消費者の気持ちに寄り添うこと

相談の心構えとして「相談者の気持ちに寄り添うこと」と言われています。
では、「相談者の気持ちに寄り添うこと」とはどういうことでしょうか。

いろんな視点があると思いますが私の思うひとつの視点についてお話したいと思います。

そういうことではなくて…
あなたは私の気持ちをなぜ分かってくれないの?
ひとごとのようだ

相談者にこう言われたことはないですか?

それが相談者の気持ちに寄り添っていない指標になります。

相談者の立場であれば、どう思うか、どう考えるか、の視点で考えてください。

おそらく相談者がそう思う(怒る)ことはもっともだと感じるでしょう。
しかし、相談員には知恵(知識)があります。
したがって、そう思ったとしても、無理なものであれば、それはかなわないことだと悟るでしょう。
そうすると、相談者には、否定的な見解を示します。
これは、相談員の思考回路としては自然な流れです。
しかし、一気にそこに飛んでしまうとダメなんです。
冒頭の言葉を言われてしまいます。

相談者の主張を認めるという意味ではなく、相談者の立場だったらどう考えるのかということを考え、相談者の気持ち(思考回路)に共感することが大切です。
そして、共感による信頼を得てから、プロセスの説明と難しいことの説明に進むのです。

相談員の思考回路(相談員が相談者と同じトラブルにあったとき)
・トラブル→嫌だな!許せない!→でもよく考えたら私にも非があるなあ→主張を通すのは難しいと思う
相談者への助言(相談員の頭の中では結論が出てしまっている)
・主張を通すのは難しいと思う
相談者への助言(相談員の頭の中では結論が出てしまっている)
・主張を通すのは難しいと思う

相談者の思考回路
・トラブル→嫌だな!許せない!→悪質業者だから主張が通るのは当たり前だ

結果的に
相談員「主張を通すのは難しいと思う」・・・対立・・・「悪質業者だから主張が通るのは当たり前だ」
全く正反対の考え方になり、相談者は行き場のない気持ちを、相談員(消費者センター)にぶつけるのは当然の流れです(バランス理論)。

その要因として情報量や知識の格差があります。
「→でもよく考えたら私にも非があるなあ→主張を通すのは難しいと思う」というプロセスが、消費者と事業者の格差であり、相談員と相談者との格差でもあります。

相談者の気持ちに寄り添うことができているのか振り返ってみてください。

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