相談員資格の検討会(第10回) 中間報告

第9回で提示された中間報告案が修正されて、第10回で正式?決定したようです。
第9回の議事録が公表されないまま、第10回の資料が公表されたので、どんな議論のやり取りがされたのかは不明ですし、私の声も届いていないかもしれません。
第10回の検討会の資料では、第9回に提示された中間報告の修正部分を見え消ししている資料もありますので、変更した部分が分かります。
まあ、基本的な線は変わってないようですね。
消費者庁HP
ホーム > 地方協力課 > 消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会
http://www.caa.go.jp/region/index8.html#m01-1

第10回消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会(平成24年8月2日)
議事次第[PDF:64KB]
【配布資料】
資料1:消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会中間報告(案)(変更履歴あり)[PDF:320KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/120802_1.pdf
資料2:消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会中間報告(案)(変更履歴なし)[PDF:307KB]
http://www.caa.go.jp/region/pdf/120802_2.pdf

また、8月7日に公表された大臣の8/3の記者会見の発言要旨がこの検討会の話です。
記者からは特に質問はなかったようですね。

松原内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(平成24年8月3日(金)8:42~8:47 於)衆議院議員食堂)
1.発言要旨
昨日、「消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会」で、中間報告が取りまとめられました。中間報告では、消費生活相談の水準の確保と質の向上を図るためには、消費生活相談員資格について、必要な知識、技能等をしっかりと担保する資格として、法律に位置付けることが必要との提言となっております。消費生活相談は、高い知見と専門性が求められる職務であり、消費生活相談員について、その職務に見合った処遇の改善が図られるためにも、資格を法的に位置付けることが有効であると認識しております。今回の報告をしっかり受け止め、その実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。
以上です。

最終的な中間報告の中で気になるところを再度抜粋したいと思います。
ぜひ原本を読んでいただき、それぞれの立場でどう考えるかを真剣に考えてほしいと思います。
また、パブコメがあるかどうかは分かりませんが、相談員にとっては重大な問題ですので、自分の考えを伝えてほしいと思います。
私の意見がみなさまと同じとは限りませんが、前回の分とあわせて参考にしていただきたいと思います。

消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会中間報告(案)平成24年7月

2.相談員資格を法律に位置付ける必要性
【3資格の課題】
現在、消費生活相談員に関する資格としては3資格があるが、この3資格については、いずれも試験又は講習のみで資格が付与される形である、コミュニケーションスキル等の担保が十分でない、知識中心の試験に合格しただけで実務を知らずに資格が付与される、消費生活の変化や制度の改変に対応して継続的に消費生活相談員の知識・技能を維持・更新する仕組となっていない等の課題が指摘されている。
【相談員資格の位置付けが不明確】
【消費生活相談を担う人材の確保】
国と地方が連携して積極的に人材養成を図る
消費生活相談を担う優秀な人材の確保につなげていくこと① 行政や消費者団体等の民間において行われている消費生活相談の質の向上と全国的な水準の確保を図るとともに、なお、検討会においては、相談員の資格として現行の3資格で「十分である」としている消費生活センターもあることから、新たな資格を法律に位置付ける場合には、現場に混乱を招くことのないよう、自治体や消費生活相談員等の意見に十分配慮して検討する必要があるとの指摘もあった。

「知識中心の」という文言が加わりました。他の試験でも通常は知識中心だと思います。争点は、新たな資格試験にコミュニケーション等の技能に関する試験を加えるかどうかというところです。加えたいというのが検討会の考えのようですが、前回も書いたとおり現実には評価ができない等の問題があると思います。やはり、試験と技能は分けるべきだと思います。

継続的に知識・技能を更新する仕組みを作ることは簡単ではないと思いますが、しっかりと制度設計すれば可能だと思います。ただ、何度もいっているように、「技能の研修を開催することが難しい」ということと、「現職相談員でも標準レベルの技能を持っているとは限らない」ということを前提としなければ、上手くいかないと思います。

「消費者団体等の」という文言が民間に加わりました。前回も書きましたが、行政と民間は分けるべきです。
(ちなみに民間でもOKなら、行政よりレベルの高い対応をして、なおかつ国のお墨付きのある資格であれば、有料で消費生活相談を受けて、商業レベルの相談業務として営業もできるのではと思ったりします。)

最後の3行が追加されました。当然そういう意見は出てくるであろうし、現場も混乱すると思います。
結局、問題を複雑にしている原因は、「試験」と「資格」と「研修」が整理されておらず、3つワンセットで考えて「資格」としていることにあると思います。前回も書きましたが、法的位置づけをするのに必ずしも試験制度を変える必要はなく現行の制度の中でで考えればよいと思います。そして、技能力を高めるための研修制度を充実させることが、目的の達成の近道だと思います。

4.相談員資格を法律に位置付けることの効果及び「消費生活相談員」職の法律への位置付け
(2)「消費生活相談員」職の法律への位置付け
消費生活相談員があっせんを始めとする消費生活相談を職責とする者であることが明確になっていない。

この部分が重要であると思いますが、試験制度を変えなければ達成できないとは思いません。

5.相談員資格における必要な知識・技能の担保
(1) 消費生活相談員に求められる知識とその担保
このため、相談員資格においては、こうした内容を含めた知識について試験において確認すべきである。
(2)消費生活相談員に求められる技能とその担保
このように、消費生活相談を行う上で、消費生活相談員には、知識はもとより、コミュニケーションスキル、ヒアリング力、交渉力、法律の活用力、文章作成力などの実践的な技能も求められることから、資格制度においては、試験内容にこうした技能を問う問題や実務に即した問題を取り入れたり、これらの技能を担保する仕組とすることが必要である。
(3) 消費生活相談員に必要な技能の担保方法
上記(2)で述べたように、消費生活相談の質の確保・向上のためには、消費生活相談員が実践的技能を身につけることが不可欠であり、相談員資格においてこれを担保することが必要である。一方、技能を担保する方法にはそれぞれ上記のような課題があることから、今後、自治体の意見等を十分に踏まえて検討することが必要であるが、講習に実務的要素を取り入れるなどの工夫をするとともに、こうした講習受講や実務経験要件など複数の方法の中からの選択を可能とする仕組とすることが現実的ではないかと考えられる。
(4)試験・講習の内容等の法令への規定
相談員資格を法律に位置付けるに当たっては、相談員資格がどのような知識・技能を担保するものであるかを明確にする観点から、試験や講習の内容等を法令に規定すべきである。
8.3資格保有者等に係る措置
(1) 3資格保有者に係る措置
(2) 3資格を保有していない現職の相談員に係る措置
現職の消費生活相談員は、日頃の相談業務において必要な技能や実務関係の知識等については十分に培っているものと考えられことから、資格取得に当たって要求する水準は維持しつつ、実践的な技能の担保のための試験・講習等については免除するなどの措置を設けることが考えられる。
(3)3資格を保有している現職の相談員
3資格を保有している現職の消費生活相談員については、上記(1)の資格保有者に係る措置と上記(2)の現職の消費生活相談員に係る措置の両方を受けられることにより、新たな資格制度への円滑な移行にも資することとなる。

前回にも指摘していますが、現実とのGAPが大きいと思います。

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