任用(更新)されることが多いですが、消費生活相談員のうち約2割が更新可能回数に制限を設けられており、その更新可能回数は平均で5.5 回となっています。このような制限は、専門的な知識と経験を蓄積した消費生活相談員の育成を困難としている面があります。
報酬については、平均で1時間当たり約1,500 円であり、おおむね消費生活相談以外の他の分野の相談員と同程度の報酬となっています。
(消費生活相談員の処遇改善)
自治体においては、勤務形態に対する多様なニーズに配慮しつつも、消費生活相談員の専門性や困難性に対する理解を深め、その果たしている役割に見合う処遇へと一層改善していく必要があります。また、消費生活相談員の安全を確保することも大切です。
さらに、指定管理者制度等により自治体が直接任用していない場合においても、消費生活相談員の処遇の改善がさらに図られるように取り組むことが必要と考えます。
(消費生活相談員の専門性向上に配慮した任用)
任用回数の制限(いわゆる「雇い止め」)に関しては、知識とともに経験にも裏打ちされた消費生活相談員を失うこととなり、自治体にとっても損失であることに留意する必要があります。消費生活相談員の研修の充実とともに、非常勤職員である消費生活相談員の任用回数に制限を設けないなど、消費生活相談員の専門性の向上に一層配慮することが必要と考えます。
②消費生活相談員の養成・確保
地域によっては、消費生活相談に係る資格保有者がいない、住民同士で顔が分かるので消費生活相談員は他地域から任用したいなど、人材の需要と供給が一致しない状況がみられます。
自治体、特に都道府県においては、養成講座等の実施や地元教育機関等と連携した消費者法講座の運営など、専門家等とも連携しながら消費生活相談員の育成に向けて取り組む必要があると考えます。また、人材バンクの運営などにより、人材に関する情報をプールし、活用することも有効です。
③相談業務の質の向上
(研修に消費生活相談員が参加しやすい職場環境づくり)
研修は、消費生活相談員にとって、法令などの知識や相談スキルの向上につながることはもちろん、他の自治体からの受講者とのネットワークづくりにも大いに役立つと考えます。
自治体は、消費生活相談員が希望する研修に参加することができるよう、勤務体制の調整や担当職員によるバックアップなど、職場環境を整えることが必要です。特に都道府県においては、市町村の消費生活相談員のための研修機会を確保する必要があると考えます。
(研修内容の充実)
研修の内容についても、法令などの知識のみならず、交渉術やコミュニケーション能力など幅広い内容や実践形式を採り入れ、研修内容を充実していくことが必要と考えます。
(専門家・関係団体との協力)
(民間の能力を活用した消費生活相談の質の向上)
消費者団体を指定管理者として消費生活センターを運営したり、消費生活相談員を中心とするNPO に相談業務を委託したりする手法により、相談の質の向上を図る取組事例があります。民間の発想や力を生かすことによって、より消費者に寄り添う消費生活相談の実現を目指しています。執行部門を始めとする行政の各部との密な連携関係の構築が充分にできるかどうかなどの課題もありますが、専門的な消費生活相談員の安定的な確保にも有効な手段の一つになっています。
もちろん、コスト削減のみを優先させて消費生活相談員の処遇が悪化することがないように配慮が必要です。また、消費生活相談自体を民間任せにすることなく、行政が指定管理者や受託者と連携・協力して積極的に取り組む姿勢が重要です。
④商品テスト
消費者から寄せられた商品の安全性や品質等に関する苦情や危害情報については、商品テストを実施することが重要です。製品事故等の原因究明にも繋がります。
ただし、都道府県レベルであっても、単独でテスト機器や担当職員を配置することは容易ではない地域もあります。そこで、国の試験機関や、他の自治体での成果の活用も含めて、自治体における「商品テスト」機能の維持・充実を図る必要があると考えます。
⑤裁判外紛争処理機能
⑥相談現場に対する消費者行政担当課によるサポート
自治体において、消費者行政の担当課である「本課」の担当職員が、相談案件への対処のみでなく、相談対応に対する消費者からの苦情や要望への対応を含めて、消費生活相談員の業務について積極的にサポートを行う必要があると考えます。
また、消費生活相談員の業務についてサポートを行う上でも、自ら相談業務を担う上でも、担当職員の専門性の向上を図ることが重要です。担当職員に対する研修を充実するとともに、独立行政法人国民生活センターによる研修への参加の機会を一層確保する必要があると考えます。
年間を通して専門の消費生活相談員を置くことが難しい地域では、住民に身近なところでの相談体制を整備するために、担当職員が消費生活相談員資格を取得するなど専門性を身につけて、消費生活相談業務に当たることも有効です。

※自治体への期待の中で相談員のスキルアップについては、都道府県の相談員や行政職員が中心となって支援する、研修を実施し参加しやすいような体制にする。研修内容を充実する。行政職員も資格を取るなど相談現場をサポートする、等があげられていました。理想的な姿を示しただけで実効性については都道府県の裁量に任されている上、予算も削られている中、地方の中の地方はどんどん蚊帳の外になっていくような気がします。相談員資格の法制化の議論とリンクさせて相談員の研修を国が支援していくと上手くいのではないかと思います。

2.法の厳正な執行と連携強化
(1)法執行を担う体制整備
(執行を担う職員の配置と専任化)
そもそも消費者行政を担当する職員が少ない都道府県や、配置されていても法執行を担当する職員が他の業務を多数兼務し、執行に専任できる環境にはないといった都道府県も少なくありません。法執行は、少人数で「片手間」でできる事務では決してありません。
このため、都道府県においては、執行担当者の新たな配置や専任化を進める必要があると考えます。
(執行を担う職員の経験の充実)
(組織としての位置付けの強化)
(2)国と地方、地域内・地域間での連携強化
(地域内での連携)
また、執行担当者と消費生活相談員との意思疎通や連携が必ずしも上手くいっていないのではないかという指摘もあり、都道府県内においても、消費生活センターの消費生活相談員と執行担当者との間で緊密な情報交換を図るなど、実務レベルでの連携を強化することも不可欠です。
(地域間での連携)
(国との連携)
(3)消費者安全調査委員会との連携
3.地域社会における消費者問題解決力の向上
(1)首長のリーダーシップと消費者行政に対する自治体全体の認識深化
一方で、現状では、消費者行政部署に異動して初めて消費生活相談の存在を知ったという声も聞きます。
(2)事業予算の確保
(3)自治体間の連携強化、消費者庁との連携強化
(自治体間における連携強化)
(消費者庁との連携強化)
(4)消費者団体をはじめとする多様な主体との連携強化
(多様な主体との連携強化)
こうした協力は、消費者生活相談に関する資格者や専門家が少ない地域において、相談内容の高度化・専門化に対応したり、啓発活動などを推進したりする上で特に有効です。
(地域の多様な活動の確保・育成)
(5)普及・啓発による予防と被害への気づき
(6)消費者教育による消費者の自立への支援
(教職員の研修における連携)
(地域の特色や工夫を生かした展開)

以上が指針の本文です。
理想論を並べて実現性に疑問が残るところですが、行政職員と体制強化について議論する機会あれば、この指針を持ち出して活用すればいいと思います。国が地方行政に求めていることですので、基本的には行政は否定できないというのが前提です。感情的にならずに、このような根拠を持ち出して議論していくことが有効です。

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地方消費者行政の充実・強化のための指針 その1

「地方消費者行政の充実・強化のための指針」が7月12日に策定され、7月31日に消費者庁のHPに公表されました。

この指針は、「集中育成・強化期間」後における地方消費者行政の充実・強化に向けた取組の方向性を示すもので、地方消費者行政を担う行政職員や相談員が目指すべき目標を示すものですので、これらの実現に向けて様々な政策が進められます。
次のステージに入ったという意味でも、この指針は読んでおいてほしいと思いますが、相談員のスキルアップを中心にポイントを抜粋して紹介します。

ホーム > 地方協力課
http://www.caa.go.jp/region/index.html#m01-3

<地方消費者行政の充実・強化のための指針>

「地方消費者行政現況調査」などとともに、「現場」の声から地方消費者行政の現状と課題を分析し、中長期的な展望に立った地方消費者行政の目指す姿を描きながら、「集中育成・強化期間」後における地方消費者行政の充実・強化に向けた取組の方向性として、「消費者庁の取組」と「自治体への期待(提言)」を示す「地方消費者行政の充実・強化のための指針」を策定いたしました。
また、消費者行政に関する全国各地の先導的な取組と考えられる「現場」の事例を「取組事例集」として掲載しております。

「地方消費者行政の充実・強化のための指針」策定にあたって[PDF:103KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/120730plan1.pdf
「地方消費者行政の充実・強化のための指針」(概要)[PDF:267KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/120730plan2.pdf
「地方消費者行政の充実・強化のための指針」(本文)(7月12日策定)[PDF:464KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/120730plan3.pdf
「地方消費者行政の充実・強化のための指針」(取組事例集)[PDF:3,582KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/120730plan4.pdf

1番目の策定に当たっては大臣署名のA$両面の文書で後半に相談員の雇い止めに対するメッセージが出されています
2番目の概要にはA41枚の表に指針の概要、裏に取組事例集(抜粋)がまとめられています
3番目の本文から抜粋して紹介したいと思います
4番目の取り組み事例は91事例紹介されていますが、相談員のスキルアップに関する事例を紹介します


Ⅰ 指針策定の背景と趣旨
1.地方消費者行政「集中育成・強化期間」
消費生活の「現場」は、地域であり、消費に伴う様々な問題も地域で生じています。
地域という「現場」における消費者行政の充実・強化なくして、消費者被害の防止や救済、消費生活の安定や向上はあり得ません。このため、『消費者・生活者の視点に立つ行政への転換』には、国だけではなく、「現場」である地方消費者行政の抜本的強化が不可欠との認識から、消費者庁では、自治体と連携を強化しながら、その取組を支援してきました。
平成22 年2 月に取りまとめた「地方消費者行政の充実・強化のためのプラン」では、先進的な取組事例等を踏まえながら、地方消費者行政の充実・強化のための課題と解決の在り方について示しました。
また、財政面では、平成21 年度から23 年度までを地方消費者行政の「集中育成・強化期間」として、地方消費者行政活性化基金1(以下「基金」といいます。)の創設や住民生活に光をそそぐ交付金2、地方交付税措置の拡充3等の措置を通じて財政的な支援を行ってきました。
この間、各地域の自治体においては、こうした支援措置を活用して、平成21年度から23 年度までの3年間で、消費生活センター及び消費生活相談窓口(以下「窓口」といいます。)の開設や充実など、地方消費者行政の基盤強化の取組が着実に進められてきました。
平成23 年4 月には消費者委員会から「地方消費者行政の活性化に向けた対応策についての建議」が出されました。
この建議も踏まえ、消費者庁では、地方消費者行政の現状を分析するとともに、「地方消費者行政活性化基金」、「住民生活に光をそそぐ交付金」といった財政支援措置の効果についての検証を行いました。さらに、市町村間の広域連携や都道府県との連携を含めた市町村の消費生活相談体制の構築、自治体内の各部署との連携、地域の多様な主体の「参加」と「連携」、消費生活相談員の処遇改善等について、詳細な事例を収集・整理しました。その上で、「消費者庁の取組」、「自治体への期待(提言)」をまとめて、この「地方消費者行政の充実・強化のための指針」(以下「指針」といいます。)を作成することとしました。

Ⅱ 基本的方向性
<中長期的展望に立った地方消費者行政の目指す姿>
1.どこに住んでいても消費生活相談を受けられる体制づくり
2.法の厳正な執行と連携強化
3.地域社会の消費者問題解決力の向上

Ⅲ 消費者庁の取組
1.基本的な考え
消費者庁は、地域主権の考え方を踏まえて、自治体との連携・協力をより強化し、地方消費者行政の充実に向けた取組を支援していきます。また、各地域における先進的な事例やモデル的な事例を収集・紹介するとともに、様々な機会をとらえて自治体の首長等へ働きかけを行っていきます。また、事業者に対しても、消費者基本法の基本理念にのっとり消費者の権利を尊重した事業活動を求めます。さらに、公正で質の高い市場形成のためには消費者行政の充実・強化が不可欠であるとの認識を共有し、自治体における取組への協力を働きかけていきます。
また、基金が終了する平成25 年度以降においても、地方消費者行政に積極的に取り組む自治体を引き続き支援し、自治体での取組を下支えできるよう、必要な財源確保に向け、最大限の努力をしていきます。
こうした取組を進めるに当たっては、関係省庁との情報共有を進め、的確な役割分担と連携を行いつつ、内閣府特命担当大臣(消費者行政担当)を本部長とする地方消費者行政推進本部において、地方消費者行政の充実・強化に向けた支援の在り方について検討・決定し、必要な施策をより積極的に推進していきます。

2.継続的に取り組む事項
(1)どこに住んでいても消費生活相談を受けられる体制づくり
(消費者ホットラインと、それを活用した地方支援のための相談体制)
(消費生活相談員や担当職員への研修)
独立行政法人国民生活センターでは、消費生活相談員や担当職員等を対象に研修を実施しています。特に、消費生活相談員向けの研修では、消費生活相談に必要な法律的な知識をはじめ、聴き取りなどの具体的技法や、消費生活相談員としての心がまえや意識・考え方などを習得する研修を実施しています。
また、より参加しやすいように研修の地方開催を積極的に進めるほか、新たな研修手法として、遠隔地で講座を受講できる「遠隔研修」や、職場や自宅でも講座が視聴できる「オンデマンド配信」を検討しています。
このほか、小規模な消費生活センターや窓口で働く消費生活相談員や担当職員を対象に、実務経験豊富な消費生活相談員を派遣し、相談対応に関する助言等を行う事業を実施しています。
引き続き、自治体の消費生活相談員や担当職員の研修ニーズを踏まえて、こうした取組を充実し、地域の消費生活相談を支援していきます。
(研修講師の紹介)
都道府県等が研修を実施する場合に、消費者庁は独立行政法人国民生活センターと連携し、要望に応じて研修の講師となる有識者に関する情報を提供します。また、研修に対して、専門家や消費者団体など関係団体の積極的な協力を得られるよう、消費者庁として働きかけます。
(消費生活相談員へのアドバイス・支援)
消費者庁では、消費生活相談員から消費者庁所管法令に関する法令解釈照会や改善提案等を受け付ける「相談員の窓」を設けています。都道府県、独立行政法人国民生活センター、経済産業局等の国の地方支分部局で従前から行っているアドバイスと併せて、より消費生活相談員のニーズに合ったものになるよう充実させていきます。
また、独立行政法人国民生活センターでは、各地の消費生活センター等で受け付けた解決困難な相談について、経由相談(助言、共同処理、移送)等の支援を行っています。
(消費生活相談員の処遇改善の働きかけ)
専門的な知識・技能を有する人材の確保は、消費者行政の充実のために不可欠です。消費者庁では、消費生活相談員がその専門性に見合った処遇を受けられるよう、非常勤職員の消費生活相談員の任用回数に制限を設けないことを含め、自治体、特に首長に働きかけていきます。非常勤職員の行う業務の中にも恒常的に必要となる業務があり、消費生活相談員について一律に任用回数の制限を設けることは適切ではないという認識をより広げていくために、地方公務員制度を所管する総務省に対しても協力を得られるよう働きかけています。
(相談解決に資する情報の提供・共有)
(商品テストの実施と自治体による結果の共有化)

(2)法の厳正な執行と連携強化
(自治体との人事交流による人材育成)
(執行担当職員の研修と支援)
(情報のネットワーク化)

(3)地域社会における消費者問題解決力の向上
(顔の見える関係の構築)
(地方消費者グループ・フォーラム)
(人的交流の強化)
(食品と放射性物質の問題を始めとする消費者への情報提供等の支援)
(情報の収集と注意喚起)
(消費者教育の推進)

3.当面(平成25 年度に)重点的に取り組む事項
(1)自治体の基礎的な取組とレベルアップを支援
地方消費者行政の推進は、「地域主権」の考え方に基づき、自治体が、自主財源を用いて住民の意思に基づく取組を行うことが基本です。
しかし、現状では、こうした自主的な取組を支えるために必要な経常的経費に係る一括交付金化の動きは進んでおらず、「集中育成・強化期間」で整備された地方消費者行政体制を維持・充実していくためには、過渡的な措置として新たな財政支援を設けることが必要と考えます。
基金終了後の新たな財政支援は、以下の2つの柱によります。
①自治体による基礎的な取組の下支え
自治体における基礎的な取組である、
・身近な消費生活相談体制の整備(市町村における窓口の立ち上げ・機能強化、消費生活相談員の養成・レベルアップ都道府県による支援・補完的取組
・消費者教育、消費者の安全・安心確保のための啓発活動を支援します。
②地方消費者行政のさらなるレベルアップ
自治体による先進性・モデル性の高い事業の実施を支援します。消費者庁では、各地域の知恵と工夫を全国の「現場」に情報提供することで、全体のレベルアップを図ります。
(2)食品と放射性物質に関するリスクコミュニケーションの推進
(3)高齢者の消費者トラブルの防止
(4)消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化
消費生活相談の一層の質の向上を図るため、平成 23 年10 月に「消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会」を立ち上げ、検討を進めています。
検討会では、自治体からのヒアリングやアンケート結果を踏まえながら検討を進め、今夏に取りまとめを行う予定です。
消費生活相談員資格と消費生活相談員の職を法律に位置付けることで、消費生活相談全体としてのレベルアップと全国的な水準の確保が図られるとともに、消費生活相談員が専門職として適切な評価を得て、待遇改善につながることを期待しています。
(5)PIO-NET の刷新
PIO-NET は、全国の消費生活センター等の相談業務を支援するものです。一方、現行のPIO-NET は相談内容を正しく分類できるようにキーワード方式を採用していますが、このキーワードの入力やその正誤のチェックが、消費生活相談員や自治体職員等の負担にもなっています。
消費者被害が多様化、複雑化する中で、法執行を担当する行政機関等からのPIO-NET 情報に対する需要も高まっており、情報分析機能の向上も求められています。
消費者庁では、「PIO-NET 刷新に関する検討会」において、①消費生活相談員の入力負担を軽減する、②現場の相談活動にさらに役立つものにするため情報分析機能を向上させる、などの観点から、PIO-NET 刷新の中間報告をまとめました。今後、平成27 年3 月末までにシステム刷新を行うため、さらに定量的なデータを収集・分析するともに、自治体との意見交換を進め、具体的な刷新の内容について検討を進めます。また、PIO-NET 操作マニュアルの見直しなどは、システム刷新を待つことなく、実施していきます。
(6)貴金属等の訪問購入への法的措置(特定商取引法の改正に係る取組)
(7)財産被害に係るすき間事案への行政措置の導入(消費者安全法の改正に係る取組)
(8)消費者安全調査委員会の設置(消費者安全法の改正に係る取組)
(9)集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の創設
(10)食品表示の一元化
(11)消費者教育の推進
(12)消費税率引上げへの対応

※基金が終了し、研修旅費や研修開催にかかる費用がない中、どれだけ相談員の資質向上のための研修ができるかというところですね。先進的な取り組みは国が支援するとなっていますが簡単ではありません。(消費生活相談員や担当職員への研修)の項目では国センが実施している研修のことが書かれていますが、今後は参加する機会も減少するでしょう。地方開催も本当の地方には来ないですし、、遠隔研修、オンデマンド配信なども今現在始まっているところですが、相談員の資質向上は地方消費者行政の要といってもいいかもしれません。
当該部分を再掲します

(消費生活相談員や担当職員への研修)
独立行政法人国民生活センターでは、消費生活相談員や担当職員等を対象に研修を実施しています。特に、消費生活相談員向けの研修では、消費生活相談に必要な法律的な知識をはじめ、聴き取りなどの具体的技法や、消費生活相談員としての心がまえ意識考え方などを習得する研修を実施しています。
また、より参加しやすいように研修の地方開催を積極的に進めるほか、新たな研修手法として、遠隔地で講座を受講できる「遠隔研修」や、職場や自宅でも講座が視聴できる「オンデマンド配信」を検討しています。
このほか、小規模な消費生活センターや窓口で働く消費生活相談員や担当職員を対象に、実務経験豊富な消費生活相談員を派遣し、相談対応に関する助言等を行う事業を実施しています。
引き続き、自治体の消費生活相談員や担当職員の研修ニーズを踏まえて、こうした取組を充実し、地域の消費生活相談を支援していきます。
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