通信サービスの見直しに関する中間報告

光回線や携帯電話のクーリングオフ導入の動き 2014年6月25日 (https://soudanskill.com/20140625/1603.html)で紹介しましたが、7月14日に中間報告案が承認されました。
大きく報道されたのでご存知の方も多いと思います。
正式な中間報告書がアップされてから記事を書こうと思ったのですが、一向に更新の気配がないので、承認前の中間報告案を紹介します。

SIMロック解除義務方針を決定 携帯料金引き下げ期待 格安業者へ乗り換え加速
2014.7.14 22:35

総務省は14日、携帯電話大手に対し、スマートフォン(高機能携帯電話)などの携帯端末を他の通信会社で使えないように端末に制限をかける「SIMロック」の解除を平成27年度にも義務付ける方針を正式に決定した。大手による寡占を解消する狙い。料金引き下げにつながる可能性もある。対象となる端末や解除方法などの詳細は年内にまとめる。

この日の有識者検討会で、総務省が6月末に示した案が承認された。SIMロック解除の義務化のほか、契約から一定期間内であれば無条件で解約できるクーリングオフ制度の導入も正式に決まった。2年に一度しか違約金なしで解約できない「2年縛り」の見直しは結論を先送りした。

SIMロックの解除やクーリングオフ制度は、契約をめぐる消費者の不満解消だけでなく、健全な競争環境の確保に向けた取り組みとして注目されている。今後は情報通信審議会でも議論を続ける。

携帯電話会社は利用者のネットワークへの接続を認証するため、電話番号などの情報を記録したICカード「SIMカード」を発行している。携帯大手は自社のSIMカードにしか反応しないように設定した端末を販売することで、利用者を自社サービス内に囲い込んできた。

これまでの議論では、「海外旅行の際に現地国のSIMカードに差し替えて自分の端末を使うことができない」「新規利用者を獲得するための多額の現金還元の一因となっている」といった問題が指摘されていた。

産経ニュースより http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140714/biz14071419280017-n1.htm

総務省HP
総務省トップ > 組織案内 > 研究会等 > 会議資料・開催案内等
ICTサービス安心・安全研究会
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_anshin/index.html

消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG(第7回)
平成26年6月30日(月)15:30~
議題
消費者保護ルールの見直し・充実について
通信サービスの料金その他の提供条件の在り方等について
(1)中間とりまとめ(案)について
(2)その他

配付資料
資料1 消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG 中間取りまとめ(案)PDF
http://www.soumu.go.jp/main_content/000300649.pdf
資料2 (参考)電気通信サービスに係る苦情・相談件数(平成25年度)の状況PDF
資料3 (参考)ヒアリングにおける意見のとりまとめ(消費者保護ルール関係)PDF
資料4 (参考)消費者保護ルールの見直し・充実(論点整理)PDF
資料5 (参考)通信サービスの料金その他の提供条件の在り方等(論点整理)PDF

資料1から、いくつか抜粋しました

2 説明義務等の在り方
(1)適合性の原則
(抜粋)
電気通信事業者及び代理店は、高齢者、未成年者、障がい者等のように説明に当たって特に配慮が必要と考えられる利用者に対し、その利用者の知識、経験、契約目的等に配意した説明を行うことが求められると考えられることから、いわゆる適合性の原則を踏まえた説明を行わなければならないことを制度化することが適当である。
(2)クーリングオフ
1)導入の必要性
(抜粋)
契約当初での解除を希望する理由については、① モバイルデータ通信、光ファイバー、CATV等について、訪問販売・電話勧誘販売等の不意打ち性のある販売方法が多くなされている場合や、携帯電話等と複数オプションサービスの組合せ等の店舗販売において複雑な販売がなされている場合も多いこと、② 携帯電話をはじめとする料金体系等の契約条件の複雑化により、契約締結時点での利用者の契約内容の理解が必ずしも十分とはいえない場合があること、③ 通信速度がベストエフォート型であり、具体的なサービスエリアなど必ずしも個別事例における状況が事前に把握できないため、利用者が契約締結時点でサービスの品質等を完全に理解することには一定の限界があり、実際に利用してみないと契約対象となるサービスの品質等が分からない場合があること
といった電気通信サービスの特性がその要因として考えられる。
その際、当初購入する意図がなかった電気通信サービスについて勧誘等がなされる場合においては、利用者が契約を行う目的を踏まえ、十分に契約内容を理解し、そのサービスを必要とするかどうかも含め、利用者が適切に判断できるような説明を行うことが適当である。
2)オプションサービス契約
(ア)背景
オプションサービス等の契約の無料期間は、利用者に対し様々なサービスに触れる機会の提供に資するが、他方で、全く利用がないオプションサービス等の契約についても、無料期間終了後にも自動継続され、課金がされる場合がある。
一部の事業者35からは、無料期間が終わったら、自動的に一度サービス提供を終了し、続けて使いたいという利用者の意思を確認した後に、サービス提供の継続を可能とするシステムを検討中との意見が示された。

また、資料4と5の論点整理は、結構勉強になるので時間があれば目を通してみてください。

年内に議論をつめ、27年度中に制度化する方向ということです。
26年度から、携帯電話のプランが一気に変革し始めました。
国の思惑通りになるかといえば、結局形だけ変わり、隙間を付いてくるということになるのかもしれません。

(追記)
7月14日の配布資料が公開されていました。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_anshin/02kiban08_03000170.html
ICTサービス安心・安全研究会(第3回)
平成26年7月14日(月)10:00~
議題
(1) 消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG 中間取りまとめ(案)
(2) ICTによる2020年代創造のための青少年保護・育成の在り方
(3) その他の事項
配布資料
資料1 消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG 中間取りまとめ(案)PDF
資料2 消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG 中間取りまとめ(案)概要PDF
資料3 (参考)ヒアリングにおける意見の取りまとめ(消費者保護ルール関係)PDF
資料4 青少年インターネットセッション 議長レポートPDF
資料5 青少年インターネットセッション 議長レポート(概要)PDF
資料6 最近の中学生・高校生に関する相談事例について(桑子構成員)PDF

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