カンブリア宮殿 (2011年9月29日) その1

カンブリア宮殿
2011年9月29日放送
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/list/list20110303.html
クリーニング界の革命児が吼える
業界と決別して“未開拓市場”で勝負せよ!

ゲスト
ハッピー 社長
橋本英夫(はしもと・ひでお)氏

今回の話は安全品質に関する相談件数NO.1のクリーニングがテーマです。見逃した方は、番組HPよりバックナンバーの動画配信を必ず見てください
動画のページ→http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/dogatch.html
カンブリア宮殿→http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
テレビ東京系列 毎週木曜日 22時~
※テレビ放映の内容と動画配信の内容は若干異なります

ハッピーに関しては、私は数年前にテレビでどんなしみでも取ることができるクリーニング業者というニュースを見たことがあり知っていました。
今回の放送でクリーニングの姿を知ることが出来ますので必見です。
ただし、注意していただきたいのは、「だからハッピーのやり方は良くて、他のやりかたは良くない」という優劣を判断する考えになるのではなくて、クリーニングでは、このような現実や動きがある、ということを知っていただき、トラブルの原因や解決・あっせん、相談者への提案・啓発などに活かしてほしいと思います。

最初に出てきた知識がドライクリーニングのことです

ランドリー(水洗い)とドライクリーニングの違いはご存知だと思います。
「脂溶性の汚れ」はドライで落ちるが「水溶性の汚れ」は落ちない。
すなわち、皮脂・脂肪は落ちるが汗の塩分やアンモニア、アミノ酸は落ちない
ドライクリーニングで残った水溶性の成分が保管中の黄ばみなどの原因となる。

本当は水洗いすれば水溶性の汚れは落ちるのですが、水洗い×でドライの衣料品で水洗いすると、繊維が縮んだり傷んだりしますよね。

もう少し手間をかければ、ダブル洗いとして、ウエットクリーニングなどにより、繊維ができるだけ痛まないように物理的な刺激を避けて、洗剤の入った水にやさしく付け洗いすることもあります。

家庭用品品質表示法による表示は家庭洗濯に関することなので、商業洗濯は適用されず、クリーニング業者の責任で選択方法を選びます。
したがって、水洗い×ドライでも、水溶性の汚れが落ちるようにクリーニング業者の責任で水洗いすることはあります。
クリーニング技術がヘタだと失敗して苦情になります。

水洗いすれば水溶性の汚れは落ちるのです。矛盾のせめぎ合いですね。

消費者が知らないこと

ドライクリーニングでは脂溶性の汚れは落ちるが水溶性の汚れは落ちない。
水溶性の汚れを落とそうと水洗いした場合、水洗い×でドライの衣料品は縮んだり傷んだりする。
だから、ドライクリーニングでも汚れは残るのが一般的である。

この知識をすべての消費者が知っていたらトラブルのときに理解が進むのですが、何かのきっかけがない限り知ることはありません。
これが、消費者啓発として、また消費者教育として、自立した消費者には必要なんですけどね。

ハッピーでは、この問題を解決するために
水洗い×でドライを水洗いするが、たたき洗いにならないように水中で浮遊して水溶性の汚れを落とす洗濯機(無重力洗浄機)を開発した
ということが今回のポイントの1つです。
したがって、今回の話はすごくいい話なのですが、この技術はすべてのクリーニング業者ができるわけではない、という今のところ例外的なクリーニングになります。

もう一つのポイントは、染み抜きの研究という努力により技術を獲得したということです。
こちらのほうは、染み抜きの得意なクリーニング店もあると思いますので、ハッピーだけということはないと思います。
あとは、どのぐらいの技術レベルの差かという違いでしょうね。

当然ながら、手間ひまがかかってますので料金は高いです。
ワイシャツ1枚6200円(水洗い2000円、シミ抜き2100円、黄ばみ取り2100円)
ジャケット1枚7200円(水洗い3000円、シミ抜き2100円、黄ばみ取り2100円)

ちなみに、数年前に水洗い×でドライの衣料品をすべて水洗い可能であるという謳い文句の輸入ものの業務用の全自動洗濯機が出てきて、苦情も多かったのですが、今はあまり聞きません。

このハッピー独自のケアメンテサービスはオンリーワンだけあって、百貨店とケアメンテサービスで提携するというサービスを生み出しています。

以上が、現状の事実として理解しておきたいところです。

次は、社長のエピソードやハッピーのシステムなどをもとに、クリーニングの相談対応に応用して、現場でのヒントにしたいと思います。