解説 ヤフーのID削除 その1

以前はたびたび寄せられるヤフーのIDの削除に関する相談事例について解説します。
ヤフーオークションが普及してきたころ、「規約違反でヤフーのIDが削除された」という相談があります。
このIDが削除された場合、ヤフーオークションに参加できないだけではなく、多くのトラブルが同時に発生します。
これらのトラブルの原因と対応策について解説します。

ヤフーオークションに参加するためには、ヤフーのIDを取得する必要があります。
当然ながら、メールアドレスの登録が必要になります。
また、決裁のために銀行口座やクレジットカード番号を設定するもあります。
これらを同じヤフーのIDで管理します。
一方、ヤフーのIDを取得すると、ヤフーのIDと同じフリーメールのアドレスを取得することができます。
そして、ヤフーオークションに使用するメールアドレスはなんでもいいのですが、このヤフーのフリーメールアドレスを登録する人も少なくありません。
また、ヤフー以外のフリーアドレスを登録する人もいます。
一般的にフリーメールというのはウェブアドレスであることがほとんどです。

ウェブアドレスとは
一般に、プロバイダーから与えられているメールは、アウトルックエクスプレスやサンダーバードなどのメールソフトを使用して送受信をします。
メールソフトは、専用のソフトをインストールして、そのソフトにIDやパスワードを設定して使用します。
それに対して、ウェブアドレスとは専用のソフトから送受信するのではなく、ネット上のウェブサイトにIDとパスワードを入力して、会員サイトのような状態で、メールの送受信を行います。
最大のメリットは、パソコンさえあれば、外出先でもメールの送受信ができるということです。
デメリットとしては、IDとパスワードの管理が重要です。
当然ながら忘れてしまうとみることはできません。ただし、IDやパスワードを忘れた場合にというヘルプで再設定の方法が示されていますので、想定の範囲内でしょう。

「規約違反によりヤフーオークションのIDが突然削除されたが、規約違反などしていないし、理由をたずねても教えてくれない」という相談があります。
このような相談に対しては、消費者センターは無力です。というよりも、消費者センターの取り扱う案件の範囲外だと思います。
規約違反の理由は、たとえばクレジットカードの申請が通らなかった苦情と同じで、個別の民事的案件に属するので、法的な手続きによる情報開示や異議申し立てを行うことになるからです。
したがって、このことに関して私が解説することはありません。
上手に法律相談など必要な相談機関を紹介することになります。
(「上手に他機関を紹介する」方法については別途解説します。)
ちなみに、そのIDで今まで築きあげてきた評価がなくなってしまい、別のIDでの引き継ぎもできません。
IDの削除はいいから、評価を引き継いで欲しいという要望も多いのですが、規約では不可能です。
それらの問題は切り離し、ここでは、ID削除に関連して発生する問題について解説します。

【解説 ヤフーのID削除 その2】 につづく

(平成22年5月20日 初稿)