ジャドマニューズ 2012年3月号

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「通販110番」の記事から一部紹介し、コメントします。

通販110番消費者相談編
「無用なトラブルを生んだ顧客対応」

事例「クリーニングでボタンが割れた!謝罪もなく、責任をとろうとしない!」
・1年前に通販購入のカーディガンをクリーニングに出すとボタン4個が割れたので、同じボタンがほしくて通販会社に問い合わせた。
・クリーニング店と話がしたい。1年分の購入記録しかないので確認できない、といわれた。
→購入履歴の対応の再確認と商品を引き取りボタンを探したいとのことになったが、相談者が購入店舗を間違っていたことがわかった。そちらの通販会社では最初に謝罪とボタンを探すとの回答があった。対応の違いに不満が残った。
→110番のコメント「最初の顧客対応時に顧客の気持ちに沿った丁寧な対応をしていれば、今回のような無用なトラブルは避けられたはず」
※要は苦情の初期対応として、「苦情を認めるのではなく、自社製品で不快な思いをさせたという謝罪をまず最初にする」という基本ができていなかったために火がついたパターンですね。消費者センター的に考えると、どちらかというとクリーニング苦情になりますが、クリーニング店と話ができないのなら、販売店のサービスに依存することにもなります。日本人は、とにかく「気持ち」の問題で解決することも多いのでコミュニケーションが重要ですね。

通販110番事業者相談編
拡大損害事例とその対応方法

事例1「ふたの開いた米ビツに破損した鏡の破片が混入」
・大型鏡が商品購入時に破損していたようで開梱時に鏡の破片が飛び散り、そばのふたの開いた米ビツに混入した可能性がある
・何らかの保証を求められている
・同様苦情があり梱包形態を見直し中だった
→顧客の開梱状況の確認が必要で、返品交換以上の対応には慎重になるべき。事業者が顧客に丁寧に対応したところ、返品対応でおさまった。

事例2「背もたれのささくれでニットウェアを傷めた!」
・天然藤ダイニングチェアで、大型鏡が商品購入時に破損していたようで開梱時に鏡の破片が飛び散り、そばのふたの開いた米ビツに混入した可能性がある
・何らかの保証を求められている
・同様苦情があり梱包形態を見直し中だった
→顧客の開梱状況の確認が必要で、返品交換以上の対応には慎重になるべき。事業者が顧客に丁寧に対応したところ、返品対応でおさまった。

※普通の消費者が事業者の対応のまずさにクレーマーに変貌していくことはよくある話です。こうなれば、こぶしの下げどころが分からないので泥沼にもなってしまいます。毅然とした対応もいいのですが、事業者にも非がある場合は、クレーマーにならないための初期対応が重要ですね。

「相談室長より」というコメントが参考になります。以下に抜粋します。


顧客対応時に重要な「三現主義」

顧客対応時に重要なことは、申し出者の要求が「理に適った要求」であるのか、「理不尽な要求」であるのかを的確に判断することです。前者については言うまでもなく企業として真摯に受け止め、誠意をもって対応することが必要です。しかし、後者は「社会通念上、許容される範囲を超えたもの」として、毅然とした姿勢が求められます。
「三現主義」という、マネージメント用語があります。「三現」とは現場・現物・現実のことで、原因やその後の処理を検討する際の基本的な3要素といわれています。要は、状況を正確に把握するため、事故発生時の状況を多角的に、かつできるだけ詳細に聞き取り、矛盾点や記憶違いを見極めることが、何よりも大切であり、その結果として適切な判断を下すことが可能になると考えます

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