嫌われる敬語 好かれるタメ語

話し方研究会 内山辰美
2008年12月4日発行
中経出版
1300円
ISBN978-4-8061-3219-6

相談対応における重要な要素の一つに「話し方」があります。
「話し方」の大切さについては、スキルアップ講座でも解説する予定です。

この本のサブタイトルに、
『話し方で、損をしていませんか?
「正しい敬語」を使うのは、必要であっても、絶対ではありません』
と書かれています。

私も敬語を使うというよりも、対等な話し方をフランクにすることが多いです。
話し方はTPOに応じて使い分けるのが大事です。

冒頭の「はじめに」でこの本の目的が書かれています。
簡単にまとめると
『世の中には正しい敬語を使用しているのに敬遠され嫌われる人がいる反面、少々間違っていても親しみのこもった「くだけた」話し方をして好感をもたれる人もいる。
それらを踏まえ、この本では、
「敬語」・・・過剰に使えば、冷たい印象を与え、人に嫌われる言葉
「タメ語」・・・(上手に使えば)気持ちを率直に表現でき、人に好かれる言葉
と定義し、様々な場面において解説する。』

さて、この本の活用方法ですが、4章で構成され、それぞれにシチュエーションに応じたじれが紹介されています。
その事例には、「嫌われる敬語」と「好かれるタメ語」の2通りの回答例と解説が示されています。
みなさんが日常的に使用している話し方が、どちらに近いのだろうかと考えながら読みすすめるといいと思います。

第1章 過剰で嫌われる敬語、なぜか好かれるタメ語(7事例)
第2章 上司から敬遠される敬語、懐に入り込むタメ語(7事例)
第3章 お客様が離れていく敬語、ガッチリつかまえるタメ語(7事例)
第4章 日常生活で嫌がられる敬語、好印象を与えるタメ語(6事例)

おすすめ度・・・普通の相談員であれば、1回読めば理解できると思いますので、「1回読んだらOK」です。

嫌われる敬語好かれるタメ語 価格:1,365円

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相談対応の醍醐味は契約よりも商品

消費者センターへの相談内容は大きく分けて
契約に関すること
商品に関すること
の2つに分けられると思います。

商品の苦情、たとえばクリーニングや電気製品などの相談を受けたときに、
「あー、いやだな。ややこしそう。」
と思ったことはありませんか。

そのとおりですね。
商品の相談というのは確かに難しいと思います。
なぜでしょうか?

契約に関する相談というのは、
解約したいなど、目標が単純です。
基本的に法律に基づいており、それに従っているかどうか、また正しく解釈しているか、などを照らし合わせることになり、答えが決まっていて、流れが一本です
困ることはといえば、「言った」「言わない」ぐらいですね(この「言った」「言わない」の対応も難しいといえば難しいです。)

それに対して、「商品」に関する相談というのは、
欠陥クレームであったり、品質クレームであったり、製品事故であったり、正義を訴えるものであったり、します。
また、消費者の要望も、交換、返品、無償修理、原因究明、製品改良など多様です。
つまり、契約のように流れが一本ではなく、多くの選択肢があるのです。
当然ながら、その選択肢ごとに対応も変わっていきますし、消費者センターとして、単なる交渉か、商品テストが必要か、緊急対応か、などの要素も加味する必要があります。
また、商品に関する最新の知識も持ち合わせていなければなりません。

それだけに、相談員の柔軟な対応能力のスキルが如実にあらわれます。
商品に関する相談に上手く対応できてこそ一人前の相談員です。
契約に関する相談では、どの相談員が対応しても基本的には同じ答えになります。
しかし、商品に関する相談では、相談員により、解決したとしても同じ答えになるとは限りません。

特に、いろいろな対応方法があるからこそ、論理的に考える能力が必要となります。

本講座では、「コミュニケーション能力」と同じぐらいに重要な「論理的な考え方(ロジカルシンキング)」につ いても解説していきたいと思います。
「スキル=技術」はその気になれば訓練により必ず身につけることができます。だから、「技術」というのです。

商品に関するの相談ほど、相談員としての醍醐味を感じるのことができるのではないでしょうか。

(平成22年7月19日 初稿)

ドロップシッピングのサービス提供会社に対する行政処分

最近、いわゆるドロップシッピングのサービス提供会社に対する行政処分が立て続けに公表されました。
詳細は消費者庁のHP(http://www.caa.go.jp/index.html)の報道発表資料に掲載されています。
株式会社IB 平成22年7月9日付 http://www.caa.go.jp/trade/pdf/100709kouhyou.pdf
株式会社ウインド 平成22年4月9日付 http://www.caa.go.jp/trade/pdf/100409kouhyou.pdf
公表資料を一部抜粋します
「いわゆるドロップシッピングのサービスを提供する契約の締結について、相手方に受注メールの確認と入金の確認等簡単な仕事をするだけで確実に高収入が得られるかのように勧誘していました。
認定した違反行為は、不実告知、誇大広告、広告における表示義務違反及び交付書
面の不備記載です。」

昨年来、ドロップシッピングに関する苦情相談が消費者センターで急増しています。
私は、「アフィリエイト」という言葉はある程度認知されると思っていましたが、「ドロップシッピング」がこういう形で世間の目に出てくるとは思いませんでした。
しかしながら、このような被害が出てくるのは十分想定されるもので、定番の悪質商法モデルともいえます。

原点となっているのは10年ほど前でしょうか、
小さな商店などに「ムページを作ってお店を宣伝しませんか?」
という勧誘で、HP制作費・管理費・サーバー管理費用などを高額請求されるもので、初期費用のほかに毎月定額的な費用が発生する、
という商法です。

相談員として知っておくべきことは
①ドロップシッピングとは何か(アフィリエイトとの違い)
②ドロップシッピング自体は全然問題のないビジネスモデルである
③ドロップシッピングの業務提供誘引販売とは何か
④昔からの悪質商法モデルと同じである(商材がドロップシッピングになっただけ)

これらの①~④の知識が相互に理解できれば、相談対応のポイントはシンプルになります。

今後、ドロップシッピングについては、スキルアップ講座で詳しく解説したいと思います。

(平成22年7月16日 初稿)