PL訴訟 その1
3月にビアンキ社製のクロスバイク(自転車)を走行中に転倒した事故についての判決があり、新聞各社でも報道されていました。
また、「ニッポン消費者新聞(平成25年4月1日号)」(http://www.jc-press.com/news/201303/032702.htm)にも、このPL訴訟についての解説記事が掲載されていました。
今後、消費者関連の雑誌等でも解説されるかもしれません。
改めて読んでみると、この判決の中には消費者センターに相談がある製品事故のあっせんに必要なエッセンスがたくさん盛り込まれています。
とても勉強になりますので、現場でどのように応用できるかということを簡単に紹介したいと思います。
なお、当該訴訟についての解説や判決文は、各自で読んでおいてください。
特に、担当弁護士のサイトで詳しく解説されています。
【ポイント1】
まず、今回の事件では利害関係者がたくさん出てきて、責任の所在が不明確です。ネットの掲示板等でも議論されていたようですが、製造物責任法を見れば、第一の責任は輸入事業者にあるということは分かると思いますし、この訴訟も輸入事業者を相手に裁判を起こしています。
輸入品に関してのPLについてはジェトロのサイトで詳しく解説されています。
この解説も非常に勉強になります。
JETRO日本貿易振興機構(ジェトロ)
http://www.jetro.go.jp/indexj.html
HOME>海外ビジネス情報>国・地域別情報>貿易・投資相談Q&A>基本的な貿易制度に関するQ&A>輸入品の品質欠陥に起因する人的・財的損害が発生した際の製造物責任者
http://www.jetro.go.jp/world/qa/t_basic/04A-000917
まず、ここでしっかり学んでほしいことは、責任の所在がまずどこにあるのか?事故の苦情を申し入れるところはどこか?ということです。
入口を間違えてしまうと、消費者センターが攻撃されかねません。
分かりやすい例を出すと
NTTドコモが発売したシャープ製の携帯電話の苦情の申し入れ先は、シャープではなくてNTTドコモです。
様々な部品メーカーの部品で組み立てられているトヨタの自動車の申し入れ先は、部品メーカーではなくトヨタです。
OEMメーカーに依頼して製造したセブンプレミアム商品の申し入れ先はOEMメーカではありません。
少し応用すると、クリーニング事故が発生した場合はクリーニング賠償基準によると、まず、クリーニング店が対応することになっています。
この入口部分が消費者の主張とは異なることが多いので相談員として注意が必要です。
特に携帯電話は相談者が製造メーカーが悪いと主張することが多く、ネットの書き込みでも製造メーカーが悪いと書かれていることが多いです。
それを真に受けて、製造メーカーに直接電話してはいけません。必ず発売元の携帯電話会社に申し出てください。
このことは必ずしも消費者の常識ではありませんが、私たちの世界の常識です。
まず、判決の内容とは別の前提条件のポイントの確認です。
(続く)