REPORT JARO 2011年12月号

「REPORT JARO」は公益社団法人 日本広告審査機構が毎月発行している企業向けの情報誌です。
日本広告審査機構
http://www.jaro.or.jp/
企業向け情報>刊行物「REPORT JARO」
http://www.jaro.or.jp/kigyou/report_jaro/index.html

12月号から気になる記事を紹介したいと思います。
詳細は情報誌をご覧ください

①バナーの飛び先も広告と認識し対応
・10月に開催された広告研究セミナーからヤフーの担当者の話をまとめています。
・ヤフーオークションの偽ID、不正アクセス、本人確認、盗品流通、偽ブランド品などの不正対策について
・インターネット広告推進協議会の基準ではでは、バナー広告の場合にバナー上の表示を広告としているが、ヤフーではバナーから飛んだ先も広告と考えて、飛び先のHPが広告・表示規制に違反していれば掲載を断っている。

②東京都のインターネット広告指導を聞
「広告・表示の合理的根拠の確認を要請」
・表示の合理的根拠を求めると、事業者は根拠を持っていなかったり見当違いの資料を根拠としている
・合理的根拠とは客観的に実証された内容のもので
(1)学会または産業界で一般的に認められた試験・調査によって得られた結果
(2)専門家・専門家団体、もしくは専門機関の見解または学術文献があるもの
のいずれかに該当するものを指す
・自社試験でも客観的試験であれば表示可能だが、「学会で発表された」のみでは誰でも発表自体はできるので根拠にならない
・体験談を収集した調査結果を根拠とする場合は、無作為抽出法で相当数のサンプルを出して作為が生じないようにしたものならば、ある程度客観的根拠と認められるが、体験談を積極的に送付してくる利用者の感想だけでは偏りがあるので客観的なものとはいえない
※赤字にした2点が現実に問題となっているところですね。効果・効能について大学教授が学会に発表したことを根拠にしている健康食品がありますが、それがどれぐらい客観的に認められたものであるかとなると判断が難しいかもしれませんね。大学教授は有効性を明言しているし、事業者はそれを根拠に回答してくるし、結局は公取や薬事関係に照会しなければ判断できないというところでしょうね。照会しても判断してくれないことも多いかもしれません。そして、体験談です。新聞の折込チラシや雑誌の広告には体験談だらけで、「さくら」も問題になったことがあります。いずれも、問題点ははっきりしているのに、具体的な行政対応が1センターでは難しいというのが現実ですね。

③JARO Q&A
無料登録サイトと会員を対象にした懸賞はオープン懸賞か?
→オープン懸賞である。一般懸賞は取引付随性がある場合に該当するが、会員対象の場合に会員になること自体は無料であるので取引付随性があるとはいえずオープン懸賞である。消費者庁HPの景品表示法の質問コーナーにも説明があり、サイト側が消費者のメールアドレス、その他個人情報を取得したとしても、その懸賞終了まで何ら費用が発生しない限り取引付随性ではなくオープン懸賞とみなされる。

消費者情報 2011年12月号 (関西消費者協会)

①特集「消費者教育のススメ」

「社会を変える私になる」消費者教育
私の考える消費者教育
相談現場の消費者教育
社会全体の連携が不可欠
幼い頃から生きる力を
「消費者教育推進会議の中間整理」から考える日本の消費者教育
消費者教育の現場では
【中学校】中学校技術・家庭科における消費者教育の授業づくり
【中学校】「消費税アップ」と「TPP参加」の是非を問う
【高等学校】「高校生による消費者教育」―ポスター展示啓発活動
【大学】はじまりは消費者であることの自覚から
【出前講座】対象者に合わせた消費者教育の推進
【地域での啓発】見て楽しく、わかりやすく―地域の啓発活動のかたち
「消費者教育推進法」制定に向けて
スペインでみた消費者教育の現場から

※今月号は消費者教育に関する多種多様な取り組みや考え方が特集されています。
消費者教育や啓発にはかなりの努力が注がれています。にもかかわらず、消費者被害が減っていないのが現状です。昔と違い、現代は情報があふれています。必要な情報はネットで簡単に知ることができます。私は、消費者問題への無知・無関心が問題ではないかと思っています。関心を持つことが一番大切です。関心を持てば真実を知りたい気持ちになり、積極的な行動に移せます。学校などで消費者問題に関心を持たせるような教育や啓発をしてほしいと思います。

②多重債務キャラバントーク ワタシのミカタ
「相続放棄手続を周知することの重要性」
・相続を発端に多重債務になってしまうケースが非常に多い
・原因として、(1)債務も相続の対象であることを知らない、(2)相続放棄の申述は家庭裁判所で行う必要があることを知らない、の2つに分類される。
・仙台から相続してしまった債務を支払えなくて破産せざるをえない相談者が数多くいる
・相続放棄手続に関して正確な知識を普及啓発していくことが重要
※そのとおりです。借金の相続放棄は可能であることは知っていますが、この世界にいなければ知らなかったと思います。さらに、その先の手続はあまり知られていないのではないでしょうか。手続は3ヶ月以内です。多重債務啓発のすき間案件かもしれませんね。啓発の必要性を再認識しました。
【参考】裁判所HP
相続の放棄の申述
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_06_13.html

リンクはこちらです
関西消費者協会 http://kanshokyo.jp/hp/
消費者情報 2011年12月号

月刊 国民生活 2011年12月号

①特集 震災から学ぶ そのとき起こる消費生活トラブル
・震災と消費生活トラブル-「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報-
・「震災に関連する悪質商法110番」-被災地の消費生活相談の傾向-
・住居をめぐるトラブル
 (1)住宅の損壊・修繕
 (2)不動産賃借・住宅ローン
・損害保険における相談と注意点
※震災に関する情報はみなさまも十分にご存知だと思います。
被災地の復興と被災者の支援については国をあげて取り組んでいかなければならないというのは共通の認識だと思います。ただし、気になることがあるのでコメントしておきます。
復興のためには税金が投入されます。その中でも個人の住宅ローン、いわゆる二重ローン問題を解消するために債務免除を受ける仕組みが作られます。債務の免除は銀行がすべて放棄するのであれば銀行の不良債権のような扱いになると思いますが、そこに税金が投入されるとなると不公平感が出てくるのではないかと思います。つまり、個人の借金の返済を国民が納める税金から出されていることになるということです。私は自分が納めた税金で被災者や被災地を支援することには賛成ですが、被災地や被災者は国が支援して当たり前だというのではなく、国が支援すること=国民全員が支援していることを認識しておいてほしいのです。日本は赤字大国になっています。税金は広く国民のために活用しなければならない厳しい現状の中で被災地にかなりの税金を投入することは日本の将来に大きな影響を及ぼします。感情論としては復興を支援すべきですが、税金投入という事実を考えるとこれでいいのだろうかと思ってしまいます。阪神大震災の影響で兵庫県や神戸市は今もなお苦しんでいるようです。この先の被災地や日本を考えると非常に不安を感じます。地方消費者行政への金銭的な支援も継続は難しいと思いますし、基金の一部を放射能の検査機器の購入に回すなどの影響も受けています。税金の使われ方に無関心な国民にもっと関心を向けてほしいですね(そういう意味でも事業仕分けは結果は別として、税金の使われ方に関心を持ってもらうという効果があったと思います)。

②誌上法学講座 消費者契約法
※今月号から消費者契約法についてのシリーズが始まります。
法律の解説を読むのは集中力が必要でしんどいですが、いまいちど基本に立ち帰り勉強してみることも大切です。

③事例で学ぶインターネット取引
ネット通販と返品
・苦情の多いインターネット取引について事例を挙げながら、ECネットワークの原田さんが4回にわたり解説します。
※相談現場でネット取引に関する相談を受けるときに大切なことは、どんな取引が行われたのかを相談員自身が理解することです。特に電話相談では相談者がどんな取引をしてどんなトラブルがあってどうしてほしいのかをうまく伝えることができません。相談員として上手く聞きだして整理し理解していれば、その時点で解決の道筋が見えてくるのではないかと思います。ただし、この理解するというのが大変な作業ですけどね。