REPORT JARO 2012年5月号

「REPORT JARO」は公益社団法人 日本広告審査機構が毎月発行している企業向けの情報誌です。
日本広告審査機構
http://www.jaro.or.jp/
企業向け情報>刊行物「REPORT JARO」
http://www.jaro.or.jp/kigyou/report_jaro/index.html

5月号から気になる記事を2つ紹介したいと思います。
詳細は情報誌をご覧ください

①LEGAL MIND
「パチンコ攻略法販売などの詐欺広告の排除を」全日本遊技事業協同組合連合会

・「パチンコ(パチンコ・パチスロ含む)攻略法販売・求人募集」詐欺への注意喚起活動
・特に雑誌やネット上などの広告宣伝が大半を占める
・平成19年ごろからは振り込め詐欺の新手口として「攻略法販売」詐欺被害の記事が新聞などに出始めた
・各種広告媒体に掲載された住所を一軒一軒訪問し、その調査結果を核とした注意喚起情報の特集ページを20年12月25日付でウェヴサイト上に立ち上げた。
・東京都の「攻略法販売・求人募集」業者の所在地が、警察庁の振り込め詐欺被害者が現金等を送付した住所と35%が一致した
・21年夏ごろからは被害相談の多くが「求人募集」詐欺へと変遷し、パチンコ未経験者、特に主婦やシングルマザーが被害者となるケースが顕著となり、翌22年には被害者を救済する名目で活動する「救済」詐欺業者の存在も発覚している
※詐欺の歴史的な流れと変遷がよくわかります。確かに、攻略法の被害者やパチンコ店の打ち子の相談が消費者センターにも多く寄せられました。最近はめっきり減りましたが、詐欺の手法が次々と変わっていっているということですね。表面化して国が動き始めたときには、すでに違う詐欺のパターンに移っているというのがいたちごっこの歴史です。
さて、本物の攻略法があるのか?といえば、昔は確かにありました。打ち子は存在するのか?といえば、確かに存在するようです。ただし、それを公に出来ることはなく裏で動いているというのが実際でしょう。だからこそ、信じてしまうこともありうると思います。
パチンコ攻略法などについては機会があれば記事を書きたいと思います。

②JARO相談室
アーティストのCDを購入すると付いてくる握手券は景品となるのか?

・握手券をつけているCDを、握手をしたいがために多数購入したり廃棄したりされる事態があるが、CDに握手券を抱き合わせて販売することは景品表示法の規制を受けないのか
→握手券は景品ではないので景品表示法の規制は受けない。なぜなら、握手には「市場価格」がないからである。オークションの価格は、あくまでも転売をしたときの価格に過ぎないので一般的な市場価格とはみなされない。
※これはAKB48の握手券やAKB総選挙の投票権のことですね。AKB商法と呼ばれているものです。私は過去にこの件で国に問い合わせたことがありますが、ほぼ今回と同じ回答でした。しかも即答。確かに社会問題ではありますが、握手の価値が1万円であると思う人にとっては高くはないし、応援したいと思えば何枚も買っても自由だと思います。実は余ったCDをオークションで売るとか友人に譲るとかすれば、ファン層も広がり普及につながるなど、それはそれで無駄なく回っていると解釈する評論家もいます。コアファンにとってはなんでもないことでも保護者にとっては歯がゆい思いがあるのも現実でしょうね。バイアスにとらわれず考えることが重要です。論点としては、AKB商法と呼ばれるやり方が社会的に問題として認められるかどうかというところだと思います。そして、それは、当事者と第3者とでは全く考え方が異なるかもしれませんね。

季刊ダイレクトセリング

「公益社団法人 日本訪問販売協会」が「季刊ダイレクトセリング」という広報誌を発行しています。
2012年4月発行の118号に「コンプライアンス」のことが特集されています。
その中から、苦情対応研修の知る人ぞ知る柴田さんの記事を取り上げます。

この広報誌はWEBから最新号が閲覧できます。
公益社団法人 日本訪問販売協会
http://www.jdsa.or.jp/
季刊ダイレクトセリング
http://www.jdsa.or.jp/www/jigyo/shuppan-02/mokuji-10.html

特集
コンプライアンス教育をどのように推進するか
法令遵守はもちろんのこと、自主行動基準に基づく日々の業務の励行、高い倫理観に基づくセルフコントロールを含めたコンプライアンスの徹底のためには、販売員に対するコンプライアンス教育が不可欠である。今号ではコンプライアンス教育の重要性と進め方について識者からコメントをいただき、さらにコンプライアンス教育の実践事例を紹介する。

PART1 コンプライアンス教育を推進する決め手は「情報共有」にあり

話し手 柴田純男氏 柴田CSマネジメント㈱代表取締役

Q3 コンプライアンス教育で教えるべきことは何ですか

人間は、自分勝手に解釈する動物です。「自分勝手」は暴走するので、歯止めをかけなければなりません。たとえば、「あなた、私の話を聞いていないでしょう!」と、身近な人から怒られた経験はありませんか。耳がついていても、入ってきた情報のすべてを言われた通り「聞いている」わけではないのです。「耳で聞く」とは言いますが、耳には聞くための器官(鼓膜)があるだけで聞いているのは脳なのです。人間の脳には、自分にとって都合の悪い情報を遮断し、都合の良いものだけを選択的に受け取る機能があるのです。また、聞こえてきた情報を、自分の都合の良いように時にはねじ曲げて解釈するということもします。だから、自分勝手な解釈が入る余地がないように、具体化して教える必要があるのです。

Q5 コンプライアンス教育の成果は、どのように知ることができますか

そのための好材料となるのが、苦情対応事例です。多くの場合、訪問販売の販売員の行動は、本部でうかがい知ることはできません。現場で何を話し、それが相手にどう伝わっているのかは、密室の中の出来事であり、外からは見えないし、聞こえないのです。しかし、リスクマネジメントの根幹は、第一線の現場で起きていることを知ることにあります。ハインリヒの法則で言われるように、1つの重大な違反の背後には同じ傾向の29の軽微な違反があり、その背景には300のヒヤリハット(ヒヤっとしたり、ハッとする事柄)が存在します。その300事例を見過ごせば、必ず重大事故につながります。けれども、販売員1人ひとりの背後に監視員をつけることは到底できません。 ヒヤリハットを知る唯一の手がかりが消費者からの苦情です。ひとつの会社の中で苦情の原因になった販売員の問題行動を共有するだけでは十分ではありません。いま、問題が起きていないからといって、将来的に大きなトラブルが起きないという保証は全くないのです。
コンプライアンスには、対症的コンプライアンスと、予防的コンプライアンスの2つがあります。何かが起きたときの対応が前者であり、起きる前の対処が後者です。そのときに役に立つのが、日本訪問販売協会の相談室からの報告です。その内容が、全会員企業に伝わっているでしょうか。その事例を詳細に調べて、「我が社の訪問販売でそのような苦情が発生したら」とシミュレーションして、その対策を全社で共有することによって初めて、重大な違反の防止につながるのです。
人は、実際に起きた事例を通じてしか、深く学ぶことはできません。事例検討を深め、その内容を全社に発信できるような、キーパースンが必要です。そして、繰り返し学ぶ場を作らなければなりません。人は、忘れっぽいので、学習を繰り返さなければ根付かないので、フォローアップが必要です。

特に、この前段の赤字にした部分です。
相談員として、自分勝手に解釈して暴走すると公的機関としての消費者センターの威信にもかかわります。
まわりの人からのアドバイスを真摯に受け止める姿勢が大切だと思います。
また、後段にある「キーパーソン」。相談員のスキルアップや職場のコンプライアンスを推進するためには「リーダー」がほしいところですね。

私も柴田さんの苦情対応の研修を受けたことがあります。
特に、心理学的な見地からアプローチするコミュニケーションに精通しており、とても勉強になり、実践にも活用できます。
私も相談者や事業者の気持ちを考えたコミュニケーションが重要であることは何度も記事にしています。
今回はコンプライアンスが題材ですが、柴田さんの苦情対応の研修を受ける機会がありましたら、お金を出してでも、ぜひ受講されることをおすすめします。

柴田CSマネジメント
http://www.shibata-cs.com/index.html

NACS通信販売報告書

日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会(通称NACS)は「NACSウィークエンド・テレホン」として東京と大阪で週末相談を受けているほか、テーマを決めて毎年秋にスポットで電話110番事業を実施しています。
平成23年度は「通信販売トラブルなんでも110番」を11/5・6に東京と大阪で実施し183件の相談を全国から受け付けました。
その110番の概要はネットでも閲覧できますが、相談内容だけが掲載されていて助言内容が掲載されていません。
報告書本体には、助言も含めた相談概要や一口メモとして法律や相談機関などが開設されており、一口メモを読むだけでも通信販売を中心とした相談対応の原則を知ることができ勉強になります。この一口メモは参考資料として大いに活用できます。
この報告書は全国の消費生活センターにも送付(2/11付)されていると思いますので、改めて紹介します。
NACS HP
http://www.nacs.or.jp
TOP>委員会>消費者相談・ADR委員会
3.110番事業
http://www.nacs.or.jp/iinkai/shohishasodan.html
概要版
http://www.nacs.or.jp/katudou/110.html
過去の110番の概要は
top>消費者相談(ウィークエンド・テレホン)>なんでも110番
http://www.nacs.or.jp/katudou/110.html
「各110番の報告書は、別途作成しています。 入手希望の方は、ウイークエンドテレホン(消費者相談室)まで、ご連絡ください。」とあるのでお持ちでない地方のセンターの場合は連絡してみてはどうでしょうか。

私が知らなかった窓口が一口メモにありましたので紹介します

一口メモ:【商標権・偽ブランド(模倣品)問題について】
並行輸入品の偽者についての相談窓口
「ブランド110番」日本流通自主管理協会(平成22年に法務大臣より認証)

HPを調べてみました。
日本流通自主管理協会 HP
http://www.aacd.gr.jp/pc/index.html
消費者Q&Aセンター
AACD消費者Q&Aセンターでは、一般消費者の皆さまが入手した並行輸入ブランド品を安心してご使用いただくために、ご相談・問い合わせに対応しております。また、入手した商品にご不安がある場合には、協会独自の基準をもとに「基準内・基準外」の判定(※注)をしております。 どうぞ、お気軽にお電話ください。
http://www.aacd.gr.jp/pc/adr/index.php
ADR・ブランド110番
消費者/業者の方で、購入した/販売した ブランド品の真贋を巡る疑義・不安などが原因となっているトラブルの解決を図りたい方に・・・
http://www.aacd.gr.jp/pc/adr/index.php
手続きの流れ(フローチャート)
http://www.aacd.gr.jp/pc/adr/page.php?segment2=5&segment3=2&page_id=1926
※今までは、申し出るとすれば警察ぐらいしか思いつかなかったので、並行輸入品であれば、紹介先になるのではないかと感じました。