研修講師の心がけ

カテゴリー:心がまえ 投稿日:

私も様々な研修を受ける機会があるのですが、非常に勉強になったと思う研修もあればいまいちだと思う研修もあるのはみなさんと同じだと思います。
そのなかで、内容は良いのに講師の伝え方に問題がある「もったいない研修」がしばしばあります

以前に、受講者の立場から「研修を受講するときの姿勢(https://soudanskill.com/20101014/111.html)」という記事を書いたところですが、反対の立場である研修の講師についても同様に必要な心がけがあると思います。

先日もそのような場面に出会いました。
受講しながら、「この説明は私だったらこう説明するのに」と思うことがありました。
私にはその内容はよくわかりましたが、おそらくほとんどの受講者は何のことか分からないままスルーしていたようです。

質疑応答でも、回答になっていないこともあります。
結局、疑問点は埋まらないまま終わることもあります。

研修の講師と受講者に温度差やギャップがあり、うまくマッチングしていないのですね。

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?

講師は知識も経験も豊富です。
それゆえ、少し専門的な言葉を(相談員なら分かっているだろうと)説明なしに使ってしまう傾向があります。
その世界の専門家である講師にとっては日常的に使っている言葉なので問題ないと考えたのでしょうが、それは講師目線となります。
以前に、相談員が相談者に専門的な言葉をつかってしまう問題点について、「専門用語を分かりやすく伝える(https://soudanskill.com/20100801/73.html)」という記事を書きましたが、それと同じ現象です。

講師として心がけなければならないことは、「講師目線での研修」ではなく、「受講者目線での研修」になることです。
当たり前ではないか、簡単なことでどの講師もそうしていると表面的には見えますが、実質は違うというのはすぐにわかります。
①対象によって説明方法を変えているか
→小学生、中学生、女性、高齢者など対象によって、話すスピード、言い回し、丁寧さ、説明の難易度を使い分けること
②相談員の立場での説明になっているか
→単なる知識にとどまったり、専門領域になってしまうのではなく、一歩踏み込んで、消費生活相談の現場で活用することを前提とした説明になっていること
③講習時間に対するボリュームが多すぎないか
→「広く浅く」と「狭く深く」を一度に両立させることは限られた時間では困難であり、結局、中途半端に終わることになるので、その研修での目的、少なくとも理解してもらいたいことなどが明確になっていること

以上の3点は当たり前ながら、実際に研修を評価すると満たされていないことが多いです。
まあ、研修の評価自体、ほとんどすることはないでしょうね。

それでは、「受講者目線での研修」をするにはどうすればいいのでしょうか?

ひとつのヒントは、「ティーチ」か「コーチ」かの違いを理解することです。
「ティーチ」は講師の知識を受講者に「教える」「伝える」ことが目的です。
「コーチ」は講師の知識を受講者が理解でき、さらに超えるように「導く」ことが目的です。

したがって、「ティーチ」は受講者が理解しようがしまいが関係なく講師の考え方を一方的に伝えることが目的「他人事」となります。
学校の授業がその例です。
準備してきた使い回しの資料を使い、過去と同じような手順で実施すればいいので、講師目線の研修は比較的容易です。

一方、「コーチ」は受講者に気付きを与え理解して自分のものにしてもらうことが目的となるので、立ち止まってでも理解を促す必要があり、研修自体、対象に合わせたオーダーメイドで、事前準備にも時間がかかります。そして講師自身が相談員の立場としての「当事者意識」を持って研修にあたる必要もあります。
レベルの高い競技スポーツがその例です。

そう考えると、相談現場に近い講師が相談員目線に一番近い研修をすることができると思いますが、そのような人材はなかなかいないのが現状ですね。

一度、受講した研修をじっくり観察し評価してみてはどうでしょうか
ちなみに、今回は「講師と相談員」について書いたものですが、「相談員と消費者」に当てはめても同じことがいえるというのは、本講座を長くじっくり読まれている方なら分かると思います。

スポンサーリンク