「その1」を読んでいない方は、まず、そちらの記事を先に読んでください。
前回は、回答を先に読まれたくないので具体的な新聞の名前を書いていませんでしたが、読まれた方もいるかもしれませんが、日本経済新聞です。
日経新聞の法律相談のコーナーに、ネットで買った商品に欠陥があった場合の読者からの質問に対する弁護士のアドバイスが掲載されていました。
(引用)日本経済新聞 平成25年4月2日夕刊 法ほーそうですか
今回は、記事の回答を全文引用します。
法律的な解釈が前提になっていますが、現実的に解決に結びつくのか考えてみてください。
この回答に対して感じることがあればコメントしてください。
なお、その3(会員専用)で相談現場を想定した場合の私の考え方について、弁護士の回答と比較しながら書いてみたいと思います。
コメントありがとうございます。
解説の記事で書くつもりですが、私が今回この記事を取り上げたのは、まさにその部分です。
この回答は「弁護士的発想」に基づく回答だと思います。
この回答が間違っているとか批判するつもりはありません。この回答は確かに正解ではありますが、正解ではないともいえます。利害関係者がどの立場にいるのかによって解釈が異なります。
弁護士の立場であればおそらくこのような回答をするのだろうと思います。
弁護士とは、紛争に対して、白黒(勝ち負け)を明確にする仕事ですから、勝つための解釈を考えます。
すると、このような解釈になるは自然でしょう。
しかし、相談現場は白黒をはっきりつけて一刀両断するというより、お互いの主張や見解の相違を仲立ちして、着地点を探してあげるところであり、法律を明確に適用する事案でない消費者トラブルの場合、着地点が、明確に勝ちとか負けとかになるというところではないことが多いです。それが、「あっせん」だと思います。
そのような意味で、視点が違うのは当然のことと思います。もちろん、弁護士が相談現場を熟知している場合は別ですが。
もっと先のことを言えば、消費者センターでも弁護士の助言を受ける制度があるセンターも少なくないと思いますが、現場と乖離した理想的な回答の場合があるかもしれないということを肝に銘じて、あくまでも弁護士の助言はあっせんのための一つの方法としてとらえて、センターとしての回答は相談員がいろんな要素を参考に自分自身で決めるということです。
原則として相談者と出店している個別の店舗との間で解決すべきというのが一般的なのは理解できますが、この事案で『モールの個々の店舗の売上高を示しているに過ぎませんので商品の品質を保証したとまではいえない』から責任を問われないというのは疑問だと思います。
なぜ、ランキングを表示しているのでしょうか。しなくてもいいわけです。それを表示することによって、利用者の注目を集めることは容易に想像がつきます。注目を集めれば購入者も増えるでしょう。そもそも『ランキング上位』という表示は→よく売れている→人気がある→評判が良い→安心だ→『おすすめ商品!』と感覚的に受け取るのが一般的ではないでしょうか。少なくとも『注意を引く』のは間違いがないので、モールの運営業者は店舗の営業に間接的にに関与しているとは言えないでしょうか。商品の品質を保証したわけではないから責任はないと単純に言い切れない気がします。
ぱっと見ただけの印象でコメントしました。よく読みなおすと、変わるかもしれませんがもう寝ることにします。4月は職場の異動があって、実際に相談を受ける人数が半減したこともあり、受けた相談件数が倍でとても疲れました。相談を受ける夢も何度も見てしまい、そんな朝はため息をつきながらの出勤でした。おやすみなさい。