解説 ドロップシッピング その3

①ドロップシッピングとは何か、アフィリエイトとはどう違うのか (その2)

「ドロップシッピングは儲かるのか」

アフィリエイトの報酬は1%程度のものが多く、たとえば10000円の商品をアフィリエイト経由で売り上げた場合は100円の報酬が入ることになります。
それに対して、ドロップシッピングでは販売価格を自由に設定することができますので、同じ商品を9000円で仕入れて利益を1000円上乗せして10000円で販売すると報酬は1000円となり、単純比較ではアフィリエイトの10倍の儲けが出ることになります。
この仕組みは、実店舗でも同じといえるでしょう。
アフィリエイトでもドロップシッピングでも実店舗でも、売上が増えれば増えるほど利益も増えるというのが基本原則です。

ところが、実際にはほとんどが儲かりません。
なぜでしょうか?

簡単な理由です。
売上が増えないのです。
(売上が全くないというのが多いかもしれません)
売上が増えないのであれば、「売上が増えれば増えるほど」という前提条件がなくなるので当然といえば当然です。
それは実店舗にもいえます。
実店舗では、広告をしたり、商品の品揃えを換えたり、価格を安くしたり、集客と売り上げ増のための企業努力をします。
その結果、経営が順調になり、「勝ち組」の方向へ進んでいくのです。

ドロップシッピングでもアフィリエイトでも同様です。
集客や売り上げ増加のための企業努力をすれば、利益も上がるのです。
しかし、ショップ開設のハードルが低い分、相応の努力が必要です。
そういう「努力」なしに成功するはずがありません。
これは、お金儲けのあらゆることの共通原則です。
当然ながら、ドロップシッピングやアフィリエイトで何百万・何千万の収益を上げるなど成功している人もいます。

私も別サイトでブログを管理し、アフィリエイトをやっているのですが、1ヶ月に10円も満たないことが多いです。
ただし、アフィリエイトは目的ではなくおまけでやっているので仕方がありませんが、1日に100人程度の訪問者もあり、工夫した結果、最近は数百円になることもあります。
もし、アフィリエイト目的に特化すれば、もっと報酬が上がるのではないかと実感はしています。
しかし、それに手間隙かける余裕はありませんので、おまけ程度です。
ただし、確かに、本気で取り組めば、そこそこできるかもしれないという実感はしております。

もうひとつ、儲からない原因としては、実は商品を仕入れる場合でも仕入れ値が本当に安いとは限らないのです。
メーカーから直接取引して購入するのではないので、中間マージンが発生します。
そうすると、仕入れた価格に自分で利益を上乗せした場合に、どう考えても、高い価格になってしまいます。
さらに、ネットではいろんなショップの価格比較が可能ですので、中間マージンがない業者の販売価格に太刀打ちできず、たとえ、検索されて購入ショップの候補に挙がったとしても選ばれることはないのです。
同じようにドロップシッピングしているショップと対抗する必要もあります。
極端な話、仕入先のベンダーが直接一般向けの販売もやっていたらどうなるでしょうか?

そこで、ショップとして経営努力のひとつとして、価格を引き下げます。
1000円の利益のところ100円の利益にします。
すると売上が上がるかもしれません。
しかし、これでは、アフィリエイトと同じぐらいの利益になってしまいます。
収入は同じなのに、売主としての責任がのしかかってきます。
割に合わないですね。
ドロップシッピングの最大のうまみは「自由に価格を設定できる」というはずなのに、現実には競争という名のもと、自由にはできなくなってしまうのです。

また、ほかに集客のための「経営努力」があり、ネットショップでは検索されたときに自分のショップが上位に表示される「SEO対策」があります。
「SEO対策」は②で説明しますが、自分で対策できればいいのですが、素人がやって上手くいくとは限らず、外注すると経費が発生します。その結果、ショップを見てもらう機会が増えるかもしれませんが、売上が増加するとは限りません。
また、同じような手段として「広告」をする方法もあります。
いわゆるバナー広告などです。
当然経費がかかります。
アフィリエイトより儲けたいと思いドロップシッピングをしたのに、儲けるために自分がアフィリエイト広告をお金を出してするというのは本末転倒でしょう。

とはいえ、ドロップシッピングが始まったころは、安売りせずとも十分に売上が出たのです。
しかし、数年経過し、誰もが同じことを考えた結果、さきほどの状況になってしまい、ドロップシッピングのうまみは少なくなってしまいました。

「ドロップシッピングは努力をすれば儲かる可能性がある」
というのを
「ドロップシッピングであれば簡単に誰でも儲かる」
として、ドロップシッピング商法が誕生したのです。
これについては③で解説したいと思います。

相談員として、まずアフィリエイトとドロップシッピングは全く違うものであるという知識を持っておけば、なぜ、これがドロップシッピング商法とう悪質商法を生み出されたのか理解することができると思います。
(アフィリエイトも情報商材で利用されることがあるのですが、それは情報商材で解説したいと思います)

(平成22年8月26日 初稿)