もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら(ダイヤモンド社)

5/27の23時17分からのビーバップというテレビ朝日系の番組で、表記の本が取り上げられました。
作者をゲストに、この本の内容をドラマ仕立てにして再現し、やさしく理解しようという趣旨です。
なかなか、分かりやすくてよかったです。

さて、相談員のみなさまが偶然にも番組を見たり、番組欄を見ていたりした場合に、「あれ、このタイトル、なんだか覚えがあるぞ」と思われた方はOKです。
4/16の日経MJで「1~3月ヒット商品」について記事を書いたときに、取り上げた本です。
記憶に残っているということが相談員にとっては重要なことです。
興味を持てば調べて詳しく知ったらいいだけですし、聞かれた場合にも、そういえば、で思い出して調べてもらえばいいです。
何もわからない状態というのがよくないです。
広く深く(浅く)、物事を知っておくためには、記憶の片隅が重要です。
また、この本は結構売れており、ビジネス書の売り上げベスト10内に毎週のように新聞に載っていますし、メジャーな新聞の書評にも何度か登場しています。
だんだんと、身近に感じてきたら、いい傾向です。

さて、この本の内容なんですが、表紙が漫画チックですがビジネス書です。
高校の野球部のマネージャーをやっている友人が入院し、代わりにマネージャーをすることになった主人公が、マネージャーの勉強をするために、書店で「ドラッカーのマネジメント」を買ってしまった、というところから始まります。

結局、もしドラは3回以上読んでマーカーだらけになりました。
(マネジメントも読みました)
相談員にとって学ぶべきところはいくつかありますが、特に92ページから93ページにかけての「専門家」のところだと思います。
私なりに解釈すれば、
相談員はまぎれもなく「専門家」であり、「専門家」でありながら、相談者に対しては「専門家である相談員のアウトプットを相談者向けの分かりやすい言葉に直してあげるマネジャーの能力が必要である」
という風に考えています。
それをしっかり自覚してほしいものです。
本の内容の評価については別として、「気付き」を感じるきっかけにはなると思います。

詳しく知りたい方は、立ち読みする、図書館で読む、買って読むなど、選択してください。
ちなみに、楽天とアマゾンのリンクを貼っておきますので参考にしてください。
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3D映画

4月19日の日経産業新聞に「3D映画 旋風到来」という記事が掲載されていました。
3D映画とは、日経MJの記事のときにも書いた「アバター」のことです。
現在は第2弾として「アリス・イン・ワンダーランド」が公開されており、アバターをしのぐ勢いだそうです。
その特集記事の中に、アメリカの映画館の一部でこれを商機とみて3D映画を値上げする動きがあるそうです。
ニューヨークのある映画館では大人料金が2ドル値上げして約19.50ドルになったとのことです。
しかし、子供向けの3D映画の興行成績が予測を下回っているそうです。
冷や水を浴びせねないととしています。

日本だったらどうなるのでしょうね。
もし、値上げとなれば、消費者センターでも苦情を受けるかもしれませんね。
適切な苦情窓口を紹介したり、センターから申し出たりするのが、本筋でしょうね。
それもひとつの方法ですが、やはり、その場で解決する道を選ぶほうがよりよい選択だと思います。

ポイントとしては、価値観の問題でしょう。
値上げを受け入れてまでも見る価値があるのかどうか。
普通の映画と違って3D映画にその価値があるのか。
たとえばディズニーランドがさらに内容を充実させるために値上げをしたとしたら、どのような反応でしょうか。

そこで実体験がものを言うのです。
これは、相談員に必要な知識でもお話したところです。
もし、「アバター」や「アリス・イン・ワンダーランド」を3D映画で見たことがあり、すばらしく感じたなら、そのことを話してみてください。
お互いの実体験を通して共感を得ることができるかもしれません。
そんな対応を目指すという方法もあります。
逆に面白くなければ、それも同様です。
相談員と消費者という関係から、共感を経て、1人の人間と1人の人間としてコミュニケートしステップアップする。
それも素敵な関係じゃないでしょうか。

しかし、実体験がなければ、さらに、3D映画自体知っていなければ、相談員と消費者とは平行状態のままです。
結局、どこかを紹介することになるでしょう。
そのこと自体が苦情になったりします。

スマートな相談対応をしたいですね。

(平成22年4月20日 初稿)

日経MJ(2010/4/14) その2

問題の「ラー油」ですが、これは消費者センターにも苦情がきても不思議でない事例だと思います。
同様な事例は過去にもあるし、これからもあると思われるパターン事例です。
パターンを押さえていれば、同様事例には同じように対応すればいいです。

さて、どのような形で相談がくると思いますか?
いろんなパターンが想像できると思いますので、みなさんで考えてください。

対応のポイントは
1.ラー油はブームになって入手困難。
2.ネットオークションで高値で取引されている。
3.抱き合わせ販売もみうけられる。

これらの3点を押さえておくことです。

そして、消費者の不満を受け入れ、共感してあげることで、気持ちをおさめてもらうことを目指します。
上手にお話できれば納得してもらえる可能性は高いと思います。
もちろん、この「ラー油」について具体的にブームの内容や食品の中身などについて知っていれば文句なし、というところですが、知らなくてもパターンで対応できます。

しかし、このラー油ブームについて、相談員が知らなければ、話がかみ合わず、何度も聞き返し、メーカーや公取や販売店に電話し、...、と想像するだけで無駄な労力を使いそうです。
正論で対応する相談ではないと思います。
どちらかというと、話をよく聴いてあげることで、納得し、終了とする事例です。
継続相談にしてしまったのなら、対応した経過を振り返ってください。

もちろん、ラー油ブームについて十分な知識があれば、きちんと対応できるというわけではなく、「消費者の不満を受け入れて共感してあげることで、気持ちはおさまる」ということを実践できるコミュニケーション力が必要です

具体的に、どのようなやり取りがあり、どのように対応したらいいのか、ロールプレイングとして、いろいろなパターンを想定しながら、コミュニケーションの実践講座ということで、講習会で一緒に実践できればいいなあと思います。

(平成22年4月17日 初稿)