携帯とスマートフォンの個人認証の違い

携帯電話とスマートフォンの違いの中で大きなポイントは、スマートフォンでは携帯専用サイトが閲覧できないことです。
(スマートフォンやパソコンでも見かけ上見ることのできるサイトは携帯専用サイトではありません)
その理由は、携帯専用サイトは携帯電話からの接続であるということを確認しているからです。
携帯では、いわゆる、個体識別番号等の情報を発信して接続します。
したがって、個人を識別することが比較的容易です。
それに対して、スマートフォンでは、そのような個体を識別判断できる情報を発信していません
スマートフォンは携帯ではなくパソコンです。
パソコンでは個人を識別できる情報を発信していないことはご存知だと思います。
(細かく言えば少し違うのですが分かりやすく説明するために大雑把にしています)

それは何を意味するのか?
ズバリ、所有者の信頼性です。
パソコンの場合はどこの誰だか分かりませんし、日本人か外国人かもわかりませんので、匿名アクセスが可能です。。
一方、携帯では携帯電話会社の回線を使用し、個体識別番号を使って接続しているので、接続してきたユーザーは身元がはっきりしていて信用でき、個人認証にも使われるのです。

この個人認証に使われるということが大きなポイントです。
スマートフォンを従来の携帯のように使用して、携帯専用サイトに登録しようとしても、登録できないのです。
「携帯電話端末から接続してください」というエラーが表示されます。
さらに、Wi-Fi接続で認証を試みると、「3G」回線で接続するように求められます。
Wi-Fi接続は携帯電話会社の回線ではないので、個体を識別できることができないのです。
それほどまでに、携帯電話からの接続は身元がはっきりしており、信頼性の高いユーザーなので、事業者は携帯電話からの会員登録やアクセスが欲しいのです。
そのために、ポイントなどのインセンティブも高いのです。

認証については、例えば、大手ゲーム会社のGREEはスマートフォンからでもアクセスはできますが、最初の登録のための認証はスマートフォンではできません。
アメーバピグなども、見ることはできますが、スマートフォンからは登録できません。
スマートフォンで使用しているキャリアメール(i-modeやezwebなどのメルアド)でも、見かけ上は携帯アドレスですが、登録できません。
ちなみに、両サイトともパソコンからは登録できますが、最終的には携帯電話からの認証を求められます。
つまり、携帯電話の所有者という絶対的な個人を特定できる情報を持っているがゆえに、ゲームのアイテム課金などの料金を携帯電話会社からの請求として後払い決済できるなどの特典があるのです。

もしかすると、相談現場で、今まで使っていた携帯電話サイトが見れなくなったという初歩的な相談があるかもしれません。
これは、説明してきたように、スマートフォンが携帯電話ではなくパソコンであると理解すれば分かりやすいと思います。

ただし、今後はますますスマートフォンのユーザーが増えていきます。
スマートフォンとはいえ、パソコンよりも身元が確かなのは変わりません。
このまま、個人認証ができないのであれば、メーカーにとってもキャリアにとってもユーザーにとっても不都合です。

ところが最近、スマートフォンによる新しい認証方法が出現しました。
おそらく、この方法が一般的になるのではないかと思いますので、しっかり知っておいてください。
消費者への助言で、認証方式の違いから、将来の動きまで助言できれば、一味違う相談員と一目置かれます。

その新しい認証方式とは

ショートメールやCメールなどの電話番号を使ったメールによる認証です。
SMS(ショートメッセージサービス)で接続URLを送信して、それをクリックして接続することにより、携帯電話番号が相手に通知され、それが絶対的な個体を識別できる情報となり、個人認証が可能となります。
パソコンサイトでも自宅の電話から番号通知で登録するとサイトにも登録できるという方式がありましたので、その応用でしょう。
この方法だと、3G回線による番号が通知されたスマートフォンによる個人認証が可能になるのです。
ただし、携帯電話番号という個人情報が通知されることになります。

断言はできませんが、この方式が主流になる可能性が高いと思います。

ちなみに、SMSによるメールのURLをクリックしたら、アダルトサイトに登録され、直接、携帯電話に脅しの請求電話がかかったり、次々メールがきたりという、初期のワンクリックサイトと仕組み的には同じということですね(従って、悪用されることも考えられます)。

追記
GREEやアメーバピグはスマートフォンでも登録できるようです。ただし、電話による認証などが必要な場合もあり、なんだかややこしいです。
それと、アメバピグは動画の表示にFLASHを使用しています。アンドロイドはFLASHに対応していますが、iphoneはFLASHには対応していません。
また、ブラウザではなく、アプリで対応する場合もあるようです。
今は、本当にシステムが変わっていく過渡期です。

月刊 国民生活 2012年2月号

いよいよ雑誌形式での発行もあと3回になりました。
2月号は相談員試験の問題と解答、合格者の発表です。
それに関連しているのか、特集が「消費生活相談員」となっています。

①特集 消費生活相談員
「消費生活相談員の歴史」
※このような特集には欠かせない歴史的な流れを説明しています。消費者行政の流れや世相がよくわかる貴重な資料です。
「消費生活相談員の役割」
※兵庫県の行政職員から明治学院大学法学部准教授に転身した圓山先生の記事で今や消費者問題の専門家として書籍も出版しています。相談員の仕事が分かりやすくまとめられています。この記事をもとに相談対応マニュアルが作れそうです。私も参考にしたいと思います。
「消費生活相談員の声」
※現職の相談員6人の生の声が紹介されています。現場の実態を体感するにはとても参考になります。また、それぞれのセンターによる環境や方針の違いもよく分かります。

②チェックチェック! 苦情相談
「スーパーの仮設店舗でのモバイル通信契約」
※昔のヤフーのIP電話を思い出します。今こそ減ってますが、2年ほど前からどこででも見かける光景でしたね。
「説明不足」それにつきます。興味のない人・知識のない人を呼び止めて説明するのは無理です。
トラブル続出するのはあたりまえでしょう。それでも、商品特性を理解して購入すれば、有効活用できます。
解説では、仮設店舗が営業所に当たるのか、キャッチセールスに当たるのか、クーリングオフが可能なのかなど法律的な観点で書かれています。

「モニター応募者に当日手術をした美容クリニック」

※キャッチセールスのエステはひどいですね。昔からやっているのに今だに減らないです。今回の事例は犯罪的かもしれません。そして、このような悪質商法を根絶できるような制度がない・できない・やらないことは消費者行政の問題点ですね。国よ、もっと正論で取り組んでくれ!

③食品表示ミニ講座 「栄養についての表示」」
・栄養成分表示
・トランス脂肪酸の含有量表示の問題
・強調表示
※栄養成分表示は相談現場ではあまり使うことはないと思いますが、一般常識として知っておくべき食品表示の知識です。また、任意表示ということで始まりましたが、今やほとんどの食品に表示されています。強調表示の問題や将来的にはトランス脂肪酸の表示の問題まで含まれています。そして、消費者庁は表示を義務付ける方向で動いています。

④ホッと ティータイム 「がんばれ!新人相談員」
・新人相談員は何もかも不慣れです。しかし、経験に関係なく最高のパフォーマンスを求められるのが相談の現場です。がんばれ!

⑤平成22年度消費生活専門相談員資格認定試験 第1次試験 -問題と回答-
・あいかわらず、・・・・な問題です。問題数が250問→200問に減っています。
・国民生活センターのHPに受験者数や、合格率、都道府県別合格数が公表されていますが、受験者数・合格者数とも大幅減少です。
http://www.kokusen.go.jp/shikaku/pdf/11shiken_result.pdf

国民生活センターHP
月刊国民生活2月号
http://www.kokusen.go.jp/book/data/gko.html

先月号に↓のように書きました。残念ながら、ここまで突っ込んだことは書かれていませんでしたね。

次の2月号は毎年恒例の、相談員試験の問題と解答の公表と合格者の一覧が掲載されます。
そして、何よりも注目が、「消費生活相談員」が特集記事となります。雑誌形式の出版の終了を間近に控えているのと、相談員が注目されているので、いいタイミングですね。どんな記事か楽しみです。おそらく、相談員は消費者の被害回復や悪質業者の撲滅へ貢献してきたという内容になると思いますが、個人的には、「相談員の資質について、より高度な知識とコミュニケーション力が求められているが、資質の確保が難しく、問題となる相談員もいる」というようなところまで突っ込んでもらえたらと思っています。

検索サイトのスポンサー広告

ネットで調べ物をするときは、検索サイトを使うことがほとんどです。
代表的なサイトは「Google(グーグル)」と「Yahoo(ヤフー)」です。
グーグルで検索することを「ぐぐる」とまでいわれています。

表示されるサイトはが上位にあればあるほど見てもらえる確立が高く売上につながります。
したがって、事業者は上位に表示されるように工夫します。
それを「SEO(Search Engine Optimization)」、日本語では「検索エンジン最適化」といいます。

検索エンジンは、検索サイト独自のもので、「グーグル」と「ヤフー」の2つに大きく分かれます。
他の検索サイトは、この2つのエンジンを使っているものがほとんどです(例えば、「BIGLOBE、livedoor、goo」などが「グーグル」、「MSN、楽天」などが「ヤフー」の検索エンジンを使用しています)。
これらのエンジンの仕組みは、世界中のサイトを定期的に巡回しているロボットが検索サイトの情報(キーワード)を収集し、検索サイトが独自の基準で順位を決めます。
この独自の基準は非公開ですので、それを推測して検索順位が上位に表示されるようにサイトを構築することを「SEO対策」といいます。
売上に直結するので、事業者はかなりの力を入れます。
事業者だけではノウハウもないので、SEO対策をする専門の業者がいくつもあります。
その質はピンキリです。
SEO対策業者に依頼したのに上位に表示されないというトラブルは多くあります。
ドロップシッピングでの抱き合わせ販売で消費者センターでも相談の経験があるかもしれません
(ドロップシッピングのシリーズで解説済み「解説 ドロップシッピング その6」https://soudanskill.com/20100920/97.html )。

そう簡単に上位表示するのは困難です。やらせも不可能です。
キーワードとリンクがポイントのようですが、最近は表面的なものではなく、コンテンツ重視と言われています。

さて、前置きはこのぐらいにして、今回、解説したいのは検索サイトに表示されるスポンサー広告のことです。

検索結果の表示をよく見て見ると、最上部やサイドや最下部に、「スポンサードサーチ」や「スポンサーリンク」などの文字が見れると思います。
実はSEO対策をしなくても、広告料を支払えば検索結果とは別枠の広告欄に表示されるのです。
非常に目立つのでクリックされやすいですし、一見しただけでは広告と分からないので、クリックして訪問される確率が上がります。
ほとんどが、1回クリックされた5円などの単価になっており1ヶ月に2万円などの手軽さで広告を出すことができます。
狙ったキーワードでずばり自分のサイトが表示されるので非常に効率がよく広告効果が高いです。
ヤフーやグーフルの収益は、今や、これらの広告収入が大きな柱となっています。

「ヤフー」の検索サイトで「バームクーヘン」というキーワードで検索してみました。

 

「最上部の5サイト」と「右サイドの7サイト(実際は8サイト)」が「スポンサードサーチ」と表示された広告になっています(赤で囲んでいます)。
画面のほとんどが広告ですね。
本当の検索1位は「バームクーヘンのこだわり|CLUBHARIE(クラブハリエ)」です。

なんだか消費者を欺いているような気がしますが、営利企業での広告戦略ですので、良いか悪いかは別として、このような事実をしっかり知っておいてください。
これを活用(悪用?)することも可能で実際に消費者センターに相談が寄せられる事例も出てきています。
その具体例を「消えない請求画面」で紹介したいと思います。

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