ジャドマニューズ 2014年4月号

各センターにも冊子で送付されている「ジャドマニューズ」ですが、「通販110番」という記事が相談現場でも役に立つので毎号紹介します。
少し事業者目線の回答であったりしますので、消費者センター的な立場での考え方に置き換えたりもします。
また、最後のほうに「裏話」的な記事が連載されており、とても勉強になります。
なかなか毎号冊子を読む機会がないかもしれないので、この記事を活用してください。

※通販系のトラブルはジャドマの通販110番を消費者に紹介することも多いと思います。電話だけでなくメールでの相談も受け付けています。
困難事例で通販110番を紹介するポイントについてはオープンでは書きにくいので会員用に書きたいと思います。

JADMA日本通信販売協会
http://www.jadma.org/

通販110番について

通信販売に関する消費者からの相談受付機関として、協会に消費者相談室「通販110番」を設置し、消費生活アドバイザーの資格を有する相談員が、年間約6,000件の相談に対処しています。
また、「通販110番」や消費者センターに寄せられた苦情について、解決策を協議し、会員へフィードバックしています。
通販110番 消費者相談窓口 電話番号:03-5651-1122
月~金曜日 午前10~12時,午後1~4時(年末・年始、祝・祭日除く)

※メール相談も可能です


「ジャドマニューズ」の最新号・バックナンバーは、HPで閲覧できます。(毎月15日発行)
2014年4月号
http://www.jadma.org/pdf/news/2014_4.pdf
ジャドマニューズ
http://www.jadma.org/jadma_news/index.html

①特集 変化するシニアマーケット
この特集を読んでいろいろ考えさせれました。
ネット通販は若者世代のもという考えがありますが、実はシニア世代にも普及してくるというのです。
ネット普及率8割の団塊世代が高齢者になると、何がおこるか。
寝たきりになっても、タブレットPCでネット通販をする、など。
(「年齢階層別インターネット利用率の推移」のグラフを参照)

消費者センターにはネット通販に関する相談が増えていますが、10年後、20年後の消費行動を考えると、たとえばネット通販で問題のある商品だった場合にセンターに持ってきてもらうことが難しい高齢者もいると思います。電話でしかヒアリングできないとすれば、商品や契約書を前に議論したり、事業者にその場で電話することができなくなったり、1回あたりの相談対応時間が長くなる可能性があります。また、電話でのみあっせんしなければならなくなると、コミュニケーションスキルもより必要になります。また、携帯電話だと電話代が高額になりセンターの予算や消費者の家計を圧迫するかもしれません。
センターへの高齢者の相談割合は増加しており、これまでと違った相談対応の形が必要になってくるかもしれません。もしかすると、寝たきりの元気な高齢者の相談が増えてくるかもしれないし、病院から電話できないなら、相談員が訪問していかなければならないような変化があるかもしれません。
今でも、連絡が途絶えた高齢者と連絡が取れたときに入院してましたということがありますよね。

この特集は近い将来の相談対応の形が変わるかもしれない予兆が書かれていますので、ぜひ一度読んでみてください。

②通販110番
消費者相談編
定期購入の途中解約について
1回の注文で、定期的に商品を届ける「定期購入契約」では、割引価格が設定されていることが多く、お得ですが、途中解約する場合、契約条件が分かりにくかったために、トラブルになるケースが見受けられます。

事例

「途中解約だから」と高額な差額を請求されている
サプリメントのネット通販で「毎月お届け、2ヶ月毎お届け、3ヶ月毎お届け、12ヶ月毎お届け」があり、一番割安な12ヶ月を選んだ。次の12か月分を発送するというメールがきたが、やめるとの連絡をすると、12ヶ月購入を3回以上購入しなければならず、中途解約の差額1万円を請求された。3回というのは3ヶ月と思っていた。高額な差額は納得できない。

→差額の計算方法を事業者に確認後、相談者に説明
相談室から事業者に「相談者が3回以上を3ヶ月以上と誤解したので、差額が少なくなる工夫を」と申し出たが、3回(3年)購入するか、差額の1万円払うかという回答は変わらなかった。
「3年という購入期間は非常に長い。また、購入回数だけでなく、購入期間も併記するなど、分かりやすい表示が必要だ。さらに、途中解約を受けるのであれば、併せて清算金額の表示も必要である」と会社に広告表示の検討を依頼した。
相談者は「注文時に説明をよく読まなかったので、差額を支払わないと仕方ないですね」と、渋々ながらも受け入れた。

※はしょって概要を抜粋したのですが、消費者センターにもありがちな相談ですね。もしかすると、通販110番とは違う結果になるのではと思います。
問題点は、(1)割引条件の表示方法が錯誤を招くか、(2)清算方法は適切か、(3)長期契約の是非、この3点だと思います。
具体的な広告を見ていないので表現方法が分かりませんし、ほかの購入方法での割引率も書かれていませんので分からない部分はありますが、「3回」というのは事業者の「わな」の可能性があると思います。同じような苦情はあると思います。これは景品表示法や錯誤の照会をする価値はあると思います。また、清算方法が定価ベースでされてますが、「2ヶ月毎お届け、3ヶ月毎お届け」と契約内容を比較して、12ヶ月の場合を考えることが必要だと思います。要は12ヶ月だけ購入の場合にほかの割引パターンがあれば。それに契約変更した形にするということです。最後に、長期契約は将来的な話ですが、健康食品や新聞などの特定の商品については、なんらかの契約清算ルールをガイドラインで設けたらいいのではないかと思います。
結果として、相談者はあきらめたことになりますが、前回も説明しましたが、差額支払いは仕方ないとしても今後同様な苦情がなくなるように、センターが表示の改善を求めて改善させることが相談者への共感につながると思います。少なくとも、「3回」の解釈が誤解を生む原因になっているので、「12ヶ月の契約を1回として3回分3年の契約で割引」と明示することです。ただし、こうすると誰も長期契約しなくなるので業者の反応は目に見えてますが、国を使ってプレッシャーをかける価値はあると思います。

通販110番より

事業者は、「引き渡し時期」が遅延する場合は柔軟な対応を消費者は、期日に十分な余裕を持って注文を

③誌面に書かないメディアのホンネ
vol.11 「増税転嫁Gメンをメディアはどう見ているのか?

・「値上げの強制」が招く「副作用に注目したい(ビジネス系ネットニュース編集長)
・「増税転嫁Gメン」を監視する機能が必要(ビジネス週刊誌記者小売担当)
※今回の記事は普通の話でした。

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