ワカモノタチ(2013/1/3~11 読売新聞)

「YOMIURI ONLINE」関西発の企画・連載の「ワカモノタチ」という記事がとても興味深い内容でしたので、気になる部分を一部抜粋して紹介します。
記事はYOMIURI ONLINEに全文掲載されているので興味がある方は是非読んでください。
YOMIURI ONLINE(http://www.yomiuri.co.jp/)
ホーム>関西発>企画・連載(http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/index.htm)

ワカモノタチ
未来を背負う若者たちに、この社会は温かいのだろうか。長く厳しい就職活動に疲弊する者、ネット社会にとらわれ、翻弄される者――。彼らの暮らしに目を凝らせば、見えてくる日本の姿がある。

(1)1年生からシューカツ

内定なし2万5000人自殺41人の現実
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130104-OYT8T00773.htm

「『してもらう』ことばかり考え、相手に何をしてあげられるかに思いが至らないのが今の若者。やりたい仕事を見つけ、社会人に必要な気遣いや自立心を育むには、1年からでないと間に合わない」と、飯島は強調する。
(2013年1月3日 読売新聞)

高まる不安 塾急増
ワンクリック応募 膨大なライバル
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130104-OYT8T00793.htm
そんな気持ちにさせているものは何か。内田さんは「長引く景気低迷で人材育成を放棄し、『即戦力』という無い物ねだりをする企業。そして他校との競争の中、次世代の国や社会を支える人材をじっくり育てるとの本来の姿を忘れ、目先の就職率アップに躍起の大学だ」と言う。
(2013年1月3日 読売新聞)
(2) 代行書類1万円で購入

「エントリーシート突破しなければ話も聞いてもらえない」
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130104-OYT8T00801.htm
(2013年1月4日 読売新聞)

(3)入社できても社内失業

「とにかくやれ」・・・失敗して仕事与えられず
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130105-OYT8T00140.htm
独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が製造業約3200社に行った10年の調査では、3割が「若手の育成がうまくいかない」と回答。理由は「育成を担う人材不足」(59%)、「教育のノウハウ不足」(45%)が上位を占めた。
若手社員が十分な教育を受けられないまま、余剰人員のレッテルをはられる――。若者の労働相談を受けるNPO法人「posse(ポッセ)」(東京)代表の今野晴貴(29)は、そんな構図を見て取り、「知識も技術もない若者にしわ寄せが行っている」と話す。
今野によれば、サービス残業など違法行為を強いる企業は昔から存在したが、終身雇用や年功賃金といった正社員ならではの見返りもあった。「今は、若者はブラック企業とわかってなお、すがらざるを得ない。そうした企業への世間の関心は低く、労働団体も問題の深刻さがわかっていない。当事者の若者も、もっと声を上げるべきだ」
(2013年1月5日 読売新聞)

(4) 仲間はネットの向こう

男7人夜通しスカイプ 彼とLINE1日100通
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130106-OYT8T00103.htm
「分離不安」という言葉がある。幼い子どもが母親と離れた途端に泣き出すように、常につながっていないと不安、という心理を指す。「少子化で過保護な環境に育った今の学生には、その傾向が強い。ネットがしやすいスマホで人とつながりやすくなり、逆に、常につながっている実感を求めたがる」と、この相談員は言う。
適度に使えば人間関係を補完してくれるネットだが、人間的に自立し切れていない若者ほど依存に陥りやすい。相談員は思う。「若者はネットを自在に操っているようで、実はネットにのみ込まれた『IT弱者』かもしれない」
(2013年1月6日 読売新聞)

(5) 友達ができない 休学

独りぼっちが怖い・・・トイレで食事 レンタルフレンド
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130107-OYT8T00095.htm
同社へのレンタルフレンドの依頼は月数十件。多くは、他人との距離感に戸惑い、悩み、自信を失った若者からだ。代表の安倍真紀(37)は「確固たる自分の価値観がないから、他人の評価を必要以上に気にしてしまう。でも彼らは往々にして、ネット上では交友関係が広い。それは相手の顔色をうかがう必要がない一方通行のコミュニケーションですからね」と話す。
(2013年1月7日 読売新聞)

(6) 一人旅ネットがお供

滞在先で一日中パソコン、スマホでつぶやき
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130108-OYT8T00137.htm
石谷は、そんな若者の未来を危惧する。「旅に出ても旅をせず、ネットだけでわかった気になっている。グローバル経済の時代、海外の人と接した時に相手を本当に理解できるのか」
(2013年1月8日 読売新聞)

(7) 人が苦手お笑い志向

引きこもり「自分変えたい」「面白くなければ疎外される」
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130110-OYT8T00184.htm
「このタイプは自己評価が低く、認めてほしいという思いが強い。自らのマイナス要素も自虐ネタにすれば笑ってもらえ、周りに受け入れられやすい」。ユーモアサイエンス学会理事で関西大教授(感情心理学)の雨宮俊彦(58)は心理を読み解く。
「今のお笑いは、名人芸のスキルも社会風刺のメッセージ性も必要のない『内輪ネタ』が主流。見ていて、ハードルが低いと感じるのでしょう」。元フジテレビプロデューサーで、「オレたちひょうきん族」などの番組を手がけた佐藤義和(64)は、若者の“芸人志向”が高まる要因を分析する。
「コミュニケーション力とは意思の疎通ができることなのに、今の世の中は人を笑わせることだと勘違いしている。劣等感を抱き、『面白くなければ疎外される』と思い詰める人もいる」。引きこもりの若者の自立を支援するNPO「ニュースタート」理事の西嶋彰(68)は、若者が芸人の道へと駆り立てられる理由を説明する。
(2013年1月10日 読売新聞)

(8) 声を上げ 「存在」実感

「気持ちいい」デモに熱中 職場に失望、仲間とNPO
学校では、手を挙げて考えを述べる生徒に「KY(空気が読めない)」と揶揄(やゆ)する言葉が飛び交った。異質なものを排除しようとする空気を感じ、知らず知らずのうちに萎縮し、人前で意見を言えなくなった。しかしデモに行けば、同じ考えの仲間が一緒に声を上げてくれる。
「言いたいことが言える場所がある。それが新鮮」と言う明美。主張はこうだ。
「家族や地域の絆が薄れ、会社の先行きも不透明な中、若者はインターネットの中に居場所を見つけ、自らの存在意義を確認する。楽しくデモに参加し、主張することにも同様の意味がある」
(2013年1月11日 読売新聞)

今の若者の世相を感じるとともに、「人材育成」や「コミュニケーション」というキーワードが出てきました。
このキーワードは消費者行政の世界でも同じだと思います。

怒鳴られることが仕事(朝日新聞 2012年11月7日)

朝日新聞2012年11月7日朝刊の「ルポルタージュ現在」に掲載された記事を紹介します。
朝日新聞のHPでは冒頭の一部を閲覧できます(全文閲覧には有料契約が必要です)。

もしよかったら、職場やご自宅、図書館で閲覧してください。

朝日新聞デジタル 記事 2012年11月7日03時00分
http://www.asahi.com/national/intro/TKY201211060698.html

きょうも電話で怒鳴られる〈ルポルタージュ現在〉

「ぶっ殺す」
電話を取ると同時に、太い声が耳に突き刺さる。1分ほど待たせた相手の怒りは初めから全開だ。

沖縄県浦添市にあるヤマダ電機のコールセンター。仲宗根彰平さん(20)はひたすら謝り続けた。通話が長引けば、待たせる電話がまた増える。悪循環だ。

「僕が怒られてるわけじゃ…

写真:絶え間なく電話を受け続けるオペレーター。女性が6~7割を占める=沖縄県浦添市、矢木隆晴撮影

冒頭の最後は

「僕が怒られてるわけじゃない。たまたまぶつけられてるだけ。」働き始めて1年半。こんな電話を受けるたび、自分に言い聞かせている。

と、続きます。

記事にあるメーカーのコールセンターほど激しくはないですが、消費者センターでもよくある電話ですね。
メーカーのコールセンターが直接自社の苦情を受けるのに対して消費者センターが少し異なるのは、消費者のメーカーへの不満を消費者センター・相談員にぶつけてくることです。
誰もが経験があることだと思います。
いきなり、マシンガンのように不満をぶちまけてくることに対して、「メーカーに申し出てください」「消費者やセンターに言われても」とまともに答えても意味がなさないことがあります。

こんな場合は、相談者の事業者への怒りを放出させるまで、受け入れてあげることが第一歩になります。
そうすることで、落ち着いて、現実のトラブルの対応についてお互いに話を進めることができます。
ただ、怒りを一方的に聞かされて、うなずいて、というのは、つらいですね。心が折れてきます。

本当は最初から冷静になってほしいのですが、すべてがそうとは限りません。
どちらかというと、難対応事例になります。
これを本当の難対応事例にしないためにも、相談員の最初の対応が重要となります。
もし、相手の感情を放出しきれずに、相談員が口を挟むと、消化しきれていない怒りが、相談員に向けられます。
そして、事業者へ向けられた怒りと同じ怒りが相談員に向けられてきます(バランス理論)。
怒りを放出しきると、さっきまでの怒りは何だったのかというぐらい、すっきり冷静になることもあります。
相談員のコミュニケーション能力次第です。

消費者側の問題なので根本的な対策はありませんが、消費者センター側の対応として「相談者の怒りのレベルを上げるような初期対応にならないように」との原則を心がけてください。現実には、こちら側もカッとなって対応してしまうこともあり、なかなか難しいんですけどね。

この記事の中ほどには

一緒に入った13人のうち残っているのは2人だけ。みんな「体調不良」などを理由に辞めていった。
「一回折れてしまうと、立ち直れない人が多いですね」。
最初の1ヶ月で3分の1が辞めるという。

そして、最後に

相手が納得するまで切らない。それがコールセンターのルールだ。トイレの壁には誰かが拳で開けた穴が二つ残っている。

と締めくくられています。

相談現場を知っていれば共感できる記事です。
特に最近は対応に苦慮する消費者が増えてきたので、気持ちはよく分かります。
最近は相談員のメンタルヘルスに関する研修会も開催されています。

今回の記事は「事業者コールセンターオペレーター」と「消費者」との関係ですが、私たちは「消費者センター相談員」と「消費者]との関係となります。そして、忘れてはならないのは、「事業者」と「消費者センター]という、対消費者的には同じ立場になるものの、トライアングルの新しい関係があります。そこでも、同じように苦慮することもたびたびですね。

この記事にはコメントを記入することができます。コメントを記入するには記事のタイトルかコメントリンクをクリックして単独で記事を表示してください。

この悪癖 直しませんか(日経産業新聞2012/7/20より)

日経産業新聞にはビジネススキルに関する記事・連載・特集が多く、おすすめの新聞です。
今回、「ある、ある」と思うような記事を見つけましたので紹介します。
ぜひ全文を読んでほしいと思います。

さらに良きリーダーを目指すなら
この悪癖 直しませんか
・優秀なリーダーであればあるほど人間は誰でも自分が正しいと思い込む傾向がある。
・優れたリーダーは「悪癖」を前向きにとらえた上で、1つでも2つでも数を減らそうと努力することが大切
・極度の負けず嫌いは態度や立ち居振る舞いにどうしても出てしまう。
・現在の自分の考えや行動が周囲からどう見えるかを正確に指摘してもらう。
・部下や家族に自分の悪いところを指摘してもらうのは有機が必要だが、まずは自分の悪癖の「気づき」が良きリーダーになるための最初の一歩

指導者が陥りやすい20の悪い癖

1.極度の負けず嫌い
2.何かひとこと価値をつけ加えようとする
3.善しあしの判断をくだす
4.人を傷つける破壊的コメントをする
5.「いや」「しかし」「でも」で文章を始める
6.自分がいかに賢いかを話す
7.腹を立てている時に話す
8.否定、もしくは「うまくいくわけないよ。その理由はね」と言う
9.情報を教えない
10.きちんと他人を認めない
11.他人の手柄を横どりする
12.言い訳をする
13.過去にしがみつく
14.えこひいきする
15.すまなかたっという気持ちを表さない
16.人の話を聞かない
17.感謝の気持ちを表さない
18.八つ当たりする
19.責任回避する
20.「私はこうなんだ」と言いすぎる
(出所)マーシャル・ゴールドスミス著 『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』

この20の悪い癖を読みながら、自分自身のこと、周りの人のこと、上司のこと、部下のこと、同僚のこと、などを思い浮かべ、「ある、ある」と思った方は少なくないと思います。
これらの悪い癖はリーダーを対象としたものだけではなく、相談員としての資質にも共通していることだと思います。
周りの人は置いとくとしても、自分自身はできるだけ自分の悪い癖に気づき、なおすように努力してはどうでしょうか。
相談現場を想定した場合に、相談員として大事なポイントを赤字で抜き出し、コメントしてみました。

1.極度の負けず嫌い・・・相談者や事業者と言い合いにならないように冷静に対応する
2.何かひとこと価値をつけ加えようとする
・・・上手く話し合いが進んでいたのに余計なことを付け加えて気まずくなる、または相談者の気持ちに添えないときに言い訳を付け加える
5.「いや」「しかし」「でも」で文章を始める・・・否定の言葉は人間関係を気まずくする。相手を認めることが重要。
6.自分がいかに賢いかを話す
・・・上から目線で事業者や相談者に対応する。消費者センターという印籠を多用する
8.否定、もしくは「うまくいくわけないよ。その理由はね」と言う
・・・あえて触れる必要のないことや明らかに相手が間違っていても上手にスルーすることも大切。
10.きちんと他人を認めない
・・・相談者の考えが間違っていたとしても、最大限尊重し、事実関係ではなく、気持ちを受け止める
12.言い訳をする・・・相談者の思うような結果にならず、苦情を言われたときに、感情的になり、言い訳や反論をしてしまう。失敗は謝罪し、交渉が上手くいかなかったときには、相談員が悪くないときでも、うまくいかなかったことに対する申し訳ない気持ちを伝える
16.人の話を聞かない・・・傾聴の姿勢を大切にする
20.「私はこうなんだ」と言いすぎる・・・自分の考えを相手に押し付けない。相手の話をきちんと聞いて、受け入れて、相手の要望を踏まえて助言する

少しでも相談対応にヒントになればと思います。

この記事にはコメントを記入することができます。コメントを記入するには記事のタイトルをクリックして単独で記事を表示してください。