真実は?

情報は世の中にあふれています。
テレビで報道されていることが真実のように見えて、カラクリがあることも良くあります。

先日、テレビの特集で、クーポンサイトの売上が回復してきて、震災前の水準になってきた、というのを報道していました。
クーポンサイトといえば、年末におせち料理で消費者庁から行政処分のあったことは記憶に新しいと思います。
クーポンサイトについては、別途、記事を書きたいと思いますが、回復していることが真実かどうか不明です。
数字の上では間違いなく回復しています。
ただ、少なくとも、この5月と6月は、各クーポン会社が赤字キャンペーンを実施して、会員数と売上枚数を増加させたというのは、一般の消費者は知らないでしょうね。

私は複数のクーポン会社の会員になっていますが、たとえば、500円のマックカードが100円で販売、500円分のアマゾンのクーポン券が100円で販売、毎日5名様にテレビなどが抽選で当たります、というキャンペーンをクーポン会社の費用負担で実施すれば、会員数やクーポンの発行枚数や売上は当然ながら増加するのは目に見えています。
さらに、このキャンペーンを周知させるために、かなりの広告費やアフィリエイトを実施しています。
純粋に、お店から提供のあったクーポンで売上を増加させたかどうかは分かりません。
しかし、このニュースが報道されることによって、マスコミや消費者から注目を浴びて、本当に売上が回復するかもしれません。

こんな、雑感日記を、ときどき綴っていきたいと思います。

節電

ついに関西電力も節電を要請することになりましたね。
東京電力から中部電力へきて、そして、関西電力へくるのは時間の問題と思っていました。
関西の人たちは冷ややかだそうです。
大阪府知事も持論を展開しています。

結局、何が問題かというと、このサイトでも何度もいっていますが、「リスクコミュニケーション」なんです。
ステークホルダー(利害関係者)である関西電力や消費者や自治体や国が、お互いに共通認識を持たずに、意見を交換することなく、いきなり15%という数字を出してきたことです。
必要があって、説明があって、納得すれば、みなさん協力するでしょう。
そういうプロセスをリスクコミュニケーションというのです。
そんなプロセスなしに、いきなり言われても、何をどうすればよいの?15%って具体的にどうなの?となってしまいます。

相談現場でも、相談員と相談者と事業者のお互いのコミュニケーションが重要です。
日本人って、本当にコミュニケーションが下手ですね。

(参考)
電力使用状況(ヤフー)
http://setsuden.yahoo.co.jp/use/index.html
ヤフーの電力使用量のグラフは消費者に考えることを提案しています。
自分なりに、しっかり考えておきたいですね。
今は、東京電力と東北電力ですが、近いうちに、関西電力が追加になって、最終的には全国の電力会社で比較できるようになるかもしれませんね。
さらに、もっと、先を行くような情報も提供されるかもしれません。
こういう分野に関しては、ネット会社はさすがに機動力がありますね。

仕事図鑑

NHKの「あしたをつかめ 平成仕事図鑑」に「消費生活相談」がテーマに取り上げられました。
ごらんになった方も多いのではないでしょうか。
見てない方は、録画されている方に借りてください。

国民生活センターに就職した3年目の女性相談員の仕事ぶりが紹介されています。
電話相談を担当して2ヶ月という新人です。
他の相談員の仕事ぶりや国民生活センターの仕事の進め方など、参考になったのではないでしょうか。

番組紹介のHPはこちらです
「あしたをつかめ 平成仕事図鑑」
http://www.nhk.or.jp/shigoto/
no.282  消費生活相談
http://www.nhk.or.jp/shigoto/zukan/282/top.html

いくつかコメントしたいと思います。

国民生活センターの品川です。直接相談って今年度からなくなってましたよね?被災地からの相談を3月下旬から受けているので、その対応ということでしょうか。番組を見て一般の消費者が国民生活センターに相談したいとなっても、直接相談を受けていないので身近な消費生活センターを紹介されるという皮肉になりますね。国センの相談員は今後どうなるのか気になります。次は、地方自治体の消費生活センターも取り上げてほしいですが同じテーマは2度とないでしょうね。

30秒ですが、インタビューもNHKのHPで見れます
「解決は一つではなくて、その人にあった、100人いれば、100人の答があるので、それに向かって助言して解決に結び付けていく」
そのとおりです。相談員も、固定観念を持たずに、柔軟に対応できることを目指してください。

仕事ぶりの中で、これはgoodと思ったことがあります。
「相談者に聞くことをあらかじめ紙に書いてまとめておく」ということです。「ベテランじゃないので頭の中にまとめれないから書く」ということを言ってましたが、紙に書くことはとても重要です。ベテランほど紙に書かなくなって、対応に穴があることが少なくありません。しっかり考えを紙に書いて整理していくことが重要です。

相談事例で、「震災で結婚をキャンセルしたところ、キャンセル料を50%の150万円請求された」というのを担当していました。
契約書を見ると、確かに50%のキャンセル料とあり、支払わなければならないということで、上司と相談し、「震災で身内がなくなった」という事情も考慮して、「実損」を計算して、交渉していくという方針になりました。
さて、この事例はみなさんだったらどう対応しますか?

おそらく、まず頭に浮かぶのは、消費者契約法の第9条の「消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効」の中の、「平均的損害」に目を向けるでしょう。つまり、キャンセル料50%の150万円が実損として、積み上げれるのかどうか、明細書をもらって交渉するということです。今回の国センの対応と同じでしょうね。

確かに正論ではそのような道筋になるでしょうが、私の見方は少し違い、その前にできることがあるのではと考えます。
事業者にとって、「キャンセル」はやっぱり受けたくないでしょうね。
今回の理由が、もし、「結婚を取りやめした」のではなく、「結婚はする予定だけれども、今このタイミングで結婚するのが困難になった」というのであれば、「キャンセル」ではなく、「延期」にしてもらうという道はないのかなと考えます。相談者は結婚する予定だし、結婚式場は延期になるけど結婚式をあげてもらえることになり、両者にとって、損失は生じないのではないでしょうか。期日が迫りすぎてたとか、金銭的に困難になったとかでなければ、規模を縮小してでも、半年から1年先延ばしにするという解決方法を提示できるのではないかと思います。相談の詳細は違うかもしれませんが、そういう視点から話を聞いて、それがOKならいい方向に進むのではないかと思ったりします。結婚式場にしても震災で結婚式のキャンセルが相次ぎ、経営に影響が出ているのですから。そして、キャンセル料の50%が高額という「文句」を言わずにすむのであればいいのではと思います。
その道がなくなれば、王道の平均的損害の交渉になると思います。

人間対人間です。お互いにベストな選択肢があれば、どちらも傷つかずにすむのではないのかと思います。
私は常に、法律にしばられるのではなく、お互いに話をして、両者が納得する答を出してあげることが大切ではないかと思っています。悪質商法であれば、法律を振りかざして、断固たる対応をすべきと思いますが、そうでないトラブルの場合は、法律を出すのは後でもいいのではと思ったりします。そういう解決方法が、法律相談や弁護士にかかるのではない消費者センターならではのあっせんではないかと思います。

日々勉強、日々努力して、経験値を高め、一人前を目指しましょう。
NHKのHPでは彼女にメッセージを送ることができますが、送信者の個人情報が必要なので残念ながら遅れませんが、応援しています。