ジャドマニューズ 2011年9月号

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9月号の「通販110番」の記事から一部紹介し、コメントします。

通販110番消費者相談編
「購入した商品が広告通りではなく、返品したい!」

事例1「食器が立てかけられないので使いたくない!」
・カゴの溝が浅くて食器によっては立てかけられなかったことをテレビの案内とは違うとして返品要求したが、取扱説明書どおりに使用できるといわれ返品を断られた。
・食器は乾くので不良品ではないが、立てかけられないことは広告どおりの商品ではなく、返品できず泣き寝入りするしかないのか。
→食器によっては立てかけられないのは常識として分かるのでは。立てかけられなくても乾くのなら商品として問題なく、返品を認めてもらうのは難しいと説明し、渋々了解した。

事例2「布団がシワシワですぐに使えない!」
・通販で「その日に使えます」とあったのに、布団が収納袋に押しつぶされた状態で入っていたのでシワシワでその日のうちに使えると思えない。
・返品を申し出たが、不良品以外は返品交換を受け付けていない。シワがあっても使用できる、干せばシワは伸びる。梱包によるシワは不具合ではないので返品を断られた。シワを理由に返品できないか。
→寝具類の配送は通常折りたたまれて収納袋などに入れられて届く。一般的に折りたためばある程度のシワはできる。商品が良品であればシワを理由に返品は難しいと助言。

「知識不足や思い込みによる苦情には社会通念を踏まえた助言を」と締めています。

※でました、伝家の宝刀「泣き寝入り」。両事例とも、一般常識とは何かを考えさせられます。相談窓口では私たちも事業者も苦慮する事例が増えましたね。

通販110番事業者相談編
購入後数年経た商品の苦情対応方法

事例「2年前販売した商品への補償、どこまで対応するべきか?」
・桐製の大型チェスト。販売時に棚板の一部に腐食の痛みがあり、返品交換を行うつもりだったが顧客の強い要望で棚板だけの交換を実施。
・2年後チェストに「キクイムシ」の発生がみられたが2年経過しているので原因特定は困難とみられた。しかし、顧客の気持ちに配慮し返金処理を伝えた。
・顧客は、チェストに収納していた100点のクリーニング代、手間ひま、将来への補償も求めてきた。
→原因特定が難しいケースでは2年前の販売であり全額返金すら行わない選択肢もあり、全額返金以上の対応は必要ないと考えられる。ただ、販売当時の状況を考慮すると防虫加工が不十分だった可能性があれば一部の補償への配慮はあっても良いと思う。

「消費者には専門業者に相談する等の賢い行動を、事業者には長期間使用可能な商品提供を」と締めています。

※これは難しいですね。原因が特定できないとはいえ、販売当時の状況を考えると限りなく怪しいです。それと、顧客の当時の交換しなかった強い要望との兼ね合いですね。ただし、業者は当時、交換しないという判断をして、リスクのある商品を回収しなかったという責任はあると思います。強引にでも交換しておいたほうが良かったのでは、もしくは値引きした上で念書のようなものをとっておくなど何らかの対応をしておくべきだったのではと思います。そういう時代です。

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ジャドマニューズ 2011年7・8月号

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7・8月号の「通販110番」の記事から一部紹介し、コメントします。

通販110番消費者相談編
「一方的な支払方法の変更には納得できない!」

事例1「前払いを指定するなら、見積もりのときに伝えるべきだ!」
・通販、後払いのつもりで見積もりを取ったが、注文後に高額なため前払いといわれた
・見積もりを出す部署と支払方法を決める部署が異なっていたために土日をはさんだことから注文確定後の連絡になってしまった。

事例2「注文直後に代引きに変更するとは失礼だ!」
・振り込み(後払い)で注文後、追加注文したが、直後に代引きにしてほしいと連絡があった。追加注文時には何も言われなかったのに信用できなくなったのか。

→両事例とも、変更を依頼した理由が相談者にはきちんと伝わっていないようなので、再度電話して説明してほしいとの助言で締めくくられています。
ルーチンワークの中で対応してしまったことが苦情を招いたのだと思います。条件が悪くなることは相手を否定することです。否定することを理解してもらうには多くのエネルギーが必要です。したがって、それに相応しいコミュニケーションが必要になってきます。そういう配慮が欠けていたのだと思います。また、それを引き起こしてしまったシステムも検証し改善していくことが必要だと思います。しかし、往々にしてその場限りの解決で終わってしまうことが多いのではないかと思います。

通販110番事業者相談編
「顧客に良かれ」が苦情の原因に

事例1「オーソリが得られないその原因はどちらに?」
・以前顧客登録(使用カードを登録)がなされ直近1年は注文のなかった顧客からクレジット注文があり、オーソリ(与信認証)が得られず、このカードでの支払いはできないと伝えて苦情になった。具体的な理由の説明もなかった。
・登録するときにカード番号を間違って登録していたが、今までは会社側で訂正して認証していたが、現在は修正入力をしないシステムに変更したためにエラーとなったものだった。
・この事情を説明したら納得を得られた。
・勝手にカード番号を修正してもいいのかという問題点が残った。
→今まで使用していたカードの認証が降りないことは本人にとっては重大事件です。覚えがないのにブラックになるのだったら、信用情報に問題が生じたのか、何かの事件に巻き込まれているのかと思います。一般的に、カードの認証がおりないとかカードの発行が拒否されることはしばしばあり、消費者センターにも相談が寄せられます。センターが介入しても、ほとんど、その理由が開示されることはありません。説明責任という点では非常に不透明な部分です。消費者が納得できるような説明システムを構築してほしいと思います。

※「顧客に良かれ」と思って会社の判断で顧客の入力情報を修正していたのですが、相談現場でも「相談者に良かれ」と思ってとった行動が、「余計なこと」として苦情になったり、信頼関係を崩したりします。その原因は先のことを考えずにその場の感情で行動してしまうことが多いのではと思います。受けた相談をどのように解決していくかを順序良く整理し、それぞれの場面でどのような行動をとるべきかを判断する能力が問われます。「相談者に良かれ」は相談員にとっての気持ちであり相談者の気持ちではないことを頭に入れておいてください。

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ジャドマニューズ 2011年6月号

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6月号の「通販110番」の記事は事例ではなく、2010年度の相談概要のまとめでした。
「通販110番から一言」というコラムから一部抜粋し、紹介します。

その要求は「クレーム」、それとも「コンプレイン」?

本来、正当な権利としての要求や主張が「クレーム=claim」であり、それを超えた要求は「コンプレイン=complain」であるといわれますが、相談の多くは後者であると感じます。
クレームを受けた場合は、顧客の不満の原因や問題点を把握し、早期に解決を図ることで顧客満足を得ることができます。
しかし、コンプレインについて、顧客満足を与えることには、あまり意味がありません。
「正当な主張」と「個人的わがまま」の見分けがつかず、主張をとおすために企業の「あらさがし」を行うことがしばしば見受けられますが、丁寧に説明を行ったうえで納得が得られない場合は、毅然として対応できない旨を告げることが望ましいと考えます。

※消費者センターで受け付ける相談も、このような事例が少なくありません。公的な機関として、「正当なもの」と「正当でないもの」を理由をつけてきちんと説明し理解してもらうことが重要ですね。

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