バイアスを持たないようにする

バイアス(bias)とは聞きなれない言葉ですが、心理学や統計学ではよく出てくる言葉です。
その意味は、「先入観」や「偏見」などと説明されています。

ネットで検索すれば多くの解説があります。
このバイアスは相談業務に非常に重要な要素であり、相談員のスキルにもあらわれます。
バイアスによって正しい解決法方法の提示ができなくなるのです。

バイアスの考え方は、今後、私も数多く使うことになります。

消費者センターにいれば、世の中悪質商法だらけだなと思ってしまうことは自然なことです。
声をかけたれたら、疑いの目を持ったり、常に疑心暗鬼になります。
相談員という職業は、消費者を守るという使命があり、その使命感から、いわゆる「正義」を貫くのは当然です。

しかし、この世界にどっぷりはまってしまうと、一般の世界(一般論)からどんどんかけ離れていきます。
そして、相談員の事象に対する解釈が、「いきすぎ」になり、正常な判断が下せなくなります。
相談員の非常識が消費者目線や現実目線でみると常識になっている場合もあります。
また、プライドゆえに「思い込み」が激しく、指摘されても認めたくないと受け入れを拒否してしまうこともあります。
ともすれば、相談員自身が事業者に対してクレーマー化してしまう恐れもあります。
「正義の味方」という名のクレーマーが消費者だけでなく、相談員にも当てはまる場合もあるのです。

それらの要因は、まさしく、「先入観」や「偏見」や「思い込み」です。

苦情相談が多い事業者は、最初から悪質事業者として考えていませんか?
しっかり、相談内容を分析してから判断してください。
もちろん、公認された?悪質な事業者であれば、問題ありません。
しかし、過去の経験はあくまでも参考程度に考え、冷静に目の前の事案を分析して過去と照らし合わせてください。

このバイアスについて、「S社の携帯電話」「出会い系サイト」などを事例にして具体的に【会員用ページ】で紹介したいと思います。

(平成22年4月8日 初稿)