月刊 国民生活 2010年11月号

①特集 ネット・ケータイトラブルから子どもを守る
・出会い系サイト、ゲームサイト、プロフなどトラブルに巻き込まれる問題がたくさんあります。この特集では、様々な問題をわかりやすく説明して\います。個別の問題については別途コメントしたいと思います。

②苦情相談
「バスツアーで訪れた展示会場でからだによいと宝石を販売する業者」
・この種の相談は、かなり昔から存在する定番の問題ですね。相談員としてはすでに問題点は整理できていると思います。
・私は一度でいいから体験してみたいと思ってます。

③暮らし注意報
「高額な施術の契約を急がす美容医療サービス」
・これも定番の相談ですね。
・一番問題が複雑で解決が困難な事例は「包茎手術」です。手術台で「重度の包茎」だと脅され高額な手術に同意せざるを得ない状況が作られ、ほかの病院で見てもらうと必要がなかったというパターンです。人には相談しにくい問題ですので表に出ていない事例もたくさんあると思います。高額でありローンを組ませたりします。お金の問題だけではなく、体にメスを入れるという傷をも残されてしまうので消費者にとっては心や体の負担も生涯背負っていかなければなりません。
・今回の事例では、「包茎手術」のほかに「脂肪溶解注射」や「脂肪吸引」の施術について紹介されています。

④暮らしの判例
「契約して2ヵ月経過後にクーリング・オフが認められた事例」
・訪問販売での工事完了後2ヶ月を経過し、書面不備でのクーリングオフを認めた事例です。
・契約時の書面不備やクレジット会社からの意思確認のなりすましなど、法律上の書面不備は間違いなくある。
・すでにソーラーシステムの設備は利用可能な状態にあり、クーリングオフの意思表示が信義に反し、権利の濫用に当たるとまではいえない。
・形式的な記載事項の不備のみでクーリングオフを認めたものですが、これと同じような事例について権利の濫用とからめて判例がいくつか紹介されています。

⑤暮らしの法律Q&A
「建築中の住宅が火事になったら?」
・不可抗力により建築中の建物が類焼してしまった場合に、建築請負契約や民法や標準的契約約款などの側面から解説されています。消費者センターではこの種の相談はほとんどないと思いますが、法律の知識として読んでおかれたらいいと思います。

⑥クリーニングの基礎知識
「衣類の管理と保管」
・消費者センターでのクリーニングトラブルで「クリーニング店の責任ではない」という相談が寄せられます。
・「虫食い」や「変色」や「しみ」など確かに消費者の保管中や使用中によるものが原因とされる事例は少なくありません。
・一番の問題は、クリーニング店が分かりやすく説明し、消費者に理解してもらうということができていないことでしょう。
・クリーニングトラブルの対応方法については別途解説したいと思います。

国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/ncac_index.html
月間 国民生活

月刊 国民生活 2010年10月号

①チェックチェック!苦情相談
詐欺的出会い系サイトの高額ポイント料金支払いで多重債務に
・無料の占いサイトを利用したら、同時に出会い系サイトにに登録されたというよくあるパターン。
・多くのメールが来るようになり、最初は普通の会話を続けながら9ヶ月間400万のポイントを利用した。
・典型的なパターンです。なぜ、長期間気付かずに続けたのかと思うかもしれませんが人間心理の世界です。この心理を理解してこそ、レベルの高い相談対応ができます。当然ながら、過去を責めてはいけないのはお分かりでしょう。
・私にも送られてくるメールの実物を公開していますので参考にしてください。
【別館】ネット関連情報

②暮らし注意報
映像配信サービスのトラブル急増
映像配信サービスは、映画やテレビ番組を見たいときに格安でいつでもみれるというもので、主に光回線を持っているケーブルテレビやプロバイダーなどで提供されています。
レンタルビデオにいかなくても見れるという大きな特徴で便利なサービスです。
しかし、こんな素敵なサービスでも勧誘方法に問題があることが多いので残念です。
本当に必要な人はあまりいないと思いますが、最初の1ヶ月は無料です、などの勧誘で解約トラブルが多いのです。
ビデオオンデマンド(映像配信サービス)について、しっかり知っておいてください。
機会があれば解説します。

③暮らしの判例
保険の乗り換えと説明義務違反
・高齢者が保険代理店担当者の勧誘により簡易保険を解約して終身保険等に転換されたことについての判決です。
・保険勧誘の違法性・・・適合性原則違反、説明義務違反、特別利益の提供等の禁止違反
・無効取り消し事の有無・・・公序良俗違反、錯誤、消費者契約法違反(重要事項の不実告知、不利益事実の不告知)
・どんな法のどこに違反するかなどを論理的に説明しているので勉強になります。

④消費者訴訟を学ぼう 消費者訴訟の現場から
欠陥住宅に住むことは利益?
・欠陥住宅の建替えにあたり、今まで住んでいたことに対する利益を損益相殺できないという最高裁判決です。
・関西消費者協会の消費者情報9月号にも同様の記事が掲載されていました。
・重要な判決なのでしっかりチェックしておいてください。

⑤法令から読む食品表示のウラオモテ
変わる食品行政
14回のシリーズの最終回ですが、消費者庁について書かれている部分を一部紹介します。
・消費者庁には、農林水産省や厚生労働省のようの「業界」を気にする必要がないのですから、純粋に消費者目線からの企画が期待できます。
・消費者庁は・・・・ほかの大臣に「口出し」もできるようになりました。
・悲しいかな世の中は不況の真っ只中・・・・新たに公務員を増やすわけにもいかず、ほかの省庁からの定員を振り分けてもらい・わずか200名余りの小さな所帯で発足することになりました。
(コメント)縦割り行政を打破できる仕組みはすばらしいですが、マンパワーの不足など、まだまだですが、今後期待したいです。

⑥相談員のひとりごと 相談に学びながら
聴くことのことを重ねて
・重要なフレーズがあります。
抜粋
『普段は早口なのに相談対応になると「ゆっくり話すのですね」と相談員仲間に言われ、初めて気が付いた。』
・話し方は重要です。このように、臨機応変に切り替えることができる能力を身につけてください。
・普段早口で、相談も「早口」かつ「専門用語を使う」かつ「相手の話を聴かず話し続ける」という最悪の話し方にならないように肝に銘じてください。しかし、このような状態に陥っても自覚症状がありません。周りもあまり指摘しません。赤信号に気が付いてください。
・話し方のスキルについても別途解説したいと思います。

国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/ncac_index.html
月間 国民生活

月刊 国民生活 2010年9月号

①特集 カードキャッシングの落とし穴
・クレジットカードの歴史、日米の違い、リボ払いなどについて解説されています。
・貸金業法改正の解説がありますが、完全施行されたので今年の消費者関連の大きな話題ですね。
・さらに、クレジットカード現金化の仕組みが解説されています。
・これらの特集を読むと、クレジットカードについての理解が深まると思います。

②消費者訴訟を学ぼう 消費者訴訟の現場から
「偶然性の立証責任はどちらに?」
・この記事はとても面白く勉強になりました。事件としては、海外出張中に自宅の駐車場から車が盗まれ、盗難保険を申請したところ、犯人と所有者が関与しているとして支払いを拒否したことです。
・「車が偶然盗まれた」という立証責任はどちらにあるのか、請求者であれば犯人を見つけるなどして犯行には関与していないことを立証しなければならないし、保健会社であれば請求者が誰かに車を盗むように指示したことを立証しなければならない。
・最高裁は、請求者以外の誰かが、その車を持ち出したという外形的な事実を主張立証すれば足りると判断しました。すなわち、防犯カメラによって誰かが盗んだということを立証すれば立証責任を果たしたことになる。
・他方、ビデオの誰かが請求者から犯行の指示を受けていたかどうかは保健会社が立証する責任を負う。
(詳しくは本誌を読んでください)

③暮らしの法律Q&A
「ペットが人にけがをさせたら?」
・相変わらず放し飼いの犬が多いです。子どもが多く遊んでいる公園でも平気で大型犬を離しています。私は許せません。こんなことをしている限り日本ではペットは社会に受け入れられないでしょうね。
・犬が人をかんだときの民法上の責任について解説しています。民事的な示談により飼い主は誠実に対応すべきです。こじれるとペットにとってもよくありません。
・たいていの自治体では、ペットが人をかんだら保健所に届け出る義務があります。また、その犬が狂犬病にかかっていないか検査する必要があります。実際には、民事的に円満解決すれば、それらの義務を果たさない人も多いでしょう。しかし、いったんこじれてしまうと、保健所からの指導が入ったりします。最悪の場合は、相手方から犬の処分を求められ、泣く泣く殺処分せざるを得ない結果になることもあります。ルールを守るのは当然ですが、それでも事故がおこるときもあります。愛犬のためにも事故があったときの対応を心得ておく必要があります。こんなな相談があったら、法律相談を紹介することになると思いますが、保健所への届出の必要性も説明してください。

④表示でみる商品ミニ知識
「観光土産品」
・「観光土産品の表示に関する公正競争規約」「食品衛生法」「加工食品品質表示基準」による表示が紹介されています。
・私がお土産を買うときに重視するのは、「固有記号」です。できるだけ地元でつくられたものを買いたいので、販売者+固有記号よりも製造者が地元表示になっているものを選びます。地元で作られたのが確実ですから。固有記号というのは、実際に製造していなかったり下請けに出していたりしても販売者で表示することができ、その代わりに役所に届け出ている実際の製造所を記号で表示する制度です。いい点も悪い点もありますが、せっかく買ったお土産が、全然遠い工場で作られていたりすることもあります。

⑤時点・論点
「変わる高専賃-求められる高齢者住宅の整備-」
・高専賃とは高齢者船よい賃貸住宅のことです。自宅で暮らすのは難しいが、施設にはなかなか入れない、という高齢者の受け皿となった有料老人ホームが規制により開設抑制が行われ、急成長してきたのが高専賃です。高齢者のみ入居でき、単なる賃貸住宅であるが、高齢者のニーズに合わせて、食事・掃除・洗濯などの生活支援サービスのほか、訪問介護やデイサービスなどの事業所が併設され、介護保険を使ったサービスを受けられる物件が増えてきているとのことである。
・問題や課題もいろいろありますが、今回、私がこの記事を取り上げたのは、「ガイアの夜明け」というテレビ東京の番組で7月13日に「シリーズ「ニッポンの家族の行方」第2弾 自由、安心に暮らしたい~“シニアの住まい”広がる選択肢~」で、高専賃が取り上げられ、今後の未来像として印象に残っていたからです。詳しくはHPを参照してください。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview100713.html

国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/ncac_index.html
月間 国民生活