督促OL 修行日記 その2

督促OLのコミュ・テク !その3 いきなり怒鳴られた時に相手に反撃する方法

「オイコラ!!どうなってんだよー!!」
怒鳴られたショックで、私の思考回路は一瞬にしてフリーズしてしまう。
お客さまは何やらTVだったら放送できないようなお言葉で怒鳴り続けているが、とりあえず怒鳴りつけられたショックでこちらは頭が真っ白。相手が何を言っているのか理解できないし、こうなるともう督促の交渉どころではない。
クレームの電話を受けると、対応に慣れていないオペレーターは緊張とショックで固まって受け答えができなくなってしまう。突然のことに泣き出してしまうオペレーターもいる。
そもそも私たちが怒鳴られると固まるのは、どうやら動物としての本能らしい。
動物の世界ではほとんどの捕食者が動くものを標的に狙ってくるからだ。群れの中で動いた固体から狙われる。だから人間も動物として危機を感じると固まるようにできている。
(どうにかして怒鳴られたショックで固まるのを防げないだろうか・・・・)
そして色々と試行錯誤をした結果、一番効果的だったのはちょっと驚くぐらいに単純な方法だった。
いきなり怒鳴られてビクッと体が固まってしまったら、その瞬間思いっきり足をつねる。もしくは足の小指をもう一方の足で踏んづけるなどして、下半身を刺激するのだ。
(痛っ!!)と感じると同時に、怒鳴られたショックによる金縛りは解ける。そこからお客様に反撃することができるのだ。
直接つねったりしなくても足を踏ん張るだけでもだいぶ違う。

有名な動物学者いわく「下肢(つまり足)には本当の気分があらわれやすい」らしい。不安な人は足が落ち着かないし、足を広げている人は偉そうな印象になる。
実際、お客さまとの間にクレームを起こしていたり、相手に言い負けてしまうオペレーターさんは、足元が落ち着いていないことが多い。オペレーターブースの後ろからオペレーターさんの足を見ていて、足をぶらぶらと浮かせていたり、足を組んだりしているオペレーターさんは、トラブルを起こす確率が高かった。
逆も真なりで、足を整えることで心も整えることが可能なんじゃないだろうか。
いきなり怒鳴られてショックで固まってしまったら、グッと足に力を入れて踏ん張ってほしい。そうすることで早く金縛りを解くことができる。そしてお客さまに即座に反撃を開始できるのだ。

・抜粋が多くなってしまいました。相談現場では話がこじれて怒鳴られることやリピーターからいきなり怒鳴りの電話がかかってくることはよくあると思います。相談者からだけではなく事業者からも怒鳴られて板ばさみになることもあります。
・クレーマーになるべくしてなった相談者。相談員の相談対応がまずかったためにクレーマーになってしまった相談者。
・相談員が対応を交代することは原則ないと思いますが、いざというときは、行政職員に対応してもらうところはあります。
・「所長に変われ」もありますね。
・相談現場ではクレーマーという言い方はあまりしません。「対応に苦慮する相談者」「難対応相談者」というところでしょうか。これについては、多くの専門研修もありますし、特に重要なコミュニケーションが求められます。心理的にどちらが優位に立つか?どのような話し方をすればいいのか?など多くのノウハウがあります。スキルアップサイトでの詳しいクレーマ対応については別の機会に書きたいと思いますが、この本では、この後にいくつかのヒントが書かれています。次回は、それを紹介します。
(つづく)

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督促OL 修行日記 その2” に対して1件のコメントがあります。

  1. きのこたけのこ より:

    書籍化される前、作者がN本さんと名乗っていたころからwebで読んでいました。
    紹介してくださり、ありがとうございます。
    今回紹介してくださった話が一番印象に残っていて、以後、緊張する相手と電話で話す時には
    必ず足をきちんとそろえて、丹田に手を当てて深呼吸してから話し始めています。
    効果はあるように感じています。
    次回のお話も楽しみにしております。

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