消費者情報 2011年10月号 (関西消費者協会)

ページの少ない情報誌だけに、内容に個人的な好みの差が出てしまいます。
特集が好みでなければ注目記事があまりなくなってしまいます。
正直言って、この雑誌も、内輪で記事を買いまわしているだけでなく、もっとコンセプトをしっかりしなければ、月刊消費者や月刊国民生活と同じようになるのも時間の問題かもしれません。応援しています。がんばってください。

①現場からの情報 【相談】「光熱費を節約、災害時の復興も早い」と勧められたオール電化契約

・オール電化で契約した商品の一部の入荷が遅れるのにローンの支払いが始まってしまうので不安である
・ローン会社での勧誘方法の確認がまだ行われていなかったためにローン契約は成立しておらずキャンセル処理され原状回復された。
※オール電化や太陽光発電、ガス発電などエネルギー関連商品は注目を浴びています。
一番の問題点は、商品自体は性能もよく問題がないことが多いのに対して、販売方法や価格、工事に問題があり、後にトラブルとなることです。メーカーにとっては、よい製品だけに、販売方法でトラブルになるのは残念だろうと思います。しかし、最近、大手家電量販店での取扱いが増えてきたことにより、訪販中心の販売方法からの転換が見込まれ新しい風が吹いているように感じます。販売方法の変化に注目です。

②判例に学ぶ
賃貸借契約における更新料条項が消費者契約法10条に違反しないとした事例
最高裁平成23年7月15日判決
・敷引特約が原則として消費者契約法10条に違反しない旨の判決に続き、今回は更新料条項についても、原則として消費者契約法10条に違反しないとの判決が出された。
・判決では更新料の性質を説明し、賃借人と賃貸人との間に情報の質、量、交渉力に看過し得ないほどの格差が存すると見ることはできないとしたうえで、更新料の額が高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、「消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと結論づけた。
※各方面では大いに疑問のある判決だと評価しています。みなさまはどう思いますか。消費者サイド、相談員サイド、事業者サイドの立場を客観的に考えて評価することはできるでしょうか。単純に「おかしい判決である」と考えるだけでなく、法律を判断する最高峰の最高裁がなぜそう判断したのか、一般常識的には同種事例と比べてどうなのか、などを考えてほしいと思います。
※例えば、携帯電話の2年縛り、大学の入学金返還、これらと本質的には似ているような気がします。ただし、今回の判決では更新料の額が高額すぎるのはどれぐらいなのかというのがきちんと示されていないのは解釈するに当たり迷走する原因だと思います。
※本件は注目の裁判だっただけにご存知だと思いますが、詳しくは様々な雑誌や新聞などで解説されており、9月号でも掲載されていたので参照してください。

最高裁HPの判例
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110715143324.pdf

③誌上レッスン3 小論文に強くなろう窶・I
今回の論文添削は、個人的には合格点の論文だと思います。満点を目指す上積みの視点(少し揚げ足取りのような気もしますが)で添削されています。

リンクはこちらです
関西消費者協会 http://kanshokyo.jp/hp/
消費者情報 2011年10月号