季刊ダイレクトセリング 127号(2014年7月発行)

カテゴリー:広報誌 投稿日:

「公益社団法人 日本訪問販売協会」が「季刊ダイレクトセリング」という広報誌を発行しています。
毎月発行ではなく、季刊発行となっています。

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公益社団法人 日本訪問販売協会
http://www.jdsa.or.jp/
季刊ダイレクトセリング
http://www.jdsa.or.jp/www/jigyo/shuppan-02/mokuji-10.html
季刊ダイレクトセリング 127号(2014年7月発行)
http://www.jdsa.or.jp/www/jigyo/shuppan-02/ds/ds127.pdf

今回は、Q&Aを紹介します

ダイレクトセリングQ&A

連鎖販売契約をクーリング・オフした場合でも、新規加入者の勧誘により得た報酬については、委任契約の解除であるので、返還義務は生じないとした判例/監修 高芝利仁 弁護士

タイトルを読むだけでも頭が痛いです。何か重要な判決のような気がしますが、じっくりよんで概要が分かりましたので抜粋して紹介します。
なるほどな、妥当な話棚と思いました。

事例
連鎖販売契約をクーリング・オフした場合でも、当該加入者は、連鎖販売契約締結後に行った新規加入者の勧誘により得た報酬について返還義務を負わないとした東京地方裁判所平成23年12月19日判決(以下、本件判決という)がある。本件判決は、理由として、その報酬は連鎖販売契約ではなく、新規加入者の勧誘を直接の原因とするものであり、報酬支払の原因となる契約の性質は委任契約に当たり、委任契約の解除の効果は将来に向かってのみ生ずるから(民法第652条、第620条)、新規加入者の勧誘という委任事務により得た報酬については、解除によっても返還の義務は生じないとした。

以上が今回の判決のまとめで、質問事項が2つ出ています。
Q1
当該加入者が、クーリング・オフした場合、引渡しを受けた商品を使用したり、消費している場合には、連鎖販売業を行う者は相手方が商品の使用又は消費により得た利益相当額の請求を行うことができると理解してよいか。
Q2
クーリング・オフした場合、当該加入者はクーリング・オフ期間中に統括者から支払われた「新規加入者の勧誘に伴う報酬」の返還義務も負うと理解してよいか。

私になりにポイントをまとめると
連鎖販売をクーリングオフしたときには、事業者は相手方がすでに商品を使用していた場合などに、その相当額を請求することができるということです。ただし、その根拠をしっかり示す必要があります。今回は、事業者が26万円の商品のうち25万円を請求していたもので、判決で24万5千円が相当と判断されました。
もう1点は、すでに、新規契約者を獲得して報酬を得ていた場合も、クーリングオフ期間中に受けた利益として返還する必要があるかということですが、それは、最初の契約とはまったく別の話になるということです。つまり、クーリングオフはあくまでも最初の商品の契約のことで、別途、新規契約者を獲得するという勧誘活動は、別の委任契約になるとして返還義務はないとしました。
クーリングオフとは別に、新たな勧誘という労働の対価として支払われたからクーリングオフとは関係がないということですね。単純に考えれば理解できますが、突き詰めればもっと深いものがあるのかもしれません。

記事には、「委任契約の解除の効果は将来に向かってのみ生ずる」などの根拠条文や理論構成もあり、一度目を通しておくと勉強になると思います。

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