理由を作ってあげる

JCASTニュースより引用
http://www.j-cast.com/2014/03/18199555.html?p=all

小中学生は午後9時以降、スマホの使用禁止 刈谷市、LINEの「既読スルー」対策に本腰
2014/3/18 18:47

愛知県刈谷市の小中学校全21校の生徒が、午後9時以降はスマートフォンや携帯電話を親に預け使用できないようにする、という取り組みを2014年4月から行うことになった。
未成年のスマートフォン使用に関しては、猥褻など悪質なサイトの閲覧問題だけでなく、ゲームの有料ガチャにハマりすぎて莫大な請求が来たり、援助交際などの温床になったりするなどと問題視されてきたが、今回の措置はそうしたことよりも、全世界で3億人以上が使っているコミュニケーション・アプリ「LINE」の「既読スルー」対策であることがわかった。
メッセージに返信しなければならないプレッシャー
刈谷市の教育委員会に話を聞いてみると、市内の小中学生のうち半数以上がスマホや携帯電話を所持しているという。学校に持ち込むことは原則禁止のため使用するのは家庭内か外出時になるが、狙いとしては「LINE」などを使ってトラブルが起きたり、生活習慣が乱れたりしないようにするための措置で、強制力はない。各家庭に「お願い」という形で伝え、午後9時以降の使い方を親子で考えてもらいたい、というものだと説明した。
この「LINE」だが、無料で通話や複数人数でのチャットができるもので、全世界で3億人、国内では5000万人以上が登録している日本生まれの大人気アプリだ。今や小学校高学年からの使用が増えていて、低年齢層のトラブルがいくつも報道されている。
その筆頭として挙げられているのがグループトークによるイジメで、何人かの仲間でメッセージのやり取り(チャット)をしている途中でいきなり一人を仲間外れにし、チャットに参加できないようにする。そして仲間はずれの人の悪口を書き連ねて盛り上がる。
仲間外れにされる原因の一つが「既読スルー」と呼ばれるもの。「LINE」の場合は送られて来たメッセージを開くと自動的に「既読」マークがつくため、そのメッセージに返信しないと「既読スルー」となり、返信が来なかった人の中には「バカにされたのではないか?」「返事を出さないのは失礼だ!」と感じる人もいてトラブルになる。そのため、「既読スルー」にならないかとプレッシャーを感じる人もいる。
「親にスマホを預けた」と友達に言い訳ができる
刈谷市にある小学校、中学校に話を聞いてみたところ一番の問題はこのLINEの「既読スルー」で、いつ誰かから来るかわからないメッセージを待ちスマホを気にしている。それが深夜になる場合もあり、来るとすぐに返信する。ある小学校の教頭は、
「既読スルーは全国的に問題になっていて、困っている子供も多く救ってあげなければいけません。今回の市の措置によって午後9時以降に来たメッセージは『親にスマホを預けているから返信できなかった』という説明ができますし、親としてもスマホを預かることで子供の生活習慣を守れますから私は賛成しています」
と話している。ある中学校では、取材に対し、
「これで保護者と子供がスマートフォンやLINEについて話し合い、使用上の約束などを話し合ういい機会になればいいと考えています」
と話している。

私はLINEをやっていないのですが、子どもたちの間では「既読スルー」が大変のようですね。また、携帯メールにもまして、LINEにすぐに返信しなければというプレッシャーからスマホを手放せず、日常生活にも支障をきたしてしまう。じゃあ、スマホを与えなければいいのではという議論は当然出てきますよね。私も子どもにはガラケーでメールだけをしていてほしいと思いつつも、高校生になると友人がLINEで交流していたり、また、今後のネットリテラシー力を上げて、時代についていき、勉強や社会に出てからも役立てるためには、スマホを使いこなすことが必要であり、ジレンマに陥ります。

今回のルールは、深夜に返信できなかった理由などを作ってあげるということに意味があります。
子どもたちのルールとは無関係に「市で決められているから」と他人のせいにすることができるのです。
これでは仕方がないですね。ワンクッションの機能を果たします。

消費生活相談でも、意にそぐわないことに納得してもらうために、「理由」を作ってあげるという方法があります。
思うような結果にならなくても、相談者の責任ではなく、例えば「国がこんなルールを作っているからだ」と第3者の責任にして、相談者に共感してあげるのです。
三角理論と同じで、(申し訳ないけど)あたりさわりのないほかの人を悪者に仕立て上げて、納得してもらう理由を作ってあげるのです。
あっせん不調で、法律相談などの上の段階に行かないで終了する場合に使える方法です。
「仕方ないよね、いろいろありがとうございました」という形で追われれば、次につながっていくと思います。

人間関係でも、恋愛関係など、一歩踏み出すときに、理由を作ってあげると、進展しやすいという場面もありますので、ご活用ください(できちゃったから結婚しようか、東京ディズニーランドのクリスマスイベントに行きたいから泊まりの旅行をしよう、など)。

子どものスマホ利用に関して、神戸市が作った
スマホ啓発用アニメーション『ルールを決めた日』
を紹介します。
『ルールを決めた日』配信開始!
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2014/02/20140219072201.html
YOUTUBEでの配信先はこちらです
http://youtu.be/YUn_yJfODo0

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スマートフォンからガラケーへの回帰

スマートフォンが主流を占めた今の状況ですが、ガラケーが見直されて売れているようです。
私は必然の流れではないかと思います。
以前にも書きましたが、スマホは基本的にパケットつなぎ放題に入る必要があります。
しかも、3GからLTEの代になって、段階的なパケット契約ではなく一気にフラット料金が適用されます。
したがって、最低でも6000円は支払うことになります(各種割引は入れてません)。
携帯各社がスマホに力を入れるのが、この月額料金のためです。しかも、2年縛りの月々割りで機種代金を実質無料にしても、2年間は6000円支払うことになるので、携帯会社の収益は高いレベルで確保されます。これが携帯会社が元気になってきた要因です。
若い世代で「つなぎ放題」が当たり前と考えている場合はこれでいいのですが、あまり使わない人にとってはこの料金は重くのしかかります。
「家族への通話とメールだけでWEBは使わない」という人がスマホにすると、WEBを使わなくても6000円が必要です。
ガラケとの大きな違いは、メールを使用するのにガラケーでは単純にパケット実費でしたが、スマホではWEBでアプリを使ってメールをすることになります。アプリを動かすためにはWEB接続が必要というわけですね。WEBを使わずメールだけという使い方は難しくなります。
家族への通話はガラケーもスマホも無料という点では同じですが、ガラケーのプランではメールが使い放題というプランが主流です。
基本料780円とi-modeの315円で運用することができます。
5000円近い差がライトユーザーには重く感じて、ガラケーに戻るという現象が起こっています。
高齢者やキッズですね。

さて、ガラケーですが、安いモデルだと実質0円があります。つまり、2年縛りになるけど1000円程度で運用できるというものです。
もし、乗換えや学割で基本料を無料にできれば、ほとんど運用コストが不要になります。
私が秋に紹介した携帯は50円程度で運用しています。2年後にMNPを狙っています。

通話料のプランも同じ会社同士だと夜間を除き無料になります。これも強力ですね。

携帯は1人1台の時代になりました。家族みんなが持つときに、ランニングコストを意識するだけで家計の節約になります。
この節約プランはソフトバンクがリーダーシップとなりました。これについては別途記事にします。

このサイトで携帯関連の記事を読まれている方は、何となく携帯にかかる「費用」について意識しだしたのではないでしょうか。
量販店で「なるほど」と思ったり、新聞のチラシを見たり。なかなか、真実は隠れていますが、こういうバックボーンを意識するとお店を見ているだけで勉強になります。

現場の相談員として、最新の販売事情を意識していることが、関係する複雑な相談にも何となく筋道が見えてくるようになるのではないかと思います。
このサイトでは継続的に携帯電話やITを取り上げますので、最新の流行や若者に少しでもついていけるように勉強してほしいと思います。

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光回線の工事遅れ(後編)

前回の「光回線の工事遅れ(前編) 2014年2月24日(月)https://soudanskill.com/20140224/873.html」からの続きです

クレームといえるのかは別として、この種の苦情の対応については、どのような性質のものかというのを分けて考える必要があります。
緊急性を要するものか、単に対応が遅れているだけなのか。
緊急性を要するものが、事故や不具合に対する初期対応です。これは具体的に被害(危害)が発生しているため迅速な対応が必要です。
今回の私の事例は、被害は発生していませんので緊急というほどではありません。緊急時対応については機会があれば記事にしたいと思います。

今回は対応の遅れにあります。
対応の遅れについても、「人為的な遅れ」と「不可避な遅れ」とがあります。
「人為的な遅れ」は、上司に報告していなかった、放置していた、書類を作るのが送れたなど、直接クレームを倍増させるものです。
「不可避な遅れ」は検査機関に依頼しているので報告待ちの時間が必要、担当者や工事業者の日程が目いっぱいで順番にこなしているのでおくれてしまっているというものです。

また、クレームのゴールとするものを確認しておきます。
2つのパターンが考えられます。
1つは遅れることは容認するので何らかの特典(料金割引や商品、商品券などの目に見える利益)を要求する。
もう一つは、とにかく早く対応してもらう。
(その両方を要求する)

しかし、何らかの特典は会社のシステム上難しいことが多いので、これを要求している消費者に「あっせん」するのは非常に難しいので避ける方向で話を進めた方がいいです。
とにかく、早く対応してもらうことを「あっせん」で引き出し、それを「特典」として消費者に示すことで、怒りの矛先を変えるのです。
目に見える利益から、費用のかからない現象に転嫁させるのです。

さて、私の場合はとにかく早い工事が目的です。
作戦として、こんなに時間がかかるのは、「人為的な遅れ」があって、書類が滞ったのではないかと攻めていくパターンです。
そこで、書類申請上難しいといわれたら、「直接、会社や役所に乗り込んで直接依頼や持ち回りをする」とごねる作戦を考えました。
まあ、ごねるかどうかは最初の対応次第ですが。

強硬姿勢はいい結果を招かないことは常です。
一番ベストな方法は、まずは、一歩引いて「お願い」するのです。
そのときに、どうしても工事を早くしなければならない理由と非常に困っていることを切なく訴えるのです。
この中に少し相手の対応に対するいやみを混ぜるのも効果的です。

私の場合、法人設立を予定していて、様々手続に光電話の新規電話番号が必要であり、さらに、事業を始めるにあたって、3月中旬にはチラシなどに電話番号を記載し印刷して配布する予定であり、困っていることを訴えました。
また、1月に相談電話をしたときに3月1日開通の希望ならすぐに申し込んでほしいということで申し込んだことを説明し、軽くいやみを混ぜました(会社側にその記録が残っていました)。
さらに、その日の最後の工事の追加で工事は夜になってもいいので何とかしてほしいと。
とりあえず、これで相手の出方を伺いました。

まず、翌日に、担当者から確認の連絡があり、工事については工事会社に依頼中であるが、電話が必要なら先に番号を交付して、工事が終わっていない間は、もう一つの自宅の電話に会社側の費用で自動転送する仕組にできることを説明され検討してほしいといわれました。
私は、それは最終手段として、お互いに面倒な方法は避けたいので、せめて3月中旬には工事をしてほしいと伝えました。

その翌日に、工事業者と調整がつき、工事が早められるとの連絡があり、一番直近で可能な3/4午後を選びました。仕事を休まなければなりませんが、この日程調整で面倒なことになるよりも、一番早い相手の都合のよい時間帯を選びました。これも、早い問題解決の方法の一つです。早めの工事が可能になったのに日程調整でもめると意味がありません。
ということで、思ったとおりの工事日程に変更してもらうことができました。

今回の交渉で私が終始穏やかに話ができたのは、ひとえに、事業者の対応が丁寧だったことです。
もし、そうでなかったら、直接乗り込む作戦に出たかもしれません。
ただ、工事日程の調整は何とでもなると思うので、言わないより言った方がいいです。
工事自体は下請けに出しているので無理はきいてもらえると思います。

ポイント
・とにかく、けんか口調にならず、「お願い」の姿勢と「困っている」気持ちで同情を持ってもらい、担当者に何とかしてあげたいと思わせる。
・何らかの条件が引き出せたら、できるだけ相手の意向に沿えるように調整する。
※これは消費者の立場だけでなく、相談員としての立場でも同じだと思いますし、事業者も同じ気持ちだと思います。
みんな同じ人間なので、クレームとして嫌な思いをしながら対応するのではなく、みんなが何とかしたいという思いで解決にあたれば、最後は、利害関係者すべてが「ありがとう」の気持ちで終われると思います。無茶だと思うあっせんでも、このような気持ちで事業者と話すことがいい解決へとつながるのではないでしょうか。
※実際には強い口調で事業者に連絡する相談員もいると思います。プライド感・正義感、行政という強い立場からの上から目線、消費者に強く言われたために同じように強い口調になってしまう場合など、思っていてもやれないこともあるので留意しておいてください。

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