月刊 国民生活 2011年8月号

①チェックチェック 苦情相談
「ご存知ですか?共同購入型クーポンサイトのトラブル」
・事例1・・・12000円の中華料理のコースが3000円になるという格安クーポンだが、広告の写真と量や質など内容が明らかに違う。
・事例2・・・6000円のエステのコースのクーポン券を2000円で購入したが、予約が取れずに期限が切れそう。
※昨年の秋ごろからクーポンサイトが一気に乱立状態になっています。年末のおせち問題は大きく報道されたことは記憶に新しいです。私もクーポンサイトを利用していますが、本当にお得なものしか買いません。ホットペッパーなどのクーポンと比較したらお得感のないものもあります。本来はすきまビジネスの色合いなのですが、そうでないような事案も感じます。

②暮らしの判例
「オペラ公演における指揮者の変更について、主催者の責任が否定された事例」
・海外に拠点を置く歌劇場の日本公演について、当日に指揮者が変更されて格下の指揮者になったことに対して、鑑賞契約上の債務不履行、または、消費者契約法4条1項の取り消し自由に当たると主張して、損害賠償等を求めた事例。
・裁判所は、指揮者が変更となったのは、主催者にとってやむを得ない自由によるものであるとし、主催者の債務不履行責任を否定し、チケット購入者の請求を棄却した。
・オペラ鑑賞契約はチラシの内容が契約内容となり正当な理由なしに出演者が変更された場合は債務不履行となり、免責事項がない限り損害賠償責任を免れず、免責事由があっても危険負担の債務者主義により(民法536条1項)、履行がされていない部分の代金は受けられないことになる。
・指揮者は多数の出演者の1人に過ぎず、不代替的行為を目的とする債務ではないと判断。そのため、やむを得ない事由があれば変更可能と判断。
・変更部分が社会通念上限度を超える場合は代金の一部減額もあるのではないかと解説。
※クラシック好きにとって指揮者は重要事項です。指揮者によって、演奏の趣はまったく異なります。オペラでそこまでの違いがあるかどうかはわかりませんが、当日になって変更されたことに対して怒りを覚える消費者の気持ちはよくわかります。

③「月刊国民生活」の紙媒体の刊行物からWEB化への変更について
・平成24年4月号をもって紙媒体での発行を終了し、WEB化での無料提供を予定していることについての説明がされています。

国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/ncac_index.html
月間 国民生活

休刊ですね

今年の4月号で「月刊 消費者」が休刊になりましたが、「月刊 国民生活」も来年の4月号で雑誌としての発行は終了することになりました。
各地の消費者センターにも正式に通知があったと思います、
もともと、事業仕分けで指摘されていたこととはいえ残念ですね。
ただ、それ以後は、WEBによる情報提供を続けるとのことですが、どうなるのでしょうか。

一番最初の事業仕分けのときに理事長は月刊国民生活を「現場の相談員向けの雑誌」と発言されていましたが、当時、私は相談員だけではなく、消費者ずべてを対象とした雑誌のはずなのに、問題発言だなと思ってました。こんな発言をすると止めろといわれないかと。
それが現実のもにになってしまいました。
紙ベースの雑誌だからこその長所があると思います。
今後、WEBでどんな内容になるのか。
無料で読めるものなのか。
本当にWEB化が実現するのか。
などなど心配しています。
これで、残るは関西消費者協会の消費者情報のみになってしまいました。
こちらは、収支がトントンとの記事が出ていました。
大阪府からの相談業務の委託があるから何とか協会の運営をやっているのではないかと思います。
情報共有の形も様変わりするかもしれませんね。

参考
東京新聞 2011年5月14日
「月刊消費者」「月刊国民生活」 休廃刊惜しむ声
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2011051402000045.html

ジャドマニューズ 2011年6月号

「ジャドマニューズ」の最新号は、HPで電子書籍として閲覧できます。
http://www.jadma.org/jadma_news/index.html

6月号の「通販110番」の記事は事例ではなく、2010年度の相談概要のまとめでした。
「通販110番から一言」というコラムから一部抜粋し、紹介します。

その要求は「クレーム」、それとも「コンプレイン」?

本来、正当な権利としての要求や主張が「クレーム=claim」であり、それを超えた要求は「コンプレイン=complain」であるといわれますが、相談の多くは後者であると感じます。
クレームを受けた場合は、顧客の不満の原因や問題点を把握し、早期に解決を図ることで顧客満足を得ることができます。
しかし、コンプレインについて、顧客満足を与えることには、あまり意味がありません。
「正当な主張」と「個人的わがまま」の見分けがつかず、主張をとおすために企業の「あらさがし」を行うことがしばしば見受けられますが、丁寧に説明を行ったうえで納得が得られない場合は、毅然として対応できない旨を告げることが望ましいと考えます。

※消費者センターで受け付ける相談も、このような事例が少なくありません。公的な機関として、「正当なもの」と「正当でないもの」を理由をつけてきちんと説明し理解してもらうことが重要ですね。

社団法人 日本通信販売協会 HP http://www.jadma.org/
会報誌(JADMA NEWS) http://www.jadma.org/jadma_news/index.html