情報の伝え方

ネット上には、おそらく現役の相談員、もしくはそれに近い立場の方が書いているであろうブログなどがいくつかあり、私も読んでおりますが、情報の伝え方に危うさを感じることがあります。
個人情報に配慮するのは当然で、それについてはある程度クリア(?)しているようですが、自分の意見を主張する場合は難しいと思います。
いくら匿名といっても、現場の相談員であるならば、発信する言葉に重みと責任があります。
その中でも、twitterでのつぶやきに対しては、140字と字数が制限されているので、真意が伝わっていないことがあります。
特に何かを批判したり、何かを求めるのなら、つぶやきではなく、字数制限のないブログや掲示板で、しっかり論理的に主張してほしいと思います。それでないと誤解を与えてしまいます。また、その情報が一人歩きする場合もあります。
特に自分が所属する組織に対する批判は、その組織自身の信頼を損なうこともあり、内部で発覚し問題になる場合もあります。
一方的につぶやくだけなら、自分の主張を一方的にまくし立てる人たちと同じになってしまいます。

相談員は現在発生している問題について、わかりやすく翻訳して伝えるという役割があります。
なぜ、そのような主張をするのか。何が不満で、どうしてほしいのか。
まさしく、相談現場でのやり取りそのものです。
情報発信には十分な配慮をしてほしいと思います。

一方、相談員であるからこそ発信できる情報もあります。
それらのバランスを保ちながら運営してほしいと思います。

ちなみに、消費者庁もtwitterで情報を発信しています。
主に、重大事故の公表などの情報ですが、いちいち消費者庁のHPを確認しなくても、つぶやきにリンクが張っているので見落とすことがないので重宝しています。

このサイトの今後について その1

2010年に、このブログを立ち上げて1年と4ヶ月が経過しました。
このサイトを今後どうしていくのか、また、自分自身がどうしていくのか、どうしたいのか、方向性を明確にする必要が出てきました。

私が肌で感じていることは、消費者行政、特に現場の相談員はこのままでは手詰まりになってしまうかもしれないという危惧です。
消費者庁が創設され、消費生活センターが多く設置され、基金が創出され、消費生活相談員の立場も法律に明文化されました。
一見、大きく前進し、前途洋々のような気がしますが、「仏作って魂入れず」の状態にならないかと心配しています。

つまり、消費者庁や消費生活センターという箱物のハードを作ったものの、現場の相談員の確保や資質の向上、行政職員の意識の向上などのソフト面が全く追いついていないまま相談業務が続けられ、その相談の内容も年を追うごとに内容的にも精神的にも難しいものになって、現場がしんどくなってきているということです。

インターネットの普及、バブル崩壊、不況、デフレなど、ここ10数年で社会環境が一気に変貌し、日本人の消費者像も変化してきたように感じます。
情報があふれ、消費者自身が自立するというより、良し悪しは別として、主張する消費者が増えて、相談現場での消費者対応は難しくなるばかりです。相談員に求められる知識やコミュニケーション能力など、一朝一夕にはなしえない問題が山積みです。
そして、それらの相談員の資質を向上させようという動きはあるものの、私がこのサイトで何度も主張している、本当のスキルアップがなされているのか疑問を感じます。
行政がやりたい思いと実際にできることにギャップがあり、限界を感じます。
今の行政のやり方では、質の高い相談員を育てることはできないのでは、と思ったりもします。
そして、それが行政の限界かもしれません。
また、行政に求めるのも無理かもしれません。

どうすればいいのかというと、
相談員個人がそういう環境を自覚して、自力でスキルアップを図るように努めることです。

行政が何もしてくれないから相談員は前へ進むことができない、というネガティブな考えから脱却し、相談員一人一人が行政に頼らず、自分自身の力でスキルアップし、相談員の価値を高めていくことが大事なのではないでしょうか。

具体的なやり方がわからなかったり、都市部と地方での環境格差や情報格差があるでしょう。
行政に頼らず、どうやって自分自身で道を切り開いていくのか?

いくつかの方法があると思いますが、
その方法の一つが、
相談員が所属する組織を超えた横のつながりのネットワークを結び、情報交換・交流する場を活用することだと思います。

しかし、そのようなネットワークや場所を作り出すのは容易ではありません。
行政レベルでは不可能でしょう。
どちらかというと、全国相談員協会や消費生活アドバイザー協会などの組織が一歩踏み込んで実現させるのが最適かもしれませんが、マンパワーの観点から難しいのが現実でしょうね。

ただし、世の中には、このような場所作りに尽力したいという個人がいます。
ネット社会になってから、無償の多くの役立つ情報のHPが個人の力で運営されています。
私もそのうちの一人で、このブログ以前から、複数のHPを管理しています。
共通する想いは、おそらく、マズローの自己実現の欲求のレベルにあると思います。

このブログを開設してから、当初思っていたことが、思っていたとおりのように感じています。
私にできることがあるのではないか、私にしかできないことがあるのではないか、その思いが強くなっています。
そして、このサイトの今後のことについても真剣に考えなければならないときがきています。

(その2へ続く)

月刊 国民生活 2011年8月号

①チェックチェック 苦情相談
「ご存知ですか?共同購入型クーポンサイトのトラブル」
・事例1・・・12000円の中華料理のコースが3000円になるという格安クーポンだが、広告の写真と量や質など内容が明らかに違う。
・事例2・・・6000円のエステのコースのクーポン券を2000円で購入したが、予約が取れずに期限が切れそう。
※昨年の秋ごろからクーポンサイトが一気に乱立状態になっています。年末のおせち問題は大きく報道されたことは記憶に新しいです。私もクーポンサイトを利用していますが、本当にお得なものしか買いません。ホットペッパーなどのクーポンと比較したらお得感のないものもあります。本来はすきまビジネスの色合いなのですが、そうでないような事案も感じます。

②暮らしの判例
「オペラ公演における指揮者の変更について、主催者の責任が否定された事例」
・海外に拠点を置く歌劇場の日本公演について、当日に指揮者が変更されて格下の指揮者になったことに対して、鑑賞契約上の債務不履行、または、消費者契約法4条1項の取り消し自由に当たると主張して、損害賠償等を求めた事例。
・裁判所は、指揮者が変更となったのは、主催者にとってやむを得ない自由によるものであるとし、主催者の債務不履行責任を否定し、チケット購入者の請求を棄却した。
・オペラ鑑賞契約はチラシの内容が契約内容となり正当な理由なしに出演者が変更された場合は債務不履行となり、免責事項がない限り損害賠償責任を免れず、免責事由があっても危険負担の債務者主義により(民法536条1項)、履行がされていない部分の代金は受けられないことになる。
・指揮者は多数の出演者の1人に過ぎず、不代替的行為を目的とする債務ではないと判断。そのため、やむを得ない事由があれば変更可能と判断。
・変更部分が社会通念上限度を超える場合は代金の一部減額もあるのではないかと解説。
※クラシック好きにとって指揮者は重要事項です。指揮者によって、演奏の趣はまったく異なります。オペラでそこまでの違いがあるかどうかはわかりませんが、当日になって変更されたことに対して怒りを覚える消費者の気持ちはよくわかります。

③「月刊国民生活」の紙媒体の刊行物からWEB化への変更について
・平成24年4月号をもって紙媒体での発行を終了し、WEB化での無料提供を予定していることについての説明がされています。

国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/ncac_index.html
月間 国民生活