仕組み債の広告

仕組み債といえば、リーマンショック後の日経平均株価の下落で、多くのノックインが発生し、損失が問題となったことを思い出します。
新生銀行からメールで仕組み債の案内がありました。
株価が堅調な今、再び、ハイリスク金融商品が全面に立ってくるのかもしれませんね。
今回の案内のあった商品について紹介します。

神戸フィナンシャルセンターより 新生銀行の店頭で人気の債券(仕組債)のご案内です!このメールからすぐ資料請求いただけます。

判断の指標となるものは、「日経平均株価」と「ブラジルレアル円為替レート」の2つです。日経平均株価は分かるとして、ブラジル通貨の為替レートって何?という感じですね。ブラジル為替について詳しく知っている消費者は皆無に近いと思います。「店頭で人気って」なんともいえませんね。
それでは、メール本文を抜粋してコメントします。背景水色がポイントで、赤字が私のコメントです。

また、今回の記事はこの消費の良し悪しを判断するもではなく、この商品を理解できるかどうかを消費者の視点で考察したものであることを、ご了解ください。

平素より新生銀行をご利用いただき、誠にありがとうございます。
新生銀行の店頭で人気の債券(仕組債)のご案内です。
利率は高いし、興味はあるけど、仕組みがわかりにくいから・・・というお客さまには、【資料請求ボタン】よりご依頼をいただきますと、このたびご案内の銘柄の詳しい資料に加えて、仕組債の魅力や仕組みを簡単に解説しました「はじめませんか仕組債」パンフレットをお送りします。

今ならキャンペーン実施中!!
キャンペーン期間中、店頭窓口にてキャンペーン対象商品を1回のお取引で合計500万円以上お申し込みいただいたお客さまに、お取引完了時にお取引商品・お取引金額に応じてギフト券をプレゼントいたします。

「店頭で人気の債権(仕組債)」と書いている時点で商品の内容は分からないまま、メリットが強調されていきます。

具体的な商品の説明は以下です

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「日経平均株価とブラジルレアル円為替レートともに半値以下にはならないとお考えなら」→要はノックイン(半値以下になること)の条件ですね。
日経平均が半値以下がどれほどのものかは、経済を少しかじっていれば消費者のほとんどが理解できると思います。たとえば、15000円だったら、半値は7500円。日経平均が7500円を割るかどうか?は想像しやすいです。一方、ブラジルレアル通貨はまったく分かりません。ドルやユーロだったら分かると思います。しかし、それだったら高利回りの商品にならないのですね。経済不安で変動が大きいブラジル通貨だからこそ、5.5%という高利回りが実現します。
⇒これが、消費者が良く知らない商品を買ってしまうことにつながります。知らないというのがダブルで存在し、一つは「仕組債」、もう一つは「ブラジルレアル」です。
銀行は仕組債を売れば手数料が入るので営業に必死でしょう。私も店頭でついでにさまざまな投資信託について説明され、すばらしい商品に思えてしまいます。
日本人はすぐに信用する傾向がありますし、高齢者など店頭で銀行員に親切丁寧に説明されると契約してしまいますね。
しかも、最低500万円必要です。
銀行のHPには為替レートのグラフなどがより詳しく説明されていますが、なかなか理解は難しいです。
http://www.shinseibank.com/powerflex/bond/pdf/power_return_1408_brl_dg.pdf

もうひとつ、「以降6ヵ月毎変動利率  年率 5.50%(税引前)  または  年率 1.00%(税引前)」も難しいです。
6ヶ月ごとに5.5%か1%か判定されるようですが、天と地ほどの利率の違いです。その判定は「利率判定株価・為替レート」が別にあって、行使株価・レートの85%だそうです。
私にも理解できません。

高齢者が今回の商品を購入したのであれば、「理解していないまま購入した」可能性も高いような気がしますし、一般の消費者も理解していない可能性は高いです。

次に、仕組債について説明があります。難しいです。そうそう理解できません。

仕組債とは
仕組債は、デリバティブ取引などを組み合わせた債券です。一般的な債券と異なる仕組やリスクがありますが、元本やクーポン(利金)の支払いに、株価指数や為替レートなどの金融指標の変化による条件が付加されることによって、それらの条件のない債券よりも高い利回りが期待できます。
新生銀行では、金融商品仲介業として、店頭で仕組債をお取り扱いしております。新生銀行の金融商品仲介業は、新生証券を委託元としており、お客さまのお取引相手は新生証券となります。

リスクについても書かれています。
キャンペーン対象商品は、預金でなく預金保険の対象とならないものがあります。また、元本割れのリスクや手数料等のご注意点があります(例えば投資信託の販売手数料は申込代金の税込最大3.24%など)。中には、デリバティブ取引に類するリスク特性をもった複雑な商品も含まれており、お客さまの年齢等により詳細なご説明や契約をお断りする場合があります。お申し込みにあたっては注意喚起文書や契約締結前交付書面、目論見書等を必ずご確認いただき各商品のリスクにつき十分ご理解のうえご自身の判断と責任でお願いします。商品説明書はインターネット・店頭にご用意しています。

「複雑な仕組債」は、デリバティブ取引に類するリスク特性をもった複雑な金融商品です。お客さまの年齢等により詳細な説明や契約をお断りする場合がありますのであらかじめご了承ください。

そのほかの注意点も書かれています。
【金融商品仲介におけるお取引にかかる留意点】
新生銀行(販売取扱登録金融機関・売出取扱人)は新生証券(委託金融商品取引業者・売出人)の委託を受けて金融商品仲介を行うものであり、本債券のお取引は新生証券とのお取引になります。新生銀行はご注文のお申込みを新生証券に取次ぎ、新生証券が受注・執行を行います。新生証券と新生銀行は別法人です。

本商品は金融債(リッチョーワイド・財形債)ではありません。

金融商品取引および金融商品仲介サービス(新生証券)について
– 有価証券は銀行の預金ではありません。
– 有価証券は預金保険の対象ではありません。
– 有価証券は元本保証または利回り保証のいずれもなく価格変動リスクがあります。
– 投資した資産価値の減少を含むリスクは、有価証券をご購入のお客さまが負うことになります。
– 有価証券には、発行会社の信用リスクが存在します。
– 流通性の低い有価証券は価格変動が大きくなったり、売買ができない場合もあります。
– 新生銀行は、新生証券を委託金融商品取引業者とし、有価証券の売買の媒介を金融商品仲介業務として行います。
– 証券口座開設とは、新生証券に「証券口座」を開設することをいいます。
– 証券口座開設の受付は新生証券所定の条件を満たすお客さまに限らせていただきます。詳しくは店頭にお問い合わせください。
– 証券口座開設後の株式売買等の金融商品取引はすべて、新生証券とのお取引になります。新生銀行は、注文の申し込みを受け付け、新生証券が受注・執行を行います。
– 新生銀行が金融商品仲介業務として行う本金融商品取引サービスには、手数料等がかかる場合があります。手数料等は商品・銘柄・取引金額・取引方法等により異なり多岐にわたるため、具体的な金額または計算方法を記載することができません。また、新生証券のみでのお取扱い内容・手数料体系等とは異なります。

金融商品のご契約の前に、お客さまの投資の目的、資金の性格、投資のご経験などをお伺いいたします。その内容やお客さまの知識・投資経験などによっては、金融商品取引法等の法令の趣旨に則り、その場で契約申し込みの受付を行わず、より十分なご検討をお願いする場合や、当該金融商品のご利用をお断りする場合などもあります。あらかじめご理解・ご了承くださいますようお願い申し上げます。

どうでしょうか。理解できそうでしょうか。仕組債というのは、ノックインしないことを前提にしています。確かに日経平均がこの5年で半値になるとは思えません。というのが罠かもしれませんね。個人的にはリスクをとることはかまわないのですが、販売手数料が必要なことが自分の判断基準として一番納得できません。買った時点で3%以上の手数料を銀行に取られます。それで5.5%の商品ですから、8.5%の利回りでなければなりませんね。そんな高利な商品って、よほどのハイリスク商品のような気がします。それなら、株の手数料はきわめて安い時代ですので、株式のほうがいいような気がします。まあ、投資商品は自分の法人が儲かって仕方がないときに買おうと思いますが、そんな日が来るのか分かりません。

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