このサイトの今後について その1
2010年に、このブログを立ち上げて1年と4ヶ月が経過しました。
このサイトを今後どうしていくのか、また、自分自身がどうしていくのか、どうしたいのか、方向性を明確にする必要が出てきました。
私が肌で感じていることは、消費者行政、特に現場の相談員はこのままでは手詰まりになってしまうかもしれないという危惧です。
消費者庁が創設され、消費生活センターが多く設置され、基金が創出され、消費生活相談員の立場も法律に明文化されました。
一見、大きく前進し、前途洋々のような気がしますが、「仏作って魂入れず」の状態にならないかと心配しています。
つまり、消費者庁や消費生活センターという箱物のハードを作ったものの、現場の相談員の確保や資質の向上、行政職員の意識の向上などのソフト面が全く追いついていないまま相談業務が続けられ、その相談の内容も年を追うごとに内容的にも精神的にも難しいものになって、現場がしんどくなってきているということです。
インターネットの普及、バブル崩壊、不況、デフレなど、ここ10数年で社会環境が一気に変貌し、日本人の消費者像も変化してきたように感じます。
情報があふれ、消費者自身が自立するというより、良し悪しは別として、主張する消費者が増えて、相談現場での消費者対応は難しくなるばかりです。相談員に求められる知識やコミュニケーション能力など、一朝一夕にはなしえない問題が山積みです。
そして、それらの相談員の資質を向上させようという動きはあるものの、私がこのサイトで何度も主張している、本当のスキルアップがなされているのか疑問を感じます。
行政がやりたい思いと実際にできることにギャップがあり、限界を感じます。
今の行政のやり方では、質の高い相談員を育てることはできないのでは、と思ったりもします。
そして、それが行政の限界かもしれません。
また、行政に求めるのも無理かもしれません。
どうすればいいのかというと、
相談員個人がそういう環境を自覚して、自力でスキルアップを図るように努めることです。
行政が何もしてくれないから相談員は前へ進むことができない、というネガティブな考えから脱却し、相談員一人一人が行政に頼らず、自分自身の力でスキルアップし、相談員の価値を高めていくことが大事なのではないでしょうか。
具体的なやり方がわからなかったり、都市部と地方での環境格差や情報格差があるでしょう。
行政に頼らず、どうやって自分自身で道を切り開いていくのか?
いくつかの方法があると思いますが、
その方法の一つが、
相談員が所属する組織を超えた横のつながりのネットワークを結び、情報交換・交流する場を活用することだと思います。
しかし、そのようなネットワークや場所を作り出すのは容易ではありません。
行政レベルでは不可能でしょう。
どちらかというと、全国相談員協会や消費生活アドバイザー協会などの組織が一歩踏み込んで実現させるのが最適かもしれませんが、マンパワーの観点から難しいのが現実でしょうね。
ただし、世の中には、このような場所作りに尽力したいという個人がいます。
ネット社会になってから、無償の多くの役立つ情報のHPが個人の力で運営されています。
私もそのうちの一人で、このブログ以前から、複数のHPを管理しています。
共通する想いは、おそらく、マズローの自己実現の欲求のレベルにあると思います。
このブログを開設してから、当初思っていたことが、思っていたとおりのように感じています。
私にできることがあるのではないか、私にしかできないことがあるのではないか、その思いが強くなっています。
そして、このサイトの今後のことについても真剣に考えなければならないときがきています。
(その2へ続く)