クレーム対応 達人の技 ①(2013/2/5 日経産業新聞より)

「クレーム対応 達人の技」として、企業3社の担当者のクレーム対応について、平成25年2月5日~7日の3回にわたり、日経産業新聞に掲載されました。その概要と相談現場に活用できるポイントについてコメントします。

企業のクレーム対応の考え方も消費者センターに共通しているものがあります。
企業がこれらのクレーム対応どおりできれば、消費者センターにも苦情は持ち込まれないのでしょうけど、なかなか難しいのが現状でしょうね。
なお、興味のある方は元の記事をお読みください。

リコージャパン担当者(平成25年2月5日)
電話口 表情豊かに
会話しながら身ぶり手ぶり
まず怒りの原因 探る

リコー担当者の3か条

・顧客の話に集中、顧客の怒りの真の原因を探る
・安易な約束はしない。一度交わした約束は必ず守る
・関連する他部署との連携を緊密に。助け求めるだけでなく、他部署の助けになるように心がける

・電話口でも対面しながら会話するのと同じように、身ぶり手ぶりを交え、表情豊かに話すよう心掛けている。「相手には見えなくても伝わる」と考えているからだ。
・顧客はなぜ怒っているのか、どこが不満なのか、といった気持ちをくみ取っていく。「顧客が起こっている真の原因を探るのがまず大事」。例えば、最初に「今すぐ返金しろ」と声高に要求する顧客でも、本当の原因は別にあることが多い。
・安易な約束は禁物だ。約束したことを実現できないと、顧客の怒りは倍増する。
・場当たり的な対応はすぐにインターネットの掲示板などに書き込まれ、すべての顧客に同じことをしなければならなくなる。
・いったん顧客ろ結んだ約束は絶対に守る。
・どんなに誠意をこめて対応しても、こじれてしまう事案もある。対応の過程で、「顧客の怒りの理由を読み違えてしまい、かえって怒らせてしまった」のが長期化した原因だった。
・クレーム対応をしていて何よりうれしいのは、顧客とわかり合えるこの瞬間だ。

編集より

部門超え知恵持ち寄る
・クレーム対応に王道はない。企業として譲れない線を決め、粘り強く交渉するだけだ。
・普段から社内の様々な部門との関係構築を心掛けている。
・長年培ってきた社内人脈があるからこそ、自信を持って顧客と向き合える。

私からのコメント
・相談者が何を要望しているのか?ということを早く理解することです。それによって、センターとしての対応方針が決まってきます。それを理解しないまま話を進めると、「私の言いたいことはそうではない。何を聞いているのか」と相談者の怒りを買い、センターや相談員への苦情に転嫁されるのです。そのためには、話を聴くだけでなく、あっせんのために訊くべきことを相談員自身が考え、上手に質問し、訊き出すことが大切です。相談者の解決してほしい方向と相談員が解決していく方向が同じでなくてはなりません。書いてみると簡単なことですが実際の現場では難しいのですね。うまく訊き出すには相手に話そうと思わせるための気持ちを起こさせることが必要で相談者に依存する部分が大きく、訊き方が悪いと「相談者が悪い」と指摘されているような錯覚を起こさせ苦情になります。「聴くこと」「訊き出すこと」が大切です。