カンブリア宮殿 (ゲスト ソフトバンク 孫正義)

テレビ東京系列で毎週月曜日22:00~22:54に放送されている超おすすめ番組の「カンブリア宮殿」の7/12・19と2週連続でソフトバンクの孫正義社長がゲスト出演していました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/list/list20100719.html

消費者目線という言葉が何度も出てきました。
新しい携帯端末をつくるに当たっても「つくり手」の都合ではなく、消費者に使い勝手のよい製品にするために、開発の途中で何度も社長自らチェックをする。開発の終盤でチェックしても手遅れになるからである。
また、ツイッターで消費者から電波に関する情報開示などの要望に、すぐに反応しサービスの質を向上させる。

これらのことから、商品に対しての消費者目線やサービスに対しての消費者目線を第一に考えていることは理解できました。
実際にソフトバンクが携帯電話業界にもたらした影響は大きく、料金の引き下げに結びついたり多大な貢献をしてきたと思います。

ここまでしているのに、「何でこうなるの?」と思います。
消費者センターにかかわっている人なら、みんな思っているのではないでしょうか。
そんなに、いい商品やサービスを持っているのに、何でこうなるの?

その要因として私が考えるのは
一番大切な、消費者に対する消費者目線がもてていないのではと思っています。
社長、製品のつくり手、サービス提供などの努力や思いは十分わかります。
社長やつくり手という「川上」のすばらしさが、「川下」、すなわち、店頭販売で消費者に直接相対する販売員とのコミュニケーションという最も大切な部分での消費者目線が欠けているのではと思います。
複雑な料金プランや料金設定などに対して、消費者が十分理解できていないまま契約にいたっているという現実です。
店頭で説明したし同意書もとっているといいますが、それは単に「伝えた」だけであり、実は「伝わっていない」のです。
携帯電話が一部の消費者のアイテムであった時代は終わり、老若男女すべての消費者のアイテムとなりました。
ドコモやauにくらべて、月々割などの割引制度がかなり複雑です。
携帯電話業界はソフトバンクが先陣を切って革命を起こしてきたし、今後もそうなると思いますが、「川下」での対応が今のままであれば残念で仕方がありません。
「仏つくって魂入れず」という言葉に似ているのでしょうか。

今回の放送を見て、孫社長はやはりすばらしい企業家であることは再認識しました。

また、ソフトバンクなど携帯電話の料金プランについては別途解説したいと思います。

嫌われる敬語 好かれるタメ語

話し方研究会 内山辰美
2008年12月4日発行
中経出版
1300円
ISBN978-4-8061-3219-6

相談対応における重要な要素の一つに「話し方」があります。
「話し方」の大切さについては、スキルアップ講座でも解説する予定です。

この本のサブタイトルに、
『話し方で、損をしていませんか?
「正しい敬語」を使うのは、必要であっても、絶対ではありません』
と書かれています。

私も敬語を使うというよりも、対等な話し方をフランクにすることが多いです。
話し方はTPOに応じて使い分けるのが大事です。

冒頭の「はじめに」でこの本の目的が書かれています。
簡単にまとめると
『世の中には正しい敬語を使用しているのに敬遠され嫌われる人がいる反面、少々間違っていても親しみのこもった「くだけた」話し方をして好感をもたれる人もいる。
それらを踏まえ、この本では、
「敬語」・・・過剰に使えば、冷たい印象を与え、人に嫌われる言葉
「タメ語」・・・(上手に使えば)気持ちを率直に表現でき、人に好かれる言葉
と定義し、様々な場面において解説する。』

さて、この本の活用方法ですが、4章で構成され、それぞれにシチュエーションに応じたじれが紹介されています。
その事例には、「嫌われる敬語」と「好かれるタメ語」の2通りの回答例と解説が示されています。
みなさんが日常的に使用している話し方が、どちらに近いのだろうかと考えながら読みすすめるといいと思います。

第1章 過剰で嫌われる敬語、なぜか好かれるタメ語(7事例)
第2章 上司から敬遠される敬語、懐に入り込むタメ語(7事例)
第3章 お客様が離れていく敬語、ガッチリつかまえるタメ語(7事例)
第4章 日常生活で嫌がられる敬語、好印象を与えるタメ語(6事例)

おすすめ度・・・普通の相談員であれば、1回読めば理解できると思いますので、「1回読んだらOK」です。

嫌われる敬語好かれるタメ語 価格:1,365円

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相談対応の醍醐味は契約よりも商品

消費者センターへの相談内容は大きく分けて
契約に関すること
商品に関すること
の2つに分けられると思います。

商品の苦情、たとえばクリーニングや電気製品などの相談を受けたときに、
「あー、いやだな。ややこしそう。」
と思ったことはありませんか。

そのとおりですね。
商品の相談というのは確かに難しいと思います。
なぜでしょうか?

契約に関する相談というのは、
解約したいなど、目標が単純です。
基本的に法律に基づいており、それに従っているかどうか、また正しく解釈しているか、などを照らし合わせることになり、答えが決まっていて、流れが一本です
困ることはといえば、「言った」「言わない」ぐらいですね(この「言った」「言わない」の対応も難しいといえば難しいです。)

それに対して、「商品」に関する相談というのは、
欠陥クレームであったり、品質クレームであったり、製品事故であったり、正義を訴えるものであったり、します。
また、消費者の要望も、交換、返品、無償修理、原因究明、製品改良など多様です。
つまり、契約のように流れが一本ではなく、多くの選択肢があるのです。
当然ながら、その選択肢ごとに対応も変わっていきますし、消費者センターとして、単なる交渉か、商品テストが必要か、緊急対応か、などの要素も加味する必要があります。
また、商品に関する最新の知識も持ち合わせていなければなりません。

それだけに、相談員の柔軟な対応能力のスキルが如実にあらわれます。
商品に関する相談に上手く対応できてこそ一人前の相談員です。
契約に関する相談では、どの相談員が対応しても基本的には同じ答えになります。
しかし、商品に関する相談では、相談員により、解決したとしても同じ答えになるとは限りません。

特に、いろいろな対応方法があるからこそ、論理的に考える能力が必要となります。

本講座では、「コミュニケーション能力」と同じぐらいに重要な「論理的な考え方(ロジカルシンキング)」につ いても解説していきたいと思います。
「スキル=技術」はその気になれば訓練により必ず身につけることができます。だから、「技術」というのです。

商品に関するの相談ほど、相談員としての醍醐味を感じるのことができるのではないでしょうか。

(平成22年7月19日 初稿)