ITスキルアップ グーグルのプライバシー問題について

前回の記事でグーグルのgmailをすすめておきながら、グーグルはプライバシーに問題があるので注意してくださいという記事になります。

グーグルのプライバシー問題については、新聞報道されるなど目に触れる機会が多いと思います。
先日も重要施設の地図が公開設定になっていたりして騒がれたところです。

「gmail」が始まった当初はプライバシーについて、そんなに問題になっていませんでした。それどころか、便利なフリーアドレスということで爆発的に普及し、今ではフリーアドレスが個人を隠しているあやしいアドレスだというようなことは言われなくなりました。私もたくさんのメールアドレスを取得して使い分けています。

ただ、当時は問題にしていないだけで、将来的な戦略はすでにあったと思います。
「gmail」はグーグルのサービスです。
グーグルは何をする会社かというと、広告で稼ぐ会社です。
グーグルで検索してもらって、その結果として表示される検索結果ページに表示される広告で稼ぐために、閲覧者に対して最も効率のよい広告を出すことが重要です。
そのためにあらゆる手段(=個人情報の利用、検索履歴の利用、利用サービスの紐付け、メールの閲覧)を講じて稼げる広告を表示するのです。
この点でグーグルは他社を大きく引き離しています。ヤフーも独自の検索エンジンを模索していましたが結局はグーグルを使うようになりました。
グーグルの検索能力は群を抜いています。グーグルなしにはネットが成立しないのではないかとも思われるぐらいです。
グーグルの広告のおかげで生きているネットショップも多いです。

じゃあプライバシーがもれないようにネットを利用すればいいのではないかと思われるでしょうが、今や困難ともいえるようになりました。
あまりにもがりがちにセキュリティを高めると、利便性が悪くなり、同じ作業に時間が多く必要になることにもなりかねません。
たとえば、履歴やパスワードの自動保存など。
発想を変え、ネットには個人情報が吐き出されていることを前提として利用するという考え方にしなければきりがなくなってしまいます。

そこで、グーグルでは個人情報をどのようにして収集して利用しているかということを、規約から知っておくことために、規約等から一部抜粋して紹介します。グーグルではアカウントをつくった時点で当然規約に合意しています。規約をすべて読んでる人などいないと思いますが。

【一部抜粋します。気になる方はリンク先をご覧ください】

Google
ポリシーと規約
概要
http://www.google.co.jp/intl/ja/policies/

利用規約
最終更新日: 2014年4月30日
http://www.google.co.jp/intl/ja/policies/terms/regional.html

プライバシーおよび著作権の保護

Google のプライバシー ポリシーでは、本サービスの利用におけるユーザーの個人データの取り扱いとプライバシーの保護について記載しています。ユーザーは、本サービスを利用することにより、Google のプライバシー ポリシーに従って、Google がユーザーの個人データを利用できることに同意することになります。

プライバシー ポリシー
http://www.google.co.jp/intl/ja/policies/privacy/

Google が収集する情報

Google は、すべてのユーザーによりよいサービスを提供するために情報を収集しています。その内容は、お客様の使用言語などの基本的情報から、お客様にとって最も役に立つ広告やオンラインで最も重要視している人物などの複雑な情報まで、多岐にわたります。
情報の収集は以下の 2 種類の方法で行います:

お客様からご提供いただく情報

たとえば、多くの Google サービスでは、Google アカウントのご登録が必要です。ご登録に際して、氏名、メール アドレス、電話番号、クレジット カードなどの個人情報の提供をお願いしています。Google が提供する共有機能をすべてご活用いただく場合は、公開される Google プロフィールを作成していただくようお願いすることもあります。これには、名前や写真などを掲載することができます。

サービスのご利用時に Google が収集する情報

Google は、ご利用のサービスやそのご利用方法に関する情報を収集することがあります。たとえば、Google の広告サービスを使用しているウェブサイトにアクセスされた場合や、Google の広告やコンテンツを表示または操作された場合です。これには以下の情報が含まれます:

Google による情報の共有

Google は、以下のいずれかに当てはまる場合を除いて、個人情報を Google 以外の企業、組織、個人と共有することはありません:

お客様の同意を得た場合Google は、お客様の同意を得た場合に、個人情報を Google 以外の企業、組織、または個人と共有します。Google は、事前の同意なしに、機密性の高い個人情報を共有することはありません。

グーグルにはたくさんのサービスがあります。それぞれに設定があり、複雑で場所も分かりにくいです。
初期設定が公開になっている場合もあります。気づかないまま同意していることもあります。
情報漏えい事件を考えると社員すら把握していないのではと思ったりします。

設定で公開したり共有したりすると、さまざまな情報や人同士がつながり利便性が向上します。それがメリットである反面、個人情報の公開というデメリットもあります。
それをどう考えるのかというのは個人個人によっても違ってきます。まさしく、リスクコミニュケーションだと思います。自分で許容範囲を決めて利用することです。ただし、知らずに利用していることもあります。
※リスクコミニュケーション(リスクとコミュニケーションする=危険性をどのぐらい許容して付き合っていくのかということを考える)
食品にたとえると、農薬を使った野菜は食べない主義だ=高い野菜でも遠くの店に行ってでも購入する、しかし、外食ではどんな野菜を使っているか分からないので、主義に反しているかもしれない。
インターネットも、原則として実名は使わないとしていても、何らかの公の公表情報に個人名が掲載されていることもあります(次回に解説します)。
グーグルの細かい設定については、詳しく解説しているサイトがいくつもあるのでそちらを参照してください。

このリスクコミニュケーションの考えをしっかり理解しておくことは相談業務にも重要です。
あるべき論を主張し続ける消費者は難対応事例に発展する可能性がありますが、このような事例対しては、このリスクコミニュケーションの考え方で対応することがひとつの解決方法ではないかと思います。これについては別の機会に書きたいと思います。

結論として、グーグルの情報収集は機械です。検索ロボットがパソコンを見に来ているだけです。機械的に広告を表示しているだけです。個人の秘密を暴くとかそういう考えはありません。あまり気にしてたらきりがありません。
「できるだけ実名を使わない」「一般的な掲示板に書き込まない」「共有設定や公開設定を見直す」「信頼できないサイトでは自ら個人情報をむやみに吐き出さない」まど、個人としてのポリシーを決めておいてください。
ちなみに、私はgmailをWEBで見た場合など、グーグルのアカウントにログインしたままの状態になっていることがあるので、グーグルのサービスを使い終わったらログアウトするようにしています。ログインしたままネットサーフィンをしているとグーグルに個人の嗜好を知られてしまい、検索ページに表示される広告が、まさにネットサーフィンで検索していた情報に合わせたものが表示されるからです。たとえば、ハワイについて調べていたら、旅行者のハワイの広告やハワイの不動産や格安航空券の情報などが表示されます。便利といえば便利ですが気持ち悪いかもしれませんね。グーグルのアカウントでいろいろ設定があるみたいですが分かりにくいです。

今回は主に「グーグルのプライバシーについて」書きましたが、次回は、範囲を広めて、「ネットのプライバシー問題」と「それに関する相談対応」について書きたいと思います。

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