2012年2月28日
/ 最終更新日時 : 2014年10月22日
管理人
月刊 国民生活
①特集 住宅を借りる-トラブル防止への新たな動き-
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)の解説」
・原状回復をめぐるガイドラインは98年3月に公表され、2004年2月に改定された。今回は、その最改訂(2011年8月)となる。
・原状回復の考え方は従前と同じであって、再改訂によっても変更はない。
・原状回復の定義を明確にした。
※住宅関連の相談はセンターによって、どこまで受けるのかまちまちだと思いますが、原状回復に関しては、このようなガイドラインがあり、必要以上の請求があっても支払う必要がないことは、助言しておく最低ラインですね。そこからセンターがあっせんに入るか、住宅専門の相談窓口を紹介するか、宅建業協会を紹介するか、法律相談を紹介するか、などの選択肢になると思います。
ガイドラインは国土交通省のHPで公表されているので参照してください。
国土交通省
http://www.mlit.go.jp/
報道発表資料「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)の公表について(平成23年8月16日)
http://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000060.html
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/genzyokaifuku.htm
ここにガイドラインの本文や概要のリンクが張られています。
②チェックチェック! 苦情相談
「次々と高額の契約を結ばせるエステサロンと美容医療クリニック」
・共同クーポンサイトでエステの体験コース2000円を購入
・体験コースを受けた後に9000円3回券を勧められ購入
・3回分終了後、系列のエステの契約を勧誘されたが、50万円の個別クレジットが組めなかったため45万円をクレジットカードで決済。
・解約希望するも、再度契約書を書く必要があるといわれ30万円の契約書にサイン。
・不安になり、すべて解約したいというもキャンセルしているという言葉などを信用。
・審査が通らなかったクレジット会社から督促状が届き、契約したことになっていることに気づいた。
・自分でも、どの契約がどうなっているのか分からない。約束どおりすべての契約を解約して欲しい。
→50万、45万、30万の3契約があった。事業者は中途解約を主張したが、不実告知やクレジット審査の問題点を指摘して、3契約とも手数料なしで解約返金となった。
※この記事を読めば、なるほどそのとおりだな、と納得すると思います。しかし、それは、きれいに整理されてまとめられた記事だからこそ理解できるということに留意しておいてください。相談員として大事なことは、「消費者がどんな契約をしているのか分からない」という状態から、本人の話や契約書の確認などを経て、今回のように整理することです。整理すれば問題点はおのずと見えてきます。実際はこの整理する作業が大変なんですね。現場経験がとても重要で貴重です。エステだけでなく、出会い系や多重債務も同様で、相談者の主張を整理してあげることが大切であることを頭に入れておいてください。
③チェックチェック! 暮らし注意報
「悪質”出会い系サイト”における高額請求の被害」
「利益誘引型」の出会い系サイトについて
・消費者が出会い系サイトを利用する主な目的
(1)出会い型 (2)同情型 (3)利益誘引型
・「利益誘引型」トラブル発生の流れ
(1)誘導 (2)入り口は無料 (3)被害拡大
・問題点
(1)出会い系サイトであることを意識せず利用 (2)多数の人物や複数のサイトから連絡が入る (3)さまざまな理由で高額費用を支払わせる (4)解決が難しい
・消費者へのアドバイス
(1)「お金をあげる」等のメールには注意 (2)都度課金の場合は特に注意する (3)最寄の消費生活センターや弁護士会等に相談する
※芸能人のマネージャーが出てくる「同情型」や遺産をあげるなどの利益誘導型など、最新の出会い系サイトの手口が紹介されていますので、整理しておいてください。
(私あてにきた出会いケーメールも一部公開していますので参考にしてください)
④暮らしの判例
「携帯電話の未成年者契約につき、法廷代理人の同意に錯誤があったとして未成年者取消しを認めた事例」
・未成年者の携帯契約時に親権者が使いすぎにならないようになプランを契約しパスワードを知らせなければ上限額の変更はできないと説明され未成年者の名義で購入。未成年者が友人から聞いたパスワードを初期化する方法を使い勝手に上限を増額し高額請求となった。
→錯誤無効を認めつつも親権者の監護義務を尽くしたとはいえないとして過失相殺で3割の支払いを命じた。
※今回の解説は、民法のさまざまな重要用語がでてくるので、おもしろいです。勉強になります。
未成年者契約・取消、不当利得返還、錯誤無効、制限行為能力者、現存利益、などなど
⑤事例で学ぶインターネット取引
「ドロップシッピング型内職商法」
・ECネットワークの原田さんによる執筆4回の3回目です。
※ドロップシッピングの内職商法は今後減少すると思います。手口が、従前は実際にショップを作ってという、とりあえず正当なやり方でしたが、今回のように、サイトをきちんと作る気もない詐欺型に変化するかも知れませんね。おまけですが、ドロップシッピングというビジネスモデルは正当なモデルとして評価はされていますし、今後も正当な使い方がされれば使われるビジネスだと思います。
国民生活センターHP
月刊国民生活3月号
http://www.kokusen.go.jp/book/data/gko.html
ついに来月号で雑誌形式の出版の最終号になります。
来月号は
(特集) 消費者問題を振り返る-『国民生活』が伝えてきたもの-
となります。
記念に保存版で購入しておいてはどうでしょうか。