携帯電話 その1 はじめに

消費生活相談と携帯電話は切っても切れない関係です。

携帯電話の前身といえば、ポケベルでしょう。
その後、自動車電話や商売人向けにかばんのような大きな携帯電話が誕生しました。
私は医者である友人に見せてもらったことがあります。
しかし、料金は高く、一般人が使うものではありませんでした。

転機が訪れたのは、平成7年の阪神淡路大震災でしょう。
ライフラインである電話が普通となり、公衆電話に行列ができました。
そして、表舞台に立ったのが携帯電話です。
基本料も通話料も高く、メール機能もついていない単なる電話機でしたが、普及し始めました。
15年ほど前のことでしょう。その後i-modeによるメール機能や端末の0円販売など一気に普及しました。
基本料の割引サービスや2年縛りによる大幅割引など、複数の事業者による価格やサービス競争が始まり、普及していくと同時に、パケット料金のトラブルやWEBでのトラブル、詐欺など、みなさんのよく知るところとなっています。

携帯電話の普及に伴って、さまざまな消費者トラブルが消費者センターに持ち込まれるようになって10年もたっていないと思います。
消費者トラブルの分野としては新しいものになると思います。
若者やビジネスマンは携帯電話を持つようになりましたが、主婦層にはまだまだという時代でした。
そして、主婦層に近いのが、消費者センターの相談員です。
相談員も普通に携帯電話を使うようになったのは、ここ3年ほどではないでしょうか。
当時は携帯電話の相談があっても、「私は使ってないので詳しくはわかりませんが」という枕詞は許された時代ですが、今や、そんな恥さらしな言葉を言うことはできません。

スキルアップ講座では、携帯電話に関するさまざまな知識や問題について、継続的に解説していきたいと思います。

(平成22年10月21日 初稿)

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解説 ドロップシッピング その7(最終回)

③ドロップシッピング商法は古典的商法(パターンが同じ)であるとの理解

ドロップシッピングの解説もいったん最終回となりました。
これまでの解説を読んで理解していただけたのであれば、ドロップシッピングとは、またドロップシッピング商法とはなにか分かったと思います。
そして、このドロップシッピング商法は古典的商法であるというのも納得がいくと思います。

つまり、今回は商材が「ドロップシッピング」であっただけで、対象は何でもよいのです。

ドロップシッピングというのは実はコストはほとんどかからないものだというのは分かってもらえたと思います。
そのコストがかからないものに対して、無理やりコストをかけてしまう商法なのです。
そして、それが悪いことかどうかはコストと比較しての価値観になります。
もっとも、安いコストの商品を提供する意味はないので高額になるのでしょう。

ドロップシッピング商法は、今まで解説してきた本来自分がすべき一連の作業を代行し手間賃を稼ぐことと安いものではなくあえて高いものを売ることで利益を出すのです。
前回にも説明した、カローラを売るのではなくベンツを売っているのです。
しかも、そのベンツが本来の性能を発揮できてない(たとえばSEO対策したのに上位表示されないなど)ことも問題です。
さらに、誇大なうたい文句ですね。
利益を上げれる可能性があると同時に簡単には利益を上げることができないことも分かっていただけたと思います。

おかげでドロップシッピングに悪いイメージが付いてしまいました。
そして、それが、ドロップシッピングとはあやしいものだというバイアスが生じることにもつながったのです。
本来はすばらしいビジネスモデルだというのにです。

10年近く前のネットがまだ普及し始める時期にも同じようなことがありました。
小売店に対して、「インターネットでお店のホームページを開設しませんか」という商法です。
消費者センターにも相談があったと思いますが、事業者ですので対象外で対応したと思います。
この商法はドロップシッピング商法と似ていて、HP開設スペースのためのサーバー契約とHPの作成費と更新費でした。
高額な初期費用と毎月の費用が必要です。
単純に自分でやればほとんど費用がかからいことはお分かりですよね。
さらに、パソコン本体の費用やHP作成ソフトまで買わされる場合もあります。
そうすれば、初期費用はあっというまに50万円を超えてしまいます。

もとはといえば、消費者が必要な知識を持ち合わせていないデジタルデバイド(情報を持つ者と持たない者、ITを使える者と使えない者との間に情報格差が生じ、それが収入格差にもつながっていく)という昔からの大きな問題が根底にあるのだと思います。

先物商法でロコロンドンなどの投資と同じですよね。最近は外貨です。
マルチ商法やねずみ講や豊田商事残党などとも発想は同じようなものです。
基本原則は共通です。商材は何でもいいのです。
基本原則が同じということは、基本的な対応方法も同じなのです。
目新しい言葉に惑わされる必要はありません。
その目新しい言葉をしっかり知っておくということを日ごろから心がけておけばよいのです。
まあ、その目新しい言葉を知っておくというのが実は難しかったりするのです。
その役割をこのスキルアップ講座が果たせたらと考えています。

相談員として、本来の正しい意味を理解しておけば、ワンランク上の相談対応につながっていくと思います。
「ドロップシッピング」の相談を受けてしまった、どうしよー、ドロップシッピングって何だったかなー」などという情けない対応にならないように日々努力してください。
そして、今回のドロップシッピングの解説が参考になれば幸いに思っています。

(平成22年9月23日 初稿)

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解説 ドロップシッピング その6

②ドロップシッピングには(商材として)何が必要か (その3)

(6)SEO対策
SEOとは「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の頭文字をとった略語です。
特定の検索エンジン(ヤフーやグーグル)を対象として検索結果でより上位に現れるようにサイトを作成する技術をSEO対策といいます。
ネットで買い物をする場合に消費者は、検索サイトで欲しい商品名や地名などで検索します。そして、その上位に現れるお店をクリックします。
上位に表示されれば、消費者に訪問してもらえる機会が増えることになります。逆に、検索しても表示されなければ、消費者の目にとまることもないのです。
そして、検索で上位に表示されるには技術的にある程度の知識があれば可能なのです。
・さて、ショッピングサイトを開設したのであれば、お客さんに来てもらわなければなりません。
これまでの解説を読まれているなら、結果がどうなるか予想は付きますよね。
売上が少ないというレベルではなく、売上がゼロ、訪問もゼロ、というのが関の山でしょう。
じゃあお客さんに来てもらえるように、SEO対策をして、検索上位に表示されればと考えますが、ある程度の知識が必要です。
じゃあ、その対策をほかの人にやってもらう発想になります。そのSEO対策を商売としている会社もあります。費用対効果が判断する目安になります。
費用をかけてお客さんが訪問したとします。そのあとは、いかに買い物したくなるかというサイトの魅力と内容と価格でしょう。
これも結果の予想は付きますよね。訪問されても、すぐにほかのサイトにいきます。
結局、SEO対策の費用だけがかかったことになります。もちろん、その費用もドロップシッピング商法では含まれているんでしょうけどね。
・相談現場ではドロップシッピングのSEO対策というよりも、一般の小売店からの相談で「SEO対策の契約をしたけど効果がない」という相談を受けたことがあるかもしれません。事業者からの相談は対象外と回答してもいいのですが、SEOについて知識があれば、少しアドバイスを入れてから他機関を紹介するというスマートな対応も可能です。それ以前に、SEOを知らなければ何の相談かもわからないまま終わってしまいますけどね。
・私はこのサイトのほかに趣味のサイトを含め複数のブログを持っています。手間をかけずにSEO対策もできていて、検索ワードによってはグーグルで1位表示されるのも多くあり、自分自身でもびっくりしました。直接的に商売につなげたらいいのですが、アフィリエイトで数千円の収入になっているだけです。また、出会い系サイトからのメール公開のページを削除したのも、検索で上位に入ってしまい、意図しない人からの訪問が相次いだからです。
・SEOは実は簡単かもしれませんね。SEOについては、講習会の機会があればネットで見ながら実際にキーワードを設定してどう検索されるかなどを実践したいと思います。

②ドロップシッピングには(商材として)何が必要か (まとめ)
ドロップシッピングでネットショップを開設するには、どれぐらいの費用が必要か?
私の場合
レンタルサーバーが初期費用 1,000円 で12ヵ月2,500円、独自ドメイン 「.com」で1年間950円。
もしドロップシッピングをするとなると、費用がかからないベンダーと契約(ショッピングカート無料機能付き)。
ベンダーの一例として「もしもドロップシッピング(http://www.moshimo.com)」を利用した場合、無料。
サイトの構築、更新、SEO対策は自分でする。
必要な費用は、4450円。失敗しても、ダメージはほとんどありません。

これまでの解説を読まれたのなら、もう理解できていると思います。
実は、ドロップシッピングは、ネット起業するにはリスクが小さく可能性が無限大という魅力があります。
SEO対策や魅力的なサイトを構築するなどの努力をすれば成功する可能性も十分にあります。

これでドロップシッピングはあやしいものというバイアスはなくなったのではないでしょうか。
ネットで調べれば簡単にわかることなんですけどね。
一番の論点は、ドロップシッピングというシステムではなく、これを商材として利用したドロップシッピング商法にあります。そして、それは古典的な商法でもあります。
これについては、次回「③ドロップシッピング商法は古典的商法(パターンが同じ)であるとの理解」で解説します。

(平成22年9月20日 初稿)

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