ジャドマニューズ 2014年10月号

  •  「公益財団法人 日本通信販売協会」という団体があります。協会に加盟すれば、広告に「JADMA」マークを表示することができます。
  • 通販110番という相談窓口で消費者からの通販に関する相談を受けています。
  • 広報紙として発行している「ジャドマニューズ」は、とても役立つ内容ですので、毎号取り上げて、解説しています。少し事業者目線に立った内容もあるので、消費者目線ではどうなるかということも合わせて説明しています。

JADMA日本通信販売協会 http://www.jadma.org/

今月号から勉強になる部分を紹介し、コメントや現場への応用について解説します。

「ジャドマニューズ」の最新号・バックナンバーは、HPで閲覧できます。(毎月15日発行)
2014年10月号
http://www.jadma.org/pdf/news/2014_10.pdf
ジャドマニューズ
http://www.jadma.org/jadma_news/index.html

内容

  • 特集「新しい市場を切り拓くために」
  • 通販110番
    事業者相談編 景品表示法相談編 「景品表示法改正について」
    事業者相談編 薬事相談編 「食品の商品説明」
    消費者相談編 会社側の説明不足なのに、返品を認めてもらえない!?

特集「新しい市場を切り拓くために」

ラスクでブレイクしたガトーフェスタハラダの原田節子専務取締役とのインタビューです。

  • 余ったフランスパンをスライスして加工し10枚パックにしてレジ横に置いていたものを商品化したいという思いはあった。
  • 地方の枠を越えてマーケットを全国に広げられ、日持ちのいいもので夏でも強い商材は何かということで、以前から製造していたラスクに着目。2000年に「グーテ・デ・ロワ」を発売した
  • 人は自分が感動したことは大切な人にも伝えたいじゃないですか。これを私たちは「感動のコミュニケーション」と呼んでおり常に心掛けるようにしています。これを実現するには、まずは材料や製法にこだわるという質的水準が50%。残りの50%がネーミングやパッケージデザインなど、いわゆる商品のストーリーの部分だと考えています。
  • ラスク大ブレイクのきっかけ
    メディアではなくクチコミでブレイクしたのが良かった
  • さらに人気が全国区へと広がっていくという「第2のブレイク」のきっかけは東京に出店してから。
  • 今後の展開というと、経営戦略や出店計画などはもちろんあるのですが、それよりも私たちが永遠の目標として掲げているのは、常に感動発信企業であり続けるということですね。

※事業者として、すぐに成功するとは限りません。どのようにブレイクしていったのか、どのようなコンセプトで事業をやっているのかを知ることは、事業者にとっても勉強になります。キーワードは、やはり、「口コミ」「感動」ですね。インタビュー全文を読んでみてください。
新しい市場を切り拓くために 原田・ガトーフェスタ ハラダ 原田節子氏氏(2014年10月号)

通販110番

事業者相談編 景品表示法相談編 「景品表示法改正について」

先日景品表示法が改正されたが、およそどのような内容か。

※先日、閣議決定されたばかりですので、後日、きちんとまとめられると思います。

景品表示法改正について(2014年10月号)

事業者相談編 薬事相談編 「食品の商品説明」

相談事例1 当社の製品である○○○茶(健康茶)の商品説明を左記のように表記したいが問題ないか。
相談事例2 当社の製品である健康食品「アガ○ス○粒(エキス顆粒)」の商品説明を左記のように表記し研究機関の資料を添付したいが問題ないか。

※具体的な表示ついて、法に違反しないかどうか例示していますので、読んでおいても損はありません。

食品の商品説明(2014年10月号)

消費者相談編

会社側の説明不足なのに、返品を認めてもらえない!?
「ネット広告の商品説明が足りず、思っていたものとは違う商品が届いたが、返品に応じてもらえない」という相談が入ることがあります。今回は、このようなケースでトラブルになった事例を紹介します。

相談事例 CD付きだと思っていたが、付いていなかった!

・CD付きの楽譜教本10巻のうち、9巻と10巻を購入したが、CDが付いてなかった。最終確認画面にも付いていないことは表示されていなかった。
・商品ページにはCD付き(9・10巻は除く)と表示されていたが、商品説明ページにはCD付きと表示されていた。
・CDが欲しくて購入したのに、返品には応じない。

処理内容
「会社に商品ページにたどり着いた経緯を説明し、会社と再度話し合うよう」相談者に助言

通販110番より
重要事項が認識できるよう、事業者は消費者にわかりやすい商品説明を

後日、相談者からの報告によると、会社は最後まで返品を認めなかったそうですが、「商品説明ページ」に「9巻と10巻にはCDが付いていない」旨の表示が追加されたそうです。
商品を実際に手に取って確認することができない通信販売では、掲載された商品情報が消費者にとって唯一商品選択のよりどころになります。商品の情報は「より詳しく、わかりやすく、正確に」が基本ですが、具体的にどのように表示するかは、会社に任されています。
事例のケースでは、必ず消費者が目を通すであろう「商品説明ページ」に肝心な説明が欠けていたため、不完全な商品情報により注文した消費者から「思っていた商品ではなかった」と、トラブルになりました。
この相談者のように、欲しい商品を商品名で検索し、「商品説明ページ」だけを見て注文する消費者もいます。
事業者は、注文する側の立場に立ってわかりやすい商品説明を行い、消費者から苦情が入った場合は真摯に耳を傾け、柔軟に対応していただきたいと思います。
一般的に、消費者はホームページに表示された会社の取引条件や商品内容を理解した上で注文したとみなされます。そのため、ホームページの一部だけを読んで注文すると、消費者も後でトラブルになることがあります。不明な点がある場合には、注文前に会社に問い合わせるようにしましょう。

※原文をそのまま引用しましたが、この回答には疑問が残ります。正しいように見えて、実は事業者目線に立った助言のような気がします。お客様の立場を考えると違った回答になります。それにしても、返品に応じない事業者は、この程度の事業者なんだろうと思います。

ポイント

  • CDが付いている」ことが購入の決め手となる重要事項だというのは間違いないと思います。事業者もCDが付いているということで売りにつなげているのですから。
  • 最終確認画面にCDが付いていないことが表示されていないこと、そして、この消費者が注文を確定するまでに「CDが付いてこない」ということを認識できるプロセスがなかったこと。
  • この2点で勘違いして購入したという錯誤無効が主張できるのではないでしょうか。
  • さらに、表示を変更していることから、事業者自身にも説明不足があったことを認めたようなものですので、通常は、返品を認めてもいいと思います。
  • しかし、事業者にとって、「返品を認めると事業者に責任があることを認めたことになるので受け入れない」という気持ちは分かりますが、それをクリアする社内的な理由はいくらでもつけることができます。

会社側の説明不足なのに、返品を認めてもらえない!?(2014年10月号)


JADMA日本通信販売協会
http://www.jadma.org/

通販110番について

通信販売に関する消費者からの相談受付機関として、協会に消費者相談室「通販110番」を設置し、消費生活アドバイザーの資格を有する相談員が、年間約6,000件の相談に対処しています。
また、「通販110番」や消費者センターに寄せられた苦情について、解決策を協議し、会員へフィードバックしています。
通販110番 消費者相談窓口 電話番号:03-5651-1122
月~金曜日 午前10~12時,午後1~4時(年末・年始、祝・祭日除く)

※メール相談も可能です