本年もよろしくお願いします

なりたい自分になりたいと思うこと
なりたい自分になるためにがんばること
そうすれば、なりたい自分になることができるでしょう

なりたい自分に少しづつでも近づくために、「日々勉強、日々努力」です

私も自分の目標に向かってがんばりたいと思います

お互いに、がんばりましょう!

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「赤ちゃんの泣き声は騒音か」 その4(解説・最終回)

◆空では航空会社がリーダーシップを!◆

引用⑥

でも、JALの方々の真撃な応対に面して、だんだん心が休まってきた私。

→傾聴の姿勢ですね。反論せずに、話を聞いてあげることで、落ち着いてくるという、現場でも必須のスキルです。

引用⑦

「航空会社だけに責任と改善策を求めるのではなく、乗客の側からも公共マナーに関する議論を起こしていくべき」と感じるようになります。

→自分の怒りの感情を乗客全員の問題に転嫁させて自分自身を正当化・納得させようとしています。

引用⑧

いまのJALがこんなに親切なのは、破綻して世間に迷惑をかけてしまったことへの反省と、JALブランドへの衿持との、両方に支えられてのことだと思う。いまは民間の会社になったけれど、戦後、国に支えられてつくられた歴史に対する責任はずっとあるし、私たちにも「JALは日本を代表する航空会社」との思いがある。再上場でスタートを切り、またLCC(格安航空会社)の参入などによる価格競争にさらされているいまこそ、空の旅の常識を改善していくいい機会なんじゃないかしら。

JALの整備工場のあちこちにも「備品を大切に使いましょう」的な張り紙などがあり、経営努力しているのは十分に感じられる。LCCとの価格兢争にさらされても「お客さまへのサービス品質を下げないことが、われわれの務めです」と、機内での飲料無料は貫き通している。頑張ってるよね。でも、いまのJALはちょっと弱腰で気の毒。まだ乗客に物言いできる状況じゃない。

→JALが破綻したから親切な対応をしたと考えていますが、破綻してもしてなくても、今回の対応は基本的な対応で、基本的にはそれとは関係ない話だと思います。
→「JALがかわいそう」「こんなクレームになったのもJALがかわいそうなことになったからだ」と、クレームの原因をJALのかわいそうな立場に転嫁させています。幕引きを探しているような気もします。

引用⑨

「私はね、JALからも乗客マナーについて発信してもらいたいと思うの。空では乗客を啓蒙できるのは、やっぱり航空会社なんだから。こうして私に会ってくださったのはうれしいけれど、気を使いすぎても乗客のわがままの増長につながって、安全性や快適性を損なうかもしれないでしょう?」

私も今回、シートベルトを外して、着陸時に通路を歩いたことは反省し、謝ります。でも、航空法や搭乗規定、機内の装備だって数十年前につくられたそのままじゃなく、改善できるところはすべき。JALの乗客に気を使う気持ちは十分に伝わったけれど、企業として凛とした態度は保ってほしい。たしかに破綻以前の少し倣慢なJALに戻ったら困るけど、「腰を低くして、角を立てないよう」動くのでなく、一航空業界の発展のため、乗客を教育する」プライドと誠意をもって動いてほしい。飛行機だって、空気の抵抗を利用して飛ぶんだもん。批判や既成の常識との軋轢を恐れるのでなく、それらを正しく利用して、世界一安全で快適な空の旅をつくり上げてほしい。魂の入った格好いい乗務員、社員を育て上げ、日本人の素晴らしさを発信してほしいな。それこそが、破綻に対する本当の責任の取り方であるはず。「乗客のわがままにも精いっぱい応えなきゃ」と変な気を使ってばかりいたら、もったいないよ。

→「赤ちゃんの泣き声が迷惑だ」という最初の問題が「乗客のわがまま」という解釈に変わり、そのわがままに対応するのはもったいないということになっていますが、「シートベルトを外して、着陸時に通路を歩いたこと」が一番迷惑なわがままで、法律を変えろという要望もわがままだったのではないかと思ったりもします。自分自身の違反行為を正当化しようとしています。

引用⑩

あと、ユーザーも「ただ安ければいい」といういまの流れが本当にいいのかは客観視しないとね。「安全」と「質」を担保するには、ある程度の出費は必要だもの。高速バスじゃないけど、現場の人が劣悪な状況で働かなくていいよう、設備改良のための投資ができるよう、払うものは払わないと。でも、エコノミーとファーストと、価格の開きがありすぎるのは疑問。変なところは直して、「適正価格」を保持してほしいな。あと、日本製の航空機もつくってほしい! 戦後の日本の航空業界は、「敗戦国に航空機をつくらせてはいけない」という空気のなかで、アメリカ主導できちゃったのが現実。そういう事情を国民が知って、日本の企業が開発に取り組むのを応援しなきゃ。

→今回の問題はユーザーにも問題があるという考え方に転嫁させている

引用⑪

「なんていうことを私的には発信していこうと思うんですが、こんなクレーマーでも、また乗せてくれる?」

そういったら、「ぜひ!」といってくださいました。JALの羽は、優しくて懐広いなあ。わがままなうえに身体も弱く、さらにファーストクラスに乗るお金はない勝手な私ですが、途中下車できない空の旅には、やっぱり快適性を求めずにはいられません。どうぞ妥協を許さず、改良し続けてくださいね。日本のJALから世界のJALへ。心身一如の真のブランドであり続けてください!

→自分の意見を言い尽くし、その意見を正当化したため、やっと納得(勘弁)してくれたという合図です。
→JALの「対応に苦労する消費者」への対応はお見事です。ここにたどりつくまで面倒ですが、それが相談員の宿命です。

今回のクレームは結果的に、共感を生まない「文句言い」になっただけでした。条件が平等な中、自分だけが「感情的」になってしまった。その怒りの対象は法律違反ではないマナーの問題です。マナーを守らせろという言い分になってしまっていますが、提案している要望もできることはすでにされています。こぶしを下げれなくなってしまい、「あるべき論」に話を変えてきました。「あるべき論」はここでは根本的な解決はできません。JALにはあっさりあしらわれたという感じでしょうか。単にJALが基本的な対応をしただけです。相手は、「言い合い」を待っているのですが、それには乗らず、相手を否定することもせず、相手を受け止めてあげましょう。
このようなJALの冷静な対応を相談員としても参考にしてください。

最後に、飛行機の中の乗客全員の前で、ののしられたお母さんはつらい思いをしたままなんだろうなあ。結局は、あのお母さんへの配慮やフォローが何もありませんでしたね。ここまで思ってあげるのが相談員マインドだと思います。私がこのクレームの相談を受けたなら、冷静になったころあいを見て、相手に「つらい思いをしたお母さんの気持ちも考えてあげて欲しい」とひとこと助言したいところです。

最後に
課題演習のポイントを感じ取ってもらえたでしょうか。
今回の事例は無理難題を押し付けられているのではなく、法令等に基づく議論をすればいいので、比較的簡単ともいえます。
相談現場では、明確な答が存在しない「すき間案件」がたくさんあります。製品事故の安全性などが最たるものです。事故の原因が誤使用や不注意に当たるのか製品に問題があるのか、安全基準が定められていない事案などたくさんあります。
このような解決が難しい案件に対して「対応に苦労する消費者」から相談を受けた場合は、一歩対応を誤ると、相談員やセンターへ矛先が向かいます。
相談者から無理難題を押し付けられたときに、即反論してしまうのではなく、反論したいけど納得しないのが目に見えている場合は、感情的に反論せず冷静に受け止めることからスタートしましょう。
今回のJALの対応は「反論せず、受け止め、冷静に法令等を説明する」という方法であり、相談対応の基本だと感じました。

「赤ちゃんの泣き声は騒音か」 その3(解説)

引用③

(事実)赤ちゃんが泣き叫び通しだった
(感情)ブチ切れてしまった
(事実)客室乗務員さんが母親と一緒にあやしても泣きやむ気配はない
(事実)逃げ込む場所もない
(感情)私は耐えられなかった
(事実・・・違反行為)着陸準備中の機内を、出口に向かって走り始めた
(要望・・・常識問題)あなたのお子さんは、もう少し大きくなるまで、飛行機に乗せてはいけません。赤ちゃんだから何でも許されるというわけではない
(感情)陸に降りても、激しくクレームをし続けたのでした。

(要望・・・法律問題)「飛行機のなかに、音の漏れないコンパートメントをつくるとか、子供を乗せる場合は、子供が騒いだときに寝かしつけられる薬を親にもたせるように周知徹底するとか、できないの? 2歳以下は乗せないとか……」

(大人な対応)「私どもとしましては、すべてのお客さまに快適にお過ごしいただけるよう、精いっぱい努力させていただいております」

(要望・・・法律問題)「それじゃダメ! 具体的にどう努力するか知りたい。案がないなら私が考えるし、必要なら航空法とか変えさせる! このまま100年、あの状態を放置するつもり!?」

(要望・・・常識問題)あなたのお子さんは、もう少し大きくなるまで、飛行機に乗せてはいけません。赤ちゃんだから何でも許されるというわけではない
「赤ちゃんが泣いている」という事実に対して、それを受け止めることができるのかできないのかという「感情」は個人個人によって異なります。
赤ちゃんが泣いているのに保護者が何もせず放置しているのならマナーの面からも受け止めない人がいるかもしれませんが、ある程度努力していますので、今回の場合は、「人」として理解してあげるべき話だと思います。怒りたい気持ちはみんなある程度持っていると思いますが、「怒る」か「受け止める」かを決めるのは個人の意思です。通常このような場合は受け止めるという考えが大半になると思います。そのような中で怒っても、周りがそれを支持してくれることは今回に限ってはないと思います。「空気を読む」ということですね。すなわち、あなたの意見に対して、どれだけの支持を得られるかというところです。

(感情)ブチ切れてしまった
(感情)私は耐えられなかった
(感情)陸に降りても、激しくクレームをし続けたのでした。
(感情)のぶつけ先を、保護者から客室乗務員、そして最終的に法律等のルールへと順番にぶつけています。
「お母さんが悪い→個室がないなど対応できない客室乗務員や航空会社が悪い→そもそも赤ちゃんを乗せることができる法律が悪い→だから社会的な問題として議論したい」という論法になっています。相手側にこれといった問題がなかった場合は、こういう論法でしか、自分のクレームを正当化できないからです。
逆に、こちらとしては法律のあり方までいってくれたら、その場ではどうすることもできないので楽かもしれません。

(要望・・・法律問題)「それじゃダメ! 具体的にどう努力するか知りたい。案がないなら私が考えるし、必要なら航空法とか変えさせる! このまま100年、あの状態を放置するつもり!?」
→ほとんど捨て台詞のような感じですね。行動パターンがわかりやすいですね。

引用④

そして私は、航空法や飛行機の現状を確認すべく取材を申し込み、JAL広報部の方々に会っていただけることに。しかも、「宇宙への旅が可能な時代に、なぜ飛行機に音の漏れない個室がつくれないの? 機体を検分させて、納得させてください」という私のムチャな希望に応え、整備中の機体を案内してくださったのです。

「どうして個室がつくれないのですか? ファーストクラスはそもそも個室でしょう?

「いえ、ファーストクラスでも、音はどうにもできません。個室のようにみえても、上部空間はオーブンなんです。これは、『離陸及び着陸のために着席可能なすべての乗客用座席とすべての乗客用非常脱出出口とのあいだには、いかなる避難経路(通路、交差路及び座席列間の通路を含む)も横切るような扉を装備してはならない』という航空法の規定によるものです。これは、万一の際に避難の妨げとなるものがあってはならないという、お客さまの安全を守るための規定なんです」

ええ? ファーストクラスに乗ったことないから知らなかったよ。でもそれ、何十年も前につくられた規定でしょ? いまは機内にシャワーがある航空会社もある。安全性を担保した航空法改正の議論をしてもいいのでは。

「知らなかった」では振り上げたこぶしを降ろせないので、あげあし取りで「でもそれ、何十年も前につくられた規定でしょ?」と反論し、「安全性を担保した航空法改正の議論をしてもいいのでは。」と要求している。
⇒これは議論の焦点を大きなものにすりかえていくという手法です。結局、JALの担当者に法律改正せよと要求しているようなものです。相談現場でもよくあるパターンですよね。「おっしゃられることは分かりました。法律の問題ですので国に要望は伝えておきます」という返答になるんですけどね。

引用⑤

(要望)「じゃあ乗客マナーの告知は? 電車内の携帯電話のマナーとかも、みんなで大騒ぎしてつくられたじゃない? 機内誌とかワイドショーとか使って議論しようよ」というと、
(大人な対応)「お子さまをお連れの方には、機内でのマナーをまとめた『mama&baby』という冊子をお渡しし、ご協力をお願いしています」との回答。
いやあ、そんなのみたことないし。
(あげあし取り)それであの現実なわけじゃないですか。お母さんだけでなく、みんなで話さないと。
(個人の考え方)だいたい私は、病気治療のための搬送とか、引っ越しとか、のっぴきならない事情でもないのに、乳飲み子を飛行機に乗せるのってどうかと思うわけよ。
(個人の勝手な解釈)冊子をみると「生後8日目から乗れる」と書いてあるけど、気圧の変化とか、大人でもつらいのに大丈夫なの? あの泣き叫んでいた赤ちゃんは、つらくて怖かったんだと思うよ。
(要望)泣きやまない場合もあるんだし、マナー的に、まず親が「2歳くらいまでは乗せないほうがいいかもね」くらいのコトを考えたらいいと思う。
そういうと、
(大人な対応)「公共交通機関である私どもから、乳幼児のご搭乗を規制することはできません」とのご回答。

(個人の考え方)周りに迷惑をかける可能性があることは乗客のほうで考えて、遠慮するべきだよね。
(個人の考え方)あと、医者である私の亭主いわく、親のほうが、たとえば子供の健康に害のない抗アレルギー剤など、その子に合った眠気を誘う薬を用いるなどの工夫はできるかも、とのこと。でも、そういう議論も情報もないから、こんなことになるんじゃない? 昔、子供が遠足で観光バスに乗るとき、ビニール袋と酔い止めの薬をもたせるのは常識だったはず。
(個人の考え方)飛行機自体が乗り物として歴史が浅いんだもの。その搭乗マナーや機体の工夫について、議論すべき余地はまだまだあるはず。

個人的な考え方を根拠に、「すべき」論が続いています。これも個人の考え方がどれだけ支持されるかという問題になります。
ついには、医者の夫が言っている薬の話まで持ち出しています(このような不確実な話を出すのは公人としては問題です)。
自分のクレームが法律上問題がなかったり、間違っていたり、こぶしを下げられない状況を打破するために、行き着く先が「すべき論」というよくあるパターンですね。

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