裁判所からの特別送達(書留郵便)を放置したら、とんでもないことになります

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消費者と事業者の契約関係がこじれた場合に裁判をするとなると民事訴訟法が適用されることになります。

訴訟も消費者法の一つなんですね。

さて、消費者が裁判をするのではなく、事業者から裁判で訴えられた場合にどうなるのかを、消費者トラブルの一つの例として紹介します。

数年前、架空請求のハガキや郵便が大流行し、被害も大きく社会問題になりました。

「覚えのないものは無視しておく」というのが基本の対応方法でした。

特別送達という裁判所からの書留郵便

しかし、裁判所から「特別送達」という書留郵便がくることがあります。
当事は、裁判所を名乗った架空請求も多かったので、この書留を受け取った消費者は、「また架空請求か、書留というこった手を使いやがって」と思う人もいます。
書留を受け取り拒否すれば、また別のことになりますが、ここでは省略します。

この特別送達で送られる裁判所の書留郵便は、実は本物なんですね。
(ただし、本物を装って、「特別送達」と印刷していることもあるので、ややこしいです)

訴えられる覚えがないと思うかもしれませんが、悪質業者がそれを利用して使うことも考えられます。
ただ、実際に何らかの未払があって、訴えられた可能性もあります。

書いている内容は、「裁判で訴えられたので、答弁書を送ってください、裁判に出廷してください」というようなことが書かれています。

欠席裁判で「認諾」となり、全面敗訴に

で、覚えがないからという理由で、無視して、裁判にいかないと、欠席裁判になります。

欠席裁判になると、相手の言い分を丸々認めたことになります。
これを「認諾」といいます。「認諾」は法律関係の試験に出る用語です。

認諾をするということは全面敗訴の判決になるんですね。
覚えのないものなのに敗訴してしまうのはおかしいですよね。
これを狙う悪質業者もいます。

そして、2週間の控訴期間のうちに控訴しないと、判決が確定します。

判決が確定すると、裁判所による強制執行や差し押さえも可能になります。

ここまでくると、救済措置はなく誰も助けくれません。
覆そうとすれば、再審請求など、お金も手間も必要となります。

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特別送達がきた場合は、無視せず、消費者センターか裁判所に相談してください

特別送達自体が架空請求の可能性もあります。書いている電話番号は悪質業者の可能性があるので、その番号には電話せず、ネットなどで調べた本物の裁判所に電話してください。

参考
名古屋市消費生活センター
http://www.seikatsu.city.nagoya.jp/topics/sosyou.html

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