ジャドマニューズ 2012年5月号

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今月の「通販110番」は2011年度のまとめでしたので省略します。
そのほかに面白い記事がありましたので紹介します。

①通販商品 人気の秘密

「H2Oスチームモップ」テレビショッピング研究所

高温スチームで汚れを落とす「H2Oスチームモップ」。2009年10月には全世界で販売台数250万台を突破した大ヒット商品だが、国内正規代理店であるテレビショッピング研究所の田中英樹代表取締役社長は、国内でのヒットはまったくの想定外だったという。

「困ったのは、床のワックスがとれたとか塗料がはげたという声が寄せられた時です。取扱説明書にもありませんでしたから。そこで私たちのコールセンターは自分たちでホームセンターに行って、ありとあらゆる床材を買ってきて自分たちで試すことにしたのです。このメーカーのワックスは大丈夫とかすべて実験をして、お客様の疑問に答えました。コールセンターが非常に頑張ってくれました」(田中社長)

「まるで雨後のタケノコでしたね。次から次へとニセモノが出てそれを確認するだけでも膨大な作業量でした。こちらで購入したニセモノ品は25台でしたが、警告書だけでおよそ40社に出しましたし、実際はもっとあったと思います。”H2Oスチームモップ“という商標をそのままつけている品も多くありました」(田中社長)

※おそらく相談員であればスチームモップの相談を受けた経験があると思いますし、あっせんに苦労したのではないでしょうか。
問題点は、まさしくインタビューにもある「床のワックスがとれたとか塗料がはげた」でしょう。
これ以上突っ込みませんが、企業側からのスチームモップの見方はこうなんだという感じで受け止められたら言いと思います。
事業者側目線ですね。消費者目線もあれば、相談員目線もある。それらが交わらないことに解決困難事例が生まれてきます。

②連載 メディアワクオン 情報リテラシーの備え

第5回「絆」の先にあるもの

これまではありえなかったコミュニケーションが可能となるSNS(ソーシャルネットワークサービス)。
活用されている会員も多いだろうが、便利なだけあってリスクもある。
つながるのはなにも「友人」ばかりではない。
伸びたネットワークの先にはとんでもない「悪意」があるかもしれないのだ。

企業広報が震え上がる「電凸」とは何か?
電話を介しておこなったやりとりをネットに晒されてしまうケースが増えている。
このような電話をネットでは「電凸」(でんとつ)と呼ぶ。「電話突撃取材」の略で、一般人を装って、関係部署に直接電話をかけてホンネを引き出すという手法である。ただ、これは別に今にはじまったものではなく、取材を名乗らない「邪道」ではあるが、悪徳業者や問題企業の実態を探るという場合は、週刊誌や情報誌などでは時折つかわれていた。そんな「電凸」を一般人がガンガンつかいはじめたというわけだ。彼らが突撃するのはなにも企業の電話だけではない。みなさんもやっているFacebookもその標的となりえる。

最近日本のマスコミがやたらと繰り返す「絆」とは諸説あるが、犬や馬をつなぎ止めておく綱が語源だという。つまり、家畜をつなぐヒモのことだ。要は、社会の一員として誰かにつながるということは、必ず誰かに監視され、何かを吸い上げられるというわけだ。
Facebookだけではなくネットの普及で、我々はひとりでいくつものヒモをくくりつけられている。ヒモの先につながっているのは「悪意」であることも多い。それを各自が肝に銘じておくことこそが、本当の「絆社会」ではないか。

※この記事は消費者センターにとって他人事ではありません。一般人が企業の揚げ足取りをしてネットに公開するというのは、「東芝事件」からはじまり、「言った言わない」対策に企業側も会話を録音するなどしていますが、悪意を持ってこられたら、やっぱり揚げ足を取られてしまいます。これと同じ状況が消費者センターにも起こっているということです。以前は本当に困った消費者が相談に来るというのが一般的でしたが、最近は、企業から何らかの賠償や謝罪文をとるために消費者センターを利用したり、自分の思想信条を一方的に押し付けて、望みがかなわないなら税金泥棒と吐き捨て、あちらこちらに言いふらす消費者が増えています。しかし、行政や相談員は、このような、「電凸」的な行動には慣れていませんし、対策も十分ではありません。会話の録音をとっても個人情報や公文書管理という壁があります。したがって、今は、各自が注意していくという対応をとるしか自分自身を守る方法は残されていません。

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