「Adobe Reader」や「Adobe Flash Player」の更新時に注意すべきこと
前回は「JAVA・Flash・Adobe Reader」のソフトの脆弱性を利用したウイルスに感染しないために、最新版に常に更新しておくことが重要であるということを説明しました。
みなさまも、これらのソフトを普通にインストールしていれば、更新が必要な場合に通知が来て、忘れることなく最新版に更新できていると思います。
私はこの通知がうっとおしいので、以前は通知自体をオフにしていました。
「Adobe Reader」や「Adobe Flash Player」ではツールのヘルプアップデートの有無で最新かどうかチェックできます。
今回は、「Adobe Reader」や「Adobe Flash Player」の更新時に注意してほしいことを、過去にも説明したことがありますが、再確認の意味で説明します。
もしかすると、みなさまも知らないうちに、Adobe無料ソフトの商法にひっかっかっているかもしれませんし、その種の相談を受けたことがあるかもしれません。
これがそれぞれのソフトの更新画面です。
上が「Adobe Reader」で下が「Adobe Flash Player」です。
通常は、今すぐインストールで更新はできるのですが、注目すべきは真ん中の「オプションプログラム」です。
「はい、無料の McAfee Security Scan Plus ユーティリティをインストールして、PC セキュリティの状態を確認します。これは既存のアンチウイルスプログラムまたは PC せ」
にチェックが入っているではないですか!
そうなんです。デフォルト(最初から)チェックが入っているのです。
気づかずにインストールを実行すると、このソフトも一緒にインストールされてしまいます。
「McAfee Security Scan Plus ユーティリティ」は無料で、どうやらパソコンのセキュリティ状態を監視するソフトらしいのです。監視するだけで問題が見つかれば、対策ソフトを購入するようにすすめられるとも言われています。
また、すでに、ほかのセキュリティソフトがインストールされていた場合は、競合してパソコンが不安定になってしまうこともあります。
このソフトの下の「さらに詳しく」をクリックすると
「McAfee Security Scan Plus は無料の診断ツールであり、PC のウイルス対策、ファイアウォール、および Web セキュリティステータスをアクティブに確認します。これにより、すべての既存のセキュリティソフトウェアが補完され、コンピュータのパフォーマンスに影響することはありません。」と表示されます。
さらに、右端の利用規約にも、「[今すぐインストール] ボタンをクリックすると、Adobe ソフトウェア使用許諾契約と McAfee 使用許諾契約とプライバシーポリシーに同意したことを確認します。」とデフォルトで表示されており、規約に同意している状態になっています。ちなみに、チェックをはずすと、規約の後半部分も消えます。
ちなみに、「McAfee 使用許諾契約」には「個人データを収集する」という表記もあります。
無料なので、インストールしてもいいのですが、しっかり自覚してからインストールするようににしてください。
なお、自動更新の設定になっていたら、本体ソフトだけの更新が実行されるパターンもありますので、この画面画は出ないと思います。
では、なぜ、adobeという大きな会社がこのような悪質商法まがいのことをするのでしょうか?
それは、企業はお金をもうけなければなりません。しかし、これらの2つのソフトは無料です。無料では収益になりません。
実はMcAfee は別会社であって、インストールすることで報酬を得ているのです。だから、デフォルトでフリーソフトをインストールさせています。
気づかずに、うっかりインストールしてしまう人を狙っているのです。
このソフトで困っている人を検索すれば山のようにいますので、おそらく多くの人がインストールしているのでしょうね。
McAfeeは、 そのインストールしたフリーソフトを元に、有料ソフトを購入させようという商法なのです。
多くのフリーソフトがありますが、スマホのアプリと同じように、無料だったら広告が表示されて、有料版になると広告が表示されないというのと同じ考えですし、デフォルトで、グーグルツールバーをインストールする設定にしておいて、インストールされたら、グーグルから報酬が入るようにしているところもあります。
もしかして、いつの間にか、「グーグルツールバー」や「ヤフーツールバー」がインストールされていることがあり、覚えがない場合は、フリーソフトと一緒にインストールしたことになっています。
つまり、規約に同意してインストールしたのです。
職場で共用で使うパソコンでは必ずといっていいほど、これらのソフトがインストールされています。
ツールバーを削除するのは比較的簡単なんですが、「McAfee Security Scan Plus 」を削除するのは少し複雑なようです。
無料には「わけ」があります。それを分かった上で、無料を上手に活用することが大切です。
“「Adobe Reader」や「Adobe Flash Player」の更新時に注意すべきこと” に対して2件のコメントがあります。
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デフォルトで「オン」になっているのは、印象悪いですね。
気にっている会社でも、そうですから。
お試し入会もその一つですし、携帯電話の契約時オプションも同じですね。
メールマガジンの購読もそうです。
「うっかりチェックもれ」や「うっかり解約忘れ」をねらっていることは暗黙の了解でしょうけど、母数が多ければ、利益も大きくなるというのは、通常戦略なのでしょうね。
この「うっかり」などに関して、センターに苦情相談があった場合はいやですね。
しかし、業者も知ったもので、あっさりと解約を認めるケースも少なくありません。
私も、Acrobat更新時にMcAfee Security Scanがインストールされ、
既存のセキュリティソフトと競合してネットの閲覧速度が恐ろしく
落ちたことがありました。すぐに消しましたがイヤでした。
はじめに、チェックボックスにチェックが入った状態だったのですね。
Adobeのような大企業がこんなことするなんて、驚きますが、
何といっても外資系企業だし、事業者とは収益を上げるためには
どんな手段も辞さないものなのですね。