国センの在り方の見直し(12/27公表)

平成23年12月27日に公表された「消費者担当大臣会見配布資料」が消費者庁のHPに掲載されています。
トップ >地方協力課 > 国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース
http://www.caa.go.jp/region/index6.html#m04

国民生活センターの在り方の見直しについて
「国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議」の中間取りまとめを踏まえ、政務三役(大臣・副大臣・政務官)で協議の上、12月27日の消費者担当大臣会見において「国民生活センターの各機能を、国へ移行することが妥当と判断した」旨の発表を行いました
国民生活センターの在り方の見直しについて(消費者担当大臣会見での配布資料)

1ページの短い資料なので、そのまま紹介します。赤字は私が勝手にしています。

国民生活センターの在り方の見直しについて
平成23年12月27日
1.国民生活センターの在り方の見直しについては、第三者からなる「国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議」において、消費者庁との一元化以外の選択肢を含めて議論を進めてきた。また、財産事案の情報分析・提供等に関する消費者庁との一元化の試行の実施状況についても、検証・評価を行ってきた。
2.こうした検証会議の中間取りまとめを受け、政務三役として協議した結果、国民生活センターの各機能について、その全てを維持し、基本的に一体性を確保しつつ、より一層充実させていくこととする。このため、国民生活センターの各機能を、独立行政法人改革による新たな法人制度ではなく、国へ移行することが妥当との判断に至った。
国への移行の具体的な在り方については、中間取りまとめのとおり、別途検討の場を設けて、消費者行政全体の機能強化を図る観点から検討し、来夏までに結論を得る。その上で、平成25年度を目途に国民生活センターの各機能を国へ移行するため、所要の法整備等を行う
3.なお、いわゆる「政府から独立した法人」との考え方については、①深刻な財政状況、②国民生活センターの機能を強化する必要性、③政府全体の独立行政法人改革の動向を踏まえれば、そのまま実現を図ることは難しく、国への移行の中でその趣旨を活かすことが現実的であると判断した。

コメント
特に目新しいことはありません。国民生活センターを消費者庁に取り込むこという規定路線が宣言されただけです。
独立行政法人でもNITEのように存在感を示していれば別ですが残念ながら国センにはその力がありませんでした。
大事なのは、今後どのような組織体制にしていくかという核心部分です。これは、なかなか結論が出るものではありません。少なくとも、キャリアの事務屋が幅を利かすような消費者行政になってはいけません。専門職員(プロパーや技術職員)と協働できる消費者庁になってほしいです。
そして、相談員にとっては相談員資格の法制化や身分保障など現実的な課題も多く残されています。
来年度の24年度中に方向性が決まると思いますが、思ったより動きは早いので夏ぐらいまでには何らかの形になるのではないでしょうか。ただ、誰もが納得するものはできないと思います。
それらの過程の中でどれだけ相談員や地方の現場の意見を反映させることができるのか。
国は各地のセンターに実態調査に出向くと思います。ただし、えらい人同士の話になるので現場の本音は伝わらないでしょう。
パブリックコメントの募集もあると思いますので個人で積極的に訴えかけるのもいいかもしれません。

研修講師の心がけ

私も様々な研修を受ける機会があるのですが、非常に勉強になったと思う研修もあればいまいちだと思う研修もあるのはみなさんと同じだと思います。
そのなかで、内容は良いのに講師の伝え方に問題がある「もったいない研修」がしばしばあります

以前に、受講者の立場から「研修を受講するときの姿勢(https://soudanskill.com/20101014/111.html)」という記事を書いたところですが、反対の立場である研修の講師についても同様に必要な心がけがあると思います。

先日もそのような場面に出会いました。
受講しながら、「この説明は私だったらこう説明するのに」と思うことがありました。
私にはその内容はよくわかりましたが、おそらくほとんどの受講者は何のことか分からないままスルーしていたようです。

質疑応答でも、回答になっていないこともあります。
結局、疑問点は埋まらないまま終わることもあります。

研修の講師と受講者に温度差やギャップがあり、うまくマッチングしていないのですね。

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?

講師は知識も経験も豊富です。
それゆえ、少し専門的な言葉を(相談員なら分かっているだろうと)説明なしに使ってしまう傾向があります。
その世界の専門家である講師にとっては日常的に使っている言葉なので問題ないと考えたのでしょうが、それは講師目線となります。
以前に、相談員が相談者に専門的な言葉をつかってしまう問題点について、「専門用語を分かりやすく伝える(https://soudanskill.com/20100801/73.html)」という記事を書きましたが、それと同じ現象です。

講師として心がけなければならないことは、「講師目線での研修」ではなく、「受講者目線での研修」になることです。
当たり前ではないか、簡単なことでどの講師もそうしていると表面的には見えますが、実質は違うというのはすぐにわかります。
①対象によって説明方法を変えているか
→小学生、中学生、女性、高齢者など対象によって、話すスピード、言い回し、丁寧さ、説明の難易度を使い分けること
②相談員の立場での説明になっているか
→単なる知識にとどまったり、専門領域になってしまうのではなく、一歩踏み込んで、消費生活相談の現場で活用することを前提とした説明になっていること
③講習時間に対するボリュームが多すぎないか
→「広く浅く」と「狭く深く」を一度に両立させることは限られた時間では困難であり、結局、中途半端に終わることになるので、その研修での目的、少なくとも理解してもらいたいことなどが明確になっていること

以上の3点は当たり前ながら、実際に研修を評価すると満たされていないことが多いです。
まあ、研修の評価自体、ほとんどすることはないでしょうね。

それでは、「受講者目線での研修」をするにはどうすればいいのでしょうか?

ひとつのヒントは、「ティーチ」か「コーチ」かの違いを理解することです。
「ティーチ」は講師の知識を受講者に「教える」「伝える」ことが目的です。
「コーチ」は講師の知識を受講者が理解でき、さらに超えるように「導く」ことが目的です。

したがって、「ティーチ」は受講者が理解しようがしまいが関係なく講師の考え方を一方的に伝えることが目的「他人事」となります。
学校の授業がその例です。
準備してきた使い回しの資料を使い、過去と同じような手順で実施すればいいので、講師目線の研修は比較的容易です。

一方、「コーチ」は受講者に気付きを与え理解して自分のものにしてもらうことが目的となるので、立ち止まってでも理解を促す必要があり、研修自体、対象に合わせたオーダーメイドで、事前準備にも時間がかかります。そして講師自身が相談員の立場としての「当事者意識」を持って研修にあたる必要もあります。
レベルの高い競技スポーツがその例です。

そう考えると、相談現場に近い講師が相談員目線に一番近い研修をすることができると思いますが、そのような人材はなかなかいないのが現状ですね。

一度、受講した研修をじっくり観察し評価してみてはどうでしょうか
ちなみに、今回は「講師と相談員」について書いたものですが、「相談員と消費者」に当てはめても同じことがいえるというのは、本講座を長くじっくり読まれている方なら分かると思います。

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