「消費生活相談員のためのスキルアップ講座」 平成23年12月号(第4号)発行

「消費生活相談員のためのスキルアップ講座」の12月号第4号を発行しました。
(帰省していたため年が明けての発行になってしまいました)

12月号は【相談対応の流れと必要なスキル】の第二段【(2)事業者との交渉】です。
次回(1月号または2月号)は第三弾最終回【(3)相談者への報告】の予定です。
必要な能力やスキルを確認するためのチェックシートも作成しましたので、みなさまの職場で活用していただければ幸いです。
また、チェックシートに連動した記事のリンクをまとめたページも作成しています。

「消費生活相談員のためのスキルアップ講座」平成23年12月号(第4号) 12月31日発行

PDF版はこちらです → 平成23年12月号(第4号)

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「かんりにん」は個別に返信しませんのでご了承ください。

月刊 国民生活 2012年1月号

①特集 市販薬 販売方法のゆくえ
・市販薬 販売方法のゆくえ
・薬事法改正がめざしたもの
・販売実態とネット販売規制の見直し
・一般医薬品に関する都民の意識調査から
・医薬品と消費者トラブル-PIO-NETにみる相談の概要-
・コラム(1)市販薬のリスク
・コラム(2)医薬品副作用被害救済制度
※記事の見出しを見ると、重要な問題のように感じますが、相談現場ではあまり活用する機会は少ないと思います。
薬事法改正に伴う医薬品のリスク区分と販売方法の変更は一般消費者の行動に大きな変化をもたらしました。また、医薬品のネット販売については途中で運用が変更される動きが出るなど紆余曲折しています。
ただし、これらの問題が消費者センターの相談にあがるかといえばそうではなく、医薬品自体の相談については専門的な窓口を紹介するにとどまります。
どちらかというと、PIONETの統計のように、「配置薬」に関する苦情が圧倒的に相談件数を占めています。ケーブルテレビのように本当は有用なものなのに、営業方法が悪質で苦情になってしまうもったいないパターンですね。配置薬の仕組み(無料で薬箱を置いて、使った分だけ料金を支払う仕組みで、急病時に薬を買いに探さなくてもよいメリットがある)自体はすぐれていますが、コンビニでも薬が販売できるなど、そろそろ時代も終わってきたのかもしれません。
市販薬や薬事法については知識として勉強になりますが、相談現場では活用する機会が少ないので、大枠を勉強しておくと良いと思います。

②事例で学ぶインターネット取引
情報商材の問題点
・ECネットワークの原田さんによる執筆4回の2回目です。
・情報商材とはどのようなものか
・情報商材とポータルサイト
・アフィリエイトシステムによる販売
・被害にあわないために
※一時ほどの苦情はなくなりましたが、依然として相談が寄せられます。
限られたページ数に代表事例をまとめています。相談員として、この内容をすべて理解できればいいのですが、なかなか難しいでしょうね。情報商材の話にアフィリエイトが出てきたり、それぞれをしっかり理解していないと?でスルーになってしまうかもしれません。単に読み物としてではなく、自分の知識に取り込めるようになることを願います。この3ページに講義形式で3時間の研修をすれば理解につながるのではないかと思いますが、なかなかそうはいきませんね。この3ページの3時間の解説研修でもやってみたいです。
情報商材で「インフォスタイル」「インフォトップ」といえば、相談に出てきて覚えがあるかもしれませんね。私は「インフォトップ」のアフィリエイトにも登録しているので、内面から情報商材の販売の仕組みを見ることもできます。情報商材についてはシリーズ解説する予定です。

③知っておきたい相談周辺の基礎知識
販売奨励金と月割割引サービス
・1994年から20007年までは、携帯電話の販売奨励金(1台5万円程度)により、端末は0円で、毎月の料金に端末代を上乗せする形で販売されていた。
・2007年以降は端末代と通信料は分離され、端末の割引はなくなったが、通信基本料が大幅に安くなった。
・データ通信端末とネットブックパソコンをのセットにして100円など格安で販売するかわりに、比較的高額な定額料金の2年縛りの販売方法が出現した。
・スマートフォンでも各種の割引制度が使われている
※今回の記事は販売奨励金制度から現在に至るまでの流れをコンパクトにまとめているので必見です。
以前は基本料3600円で長期契約家族割引使用で1800円まで割引がありましたが、今や、1800円が基本で2年契約で980円というのがほとんどですね。メリットとデメリットを十分理解することがポイントです。

④住宅を考える
欠陥住宅問題-建物の欠陥とは-
・欠陥住宅かもしれないと思ったら
・欠陥とは何か
・建物の安全性とは何か
・建築士による相談・調査
※住宅による相談については、それぞれのセンターにより対応方法が違うと思います。住宅専門の相談センターがあるところは紹介することになると思いますが、センターであっせんする場合はかなりしんどいかもしれません。
今回の記事は、対応の流れを段階を踏んで論理的に説明しているので、非常に勉強になり、住宅以外にも応用できそうです。若干、理解しにくい部分もありますが、スルーしました。「欠陥現象」と「欠陥原因」を区別して考えるというのは理屈は理解できますがあまり使わない言い回しであり疑問が残りました。

国民生活センターHP
月刊国民生活1月号
http://www.kokusen.go.jp/book/data/gko.html

次の2月号は毎年恒例の、相談員試験の問題と解答の公表と合格者の一覧が掲載されます。
そして、何よりも注目が、「消費生活相談員」が特集記事となります。雑誌形式の出版の終了を間近に控えているのと、相談員が注目されているので、いいタイミングですね。どんな記事か楽しみです。おそらく、相談員は消費者の被害回復や悪質業者の撲滅へ貢献してきたという内容になると思いますが、個人的には、「相談員の資質について、より高度な知識とコミュニケーション力が求められているが、資質の確保が難しく、問題となる相談員もいる」というようなところまで突っ込んでもらえたらと思っています。

国センの在り方の見直し(12/27公表)

平成23年12月27日に公表された「消費者担当大臣会見配布資料」が消費者庁のHPに掲載されています。
トップ >地方協力課 > 国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース
http://www.caa.go.jp/region/index6.html#m04

国民生活センターの在り方の見直しについて
「国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議」の中間取りまとめを踏まえ、政務三役(大臣・副大臣・政務官)で協議の上、12月27日の消費者担当大臣会見において「国民生活センターの各機能を、国へ移行することが妥当と判断した」旨の発表を行いました
国民生活センターの在り方の見直しについて(消費者担当大臣会見での配布資料)

1ページの短い資料なので、そのまま紹介します。赤字は私が勝手にしています。

国民生活センターの在り方の見直しについて
平成23年12月27日
1.国民生活センターの在り方の見直しについては、第三者からなる「国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議」において、消費者庁との一元化以外の選択肢を含めて議論を進めてきた。また、財産事案の情報分析・提供等に関する消費者庁との一元化の試行の実施状況についても、検証・評価を行ってきた。
2.こうした検証会議の中間取りまとめを受け、政務三役として協議した結果、国民生活センターの各機能について、その全てを維持し、基本的に一体性を確保しつつ、より一層充実させていくこととする。このため、国民生活センターの各機能を、独立行政法人改革による新たな法人制度ではなく、国へ移行することが妥当との判断に至った。
国への移行の具体的な在り方については、中間取りまとめのとおり、別途検討の場を設けて、消費者行政全体の機能強化を図る観点から検討し、来夏までに結論を得る。その上で、平成25年度を目途に国民生活センターの各機能を国へ移行するため、所要の法整備等を行う
3.なお、いわゆる「政府から独立した法人」との考え方については、①深刻な財政状況、②国民生活センターの機能を強化する必要性、③政府全体の独立行政法人改革の動向を踏まえれば、そのまま実現を図ることは難しく、国への移行の中でその趣旨を活かすことが現実的であると判断した。

コメント
特に目新しいことはありません。国民生活センターを消費者庁に取り込むこという規定路線が宣言されただけです。
独立行政法人でもNITEのように存在感を示していれば別ですが残念ながら国センにはその力がありませんでした。
大事なのは、今後どのような組織体制にしていくかという核心部分です。これは、なかなか結論が出るものではありません。少なくとも、キャリアの事務屋が幅を利かすような消費者行政になってはいけません。専門職員(プロパーや技術職員)と協働できる消費者庁になってほしいです。
そして、相談員にとっては相談員資格の法制化や身分保障など現実的な課題も多く残されています。
来年度の24年度中に方向性が決まると思いますが、思ったより動きは早いので夏ぐらいまでには何らかの形になるのではないでしょうか。ただ、誰もが納得するものはできないと思います。
それらの過程の中でどれだけ相談員や地方の現場の意見を反映させることができるのか。
国は各地のセンターに実態調査に出向くと思います。ただし、えらい人同士の話になるので現場の本音は伝わらないでしょう。
パブリックコメントの募集もあると思いますので個人で積極的に訴えかけるのもいいかもしれません。

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