相談員のコーチとしての存在

「このサイトの今後について」で、私が目指していることについて説明してきましたが、最後に補足しておくことがあります。
何度か書いたことはありますが、私がこのサイトを主催しているからといって、私自身が絶対的な存在であるとは思っていません。
そして、私の考えがすべて正しいとも思っておりません。
意見が違っても当然ですし、考え方や方法もたくさんあると思います。
とはいえ、経験からは多くのスタンダードを示すことができます。
そこから、正解を導き出すためのヒントを多く示すことができるのが強みであると考えています。
また、第3者の目からの助言は、迷いの生じた相談員を冷静な状態に引き戻すこともできるのではと思ったりもします。

私のスタイルとして、知識については教える部分もあるとは思いますが、技術については「教える(ティーチング)」というよりも、「コーチング」により、相談員自身が答を導き出せるようになってもらうことを目標にしています。

相談員が消費者のコーチであるように、私は相談員のコーチであることを目指しています。
ティーチする人はティーチする内容についてティーチされる人よりも基本的には能力が高い存在でなければならないと思います(学校の教師と生徒の関係=上下関係)。
しかし、コーチする人はコーチする内容についてはコーチされる人のほうが能力が高いこともあります(スポーツ選手とコーチの関係=コーチの競技能力が選手よりも高くはないが、コーチのアドバイスによって選手の能力が向上する=対等の関係)。

したがって、私は相談員とは対等の立場、コーディネーターとして、相談員のそばにいて、能力向上のためのヒントや気付きを示す存在でありたいと思っています。

ちなみに、消費生活センターは弁護士と提携していることが多く、処理の困難な事例について助言を求めていることもあると思います。
もちろん法律的な判断は大切だと思いますが、あくまでも、解釈論の話で、法律的に結論が出た=相談はあっせん解決する、にはならず、現場対応するにはかけはなれた助言の場合もありますし、その結果を導き出すためのプロセスや実際に相談者に伝えたり納得させたりするための現場対応についてまで、言及されることはあまりないのではないかと思います。
そういう面から考えると、弁護士は「法律知識についてティーチする人」ではないかと思いますし、私の活動とは全く異なるものだと考えています。

どちらかというと、国民生活センターの相談ダイヤルによる相談員の支援に近いのではと思います。
ただし、大きな組織がやっているので当然「強み」や「弱み」があり、公的であるがための限界もあるのではないかと思ったりします。その限界については、実際に感じた経験があるかもしれません。

このように、消費生活センターや相談員をバックアップする体制は、様々な形で存在します。積極的に利用しているかどうかは自治体によって格差があると思います。
私の目指すものは、それらのバックアップ体制と対抗するものではなく、バックアップ体制を構成する要素の一つと考えています。