カンブリア宮殿 (2011年3月3日) その3

薮中流 交渉のカギ

外交交渉のカギとして次の3つを研究しておくべきである
①相手が何を狙っているか
②交渉と結論を急いでいるか
③相手の人柄、力量は

全体の交渉の流れをきちんと頭に入れておくことは交渉をまとめる上であるいはまとめない上でも大事
そのときに、相手が何を本当に狙っているのか
この交渉を実際には急いでいるか
やろうとしている相手が本当に力量があるのか
向こうも同じこと
その相手がどれだけ力量があるのか
「あいつに言っても仕方がない」とか「どうせ上の人に一つ一つ聞かなければダメ」となると
相手も本気に取られない
こっちも本気に取られない
ある程度こいつは交渉ができるなと分かると
交渉官同士でいよいよ相手の交渉官のことを信頼する
実際の問題として解決策を一緒に見出していく

外交官にとって最も大事な資質は、いかに自分のことを含めてきちんと説明できる能力があるか
普通の当たり前のことを聞いても相手は喜ばない
だから西欧の外交官は哲学とかをまず勉強する
あるいは文化を勉強する
日本人も外交官なら日本文化とか
きちんと頭に入れて自分の考えを持って
少なくとも持っているように見せかけて
ある程度魅力的に話す能力というのは大事

※全体の交渉の流れをきちんと頭に入れておくことは相談現場でも重要です。電話で済ませてしまうことが多いですが、しっかり紙にまとめておくと要点が分かります。なんとなく勢いで電話してしまい解決できないことも多々あります。
終着点を想像しておき、センターの狙い、事業者の狙いを考えながら交渉することが重要です。
また、結論(目的)を相手に示さなければすすめない場合もあります。当然、相談者の希望や目的をしっかり聞き取っておく必要がありますね。
まさしくロジカルシンキングです。
また、交渉相手が単なる事務的な受付オペレーターであれば交渉は遅々として進みません。
受け付けを通してほしいと言われても、必ずCS担当の責任者などと直接交渉しましょう。

以上のように考えると、「薮中流 交渉のカギ」はまさに一般論化されることが分かります。
ぜひ、番組のバックナンバーの動画配信をご覧ください。

(平成22年3月21日 初稿)
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カンブリア宮殿 (2011年3月3日) その2

交渉術のセミナーが紹介されていました

株式会社メンタークラフトの交渉術のセミナー

THE NEGOTIATOR
ハーバード流
グローバル交渉術
交渉術と異文化を構造的に理解し
Win-Winスキルを身につける
2011年2月20日
株式会社メンタークラフト

外国人の考え方を理解し、ビジネスで勝つ交渉術を学ぶことができる
受講料3時間で3万円
2人1組に100万円が配られ相手と交渉して100万円をいかに多くぶんどるか
泣き落とし作戦→相手と同じ手をうってきた→あっさり半分づつ分けることで決着
他の参加者もほとんどが半分づつ
一番日本人に多い50:50
これは妥協型と言われる
アメリカ人の交渉の先生に怒られるパターン
妥協する前に何ができるか探す
どんな小さいことでも探すことが大事
全くないと思っていたところに何か1つでもカードがないか
1つでも権利を与えられるものがないか知恵をしぼる

参考までに株式会社メンタークラフトのHP→http://www.mentor-craft.co.jp/index.html

※このセミナーはあくまで外国との交渉であり、相談現場は日本であり、日本人同士ですので、事情は異なります。
相談現場では50:50も十分な成果であることが多いです。
裏を返せば、日本人ならではの妥協という解決方法が使えることになります。

ただし、妥協で済ますか、全額補償で交渉するかは、ケースバイケースです。
妥協すべき案件を、全額補償しようとしてしまい複雑になってしまうこともあります。
この見極めも、相談員として必要なスキルですので今後解説したいと思います。

(平成22年3月17日 初稿)
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カンブリア宮殿 (2011年3月3日) その1

カンブリア宮殿
2011年3月3日放送
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/list/list20110303.html
世界で勝つ交渉術 日本外交の未来を読み解く!
ゲスト 前 外務省事務次官
薮中三十ニ(やぶなかみとじ) 氏

今回の話は相談現場でも直接的に役に立つので番組HPよりバックナンバーの動画配信を必ず見てください
動画のページ→http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/dogatch.html
カンブリア宮殿→http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
テレビ東京系列 毎週木曜日 22時~

テーマは「世界で勝つ交渉術」です
相談現場でも事業者との交渉は日常的な業務です
しかし、交渉のスキルが十分でない場合はうまくまとまりません
今後のスキルアップ講座でも交渉・ロジカルシンキング・説得などを解説していきます。
交渉は、相談員として、消費者の抱える状況が理解できた後に必ずしなければならないことです。
たとえば、出会い系サイトのお金を返してもらうのにも今は一つの交渉のパターンができています。
感情で主張しても相手は動きません。理由(理屈)が必要です。逆に理由があれば交渉は意外とすんなり進みます。
外交という立場での交渉ですが、まさしく相談現場と同じです。
久しぶりに超貴重な放送になりました。
何回かに分けて内容を紹介するとともに、相談現場でどう関係していくかを書きたいと思います。

拉致家族の帰国

北朝鮮を交えた2003年8月の6カ国協議のテーマは「核放棄」日本は「拉致問題」もテーマにしたかった
「とにかく拉致問題が大事だから言わせてくれ」ではだめ
なぜ拉致の問題を取り上げるのか
それには、理屈、ロジックが必要

核を放棄すれば日本は経済支援できる
ただし、そのためには拉致問題の解決が必要
だから、核放棄と拉致問題の解決は切り離せない

このロジックを武器に反対するロシア中国韓国を説得して回った
初めのうちは「うーんそうか?」と同意を得られない場合もあった
繰り返し整理して言うと「なるほど」とならざるをえない
「核放棄と拉致問題の解決は切り離せない」という日本の立場を堂々と主張した
そして、2004年5月拉致家族5名が帰国することとなった

なぜロジックが大事か

交渉でなぜロジックが必要かというと世界共通用語だから
つまり、各々の国は歴史も違えば習慣も違う
そのときに「なあなあ分かるだろう」では相手は分からない
そこで共通の用語として英語もあるが
考え方として一応筋が立っている、論理が通っていることが大事
それがお互いを理解できる1つの共通の基準
もう一つ、交渉は本国へ帰って「相手はこう言ってました」という時に
相手の言っていることに筋が通ってない場合には説明のしようもない
「うちの特殊事情を理解してくれ」と言われても
そんなことを理解して国に帰ったら「バカか」と言われるだけ
空気を読むのとは反対
ロジックは世界共通用語

※相談現場で、事業者と交渉しているときに、「お金がないので何とかなりませんか?」はダメなことが分かったと思います。泣き落としは最終段階です。まずは、理由を説明し、法律などのここに違反している可能性があるので、支払えません、返金してください、減額してください、などの交渉をします。そのために、事業者に電話をかける前に、問題点を整理しておくのです。この整理こそロジカルシンキング(理論的に物事を考えること)です。さらに突っ込めば、こちらに不利な場合は上手に交換条件を使うという手法もあります。これは別の機会に。
ロジカルに説明すれば反論の余地がなくなりますので相手は飲まざるを得なくなるのです。
ただし、日本人同士ですので、強行的に言ってよい場合と、感情的に交渉したほうがいい場合も当然ながらあります。
これ以上は本講座で説明します。

(平成23年3月17日 初稿)
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