ITスキルアップ ネットのプライバシー問題について
センターにも、2チャンネルに個人情報が公開されている。悪口が書かれている。消したいのだけどどうしたらいいのか。
などの相談もあると思います。
ネットに個人情報が公開されるのは
①他人が悪意を持って公開した。
②他人が悪意を持たずに公開した。
③自ら自覚して公開した。
④自ら自覚していないが公開した。
だいたい、この4パターンがあると思います。
それぞれのパターンについて少しコメントしたいと思います。
①他人が悪意を持って公開した。
これは冒頭にも紹介したとおり2チャンネルに代表される掲示板に実名で何らかのネガティブな情報を書かれる場合です。2ちゃんねる自体がすたってきたので最近はあまり注目を浴びることが少なくなってきたと感じています。
正攻法としては、「プロバイダー責任法による法的対応」になりますが、裏技もあります。
過去ログ参照
2ちゃんねるの削除依頼掲示板 2012年9月12日(水)https://soudanskill.com/20120912/504.html
※最近は総務省でも、手続きについて体系化されています。
②他人が悪意を持たずに公開した。
最近、子供が何らかのスポーツ大会に出場するときに、申込書に、「結果についてHPや新聞等に公表されることに同意します」という条件があったりします。
HPに実名で公表されるとグーグルが情報を集めてインデックスして、名前で検索すると表示されるようになります。
大学の論文を書いたときの共著者については論文文献データベースにインデックスされるので、これも検索されます。
アドバイザー試験の合格者名簿(雑誌掲載分)も実名で公表されていたりします。
今の社会では、これらを避けることは不可能に近いことです。
公表されることを前提に考えておく必要があると思います。
また、犯罪の関係で新聞に掲載された場合は、ネットでも新聞社のオンライン版があり、永遠に消えないことになります(アメリカで問題になりました)。
③自ら自覚して公開した。
昔はHPや掲示板を持っていてもハンドルネームで運営したり書き込みしたりすることが多かったのですが、最近はミクシー、ツイッター、フェイスブックをはじめとしたSNSで実名公表していることもあり、もろに名前が出てくることになります。就職活動でも実名のフェイスブックが奨励されていたり、もはや、ネットは匿名から実名の時代に変わってきています。
さらに、ネットビジネスを手がける場合は、もちろん実名になりますし、普通の企業でもHPを持っていたら実名が出ることもあります。
④自ら自覚していないが公開した。
最近の若者は電話やメールではなく、LINEなどのSNSで連絡を取り合っています。ツイッターなどを使ったりするのですが、公開設定になっていても気にしないようです。
私も知り合いの女性がツイッターで彼氏とラブラブな状況を公開しているのを見つけたり、学校名がでていたり、彼氏とお泊りしていたり、プライベートが丸裸で心配もしました。今は承認限定になっていますが、ほかにも多くの人がプライベートな情報を公開されているという自覚がないまま書いています。まったく知らない他人が見るということを気にしていないのでしょうか。犯罪にもつながりかねません。ただ、これが今の若者のネットとの付き合い方になっているのかもしれませんね。
我々の年代では、日本人はプライバシーを気にする国民性といわれていますが、実は、逆に最もプライバシーを簡単に公開してしまっているのかもしれません。
自分で平気で公開しているのに他人が公開すると異常に気にしたりします。
このあたりの感覚も変わってきているのでしょうね。
まとめると
昔はネットで実名を公開することはタブーな時代でしたが、最近は実名で信頼できる情報を公開するという流れに変わってきています。
お互いが実名だと、うかつな言動もできないというメリットもあります。アメリカでは実名が主流のようですので、IT先進国に追いついてきたのかもしれません。
ただ、やはり日本ではプライバシーに異常に気を使う国ですので、一気にとはいかないと思います。
とはいうものの、現実にはインターネットで個人情報が丸裸になる(特に先に紹介した①~④がつながってしまうと)いうことは覚悟しておく必要があります。
ITを最大限活用してデメリットをはるかに上回るメリットを享受できるように使いこなせるようになっていく必要があります。
また、個人的には、就職活動にネットが欠かせない時代になり、かつ、フェイスブックなどをツールとして使う必要があることは、自分の子供たちの世代が、若いころからネットに実名を出すことになり、親としては不安です。それはまたITを使いこなせるようになることも意味します。使いこなせないと、何事にも不利になるかもしれません。
子供の世界でもネットを使う環境の有無によって格差が生まれてくるかもしれません。
貧困が親から子に引き継がれるように、情報格差も引き継がれてしまうかもしれません。
このような時代背景では、今までとは違う消費者トラブルや消費活動、消費者感覚となり、相談員としても、時代に合わせた消費者増を把握しておかないと、古い言葉で言えばジェネレーションギャップで相談者が考えてることがわからない状態になります。それでも、センターでは相談を受けなければならないので、そういう新しい消費者像についても、できるだけ、このサイトで取り上げて生きたいと思います。