国民生活研究 2011年3月号
①【論文】リコールに関する法制度について -食品を中心に-
・リコールは国が命令をかけて強制的に実施する場合もありますが、ほとんどは自主的な事業者の措置です。ここでは食品のリコールについて詳しく解説しています。
・また、本文を読むのがしんどくても、「はじめに」という1ページ分は食品に限らず製品についてのリコールの考え方を簡単にまとめていますので勉強になります。
②【論文】消費者契約法4条の新たな展開(3・完) -「誤認類型」・「困惑類型」をめぐる議論と裁判例の動向-
・前号までは、「誤認」についての解説でしたが、完結となる今号は「困惑類型」、不退去・退去妨害についての解説です。
・あまりにも長いので興味のある方は本誌をお読みください。
・基本的に「逐条解説」にもとづき説明されています。著者が賛同する部分もあれば不足する部分も指摘しています。
・「退去すべき旨の意思表示」の有無が判断されるが、この意思表示がゆるく広くとらえられている。
・ただし、意思表示の証明は消費者がしなければならない。
・裁判例自体が少ないが、消費者には有利な結論が出ている。
・「退去妨害」についてもおおまかに「不退去」と同様な考え方になっている。
・最後に多数の裁判例のダイジェスト版が掲載されています。
③【研究ノート】大学生は契約、クーリング・オフをどの程度、理解できているのか
・予想通りの結果ですね。近年は携帯電話やネット通販など従来にもまして「契約」する機会が多いにもかかわらず知識が伴っていません。
・著者が指摘するように、小さいころからの学校教育が必要と思います。
国民生活研究 第50巻第4号(2011年3月)
年4回発行 定価620円(税込み)