消費者庁長官の記者会見(10月24日分)

重要度:高
※行政資料の重要度を個人的に分類

消費者庁のHPに、週に1回、消費者庁長官の記者会見の要旨が公表されています。
子どものお酒の誤飲事故の注意表示についての質疑を重要度が高いという位置付けにしました。

消費者庁HP
http://www.caa.go.jp/
トップページの新着情報からでもリンクしています。
トップ > 活動について > 大臣等記者会見
http://www.caa.go.jp/action/kaiken/index.html

阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成24年10月24日(水)14:00~14:10 於)消費者庁6階記者会見室)
http://www.caa.go.jp/action/kaiken/c/121024c_kaiken.html
2.質疑応答(抜粋)


例えば子ども安全メールで、今日も午前中出ていましたけれども、アルコールの誤飲事故が子どもに多いと。
これについては、消費者庁は安全メールの中で、登録保護者に対して、子どもは警告というか、お酒ですというマークを読めないと、だから保護者は注意と、注意喚起ですよね。
ところが、その安全メールの中では、東京消防庁が昨年度9人、たしか9人だったと思いますけれども、9人の幼児の誤飲で搬送したと、病院に搬送したと書かれている。しかし、それ以上のことは分からないということです。分からないというのは、今日午前中議論になったのは、そういう点だと思うんですけれども、つまり全国で一体どれだけの搬送者がいるのかとか、東京都は9人だということなんですけれども、それに対して清涼飲料の表示は公正競争規約とか基準があって、果物はそんなに書けないけれども、低アルコール飲料でも、今回というか、出回っているものは実施基準に基づいてなされているわけで、違反とか何かじゃないわけですね。
ところが、清涼飲料と誤飲するというのは、それと同じような柄で、一方はお酒だけれども、一方はあれだと。お酒のほうは、清涼飲料の基準に比較した場合は、とてもそんな図柄がかけないような、わずか0.0何%の果汁が入っているにもかかわらず、低アルコール飲料のお酒として、果物の商品名が書いてあるとかというのが消費者庁の持たれている景品表示法と国税庁の酒税法の表示が同じあれだけれども、違反ではないけれども、だけれども消費者は子どもは間違えちゃうと、つまり子どもは警告表示は分からない。お酒ですと分からない。
したがって、そういうことがバックグラウンドとしてあって、事故が起きているというふうに私は思うわけなんです。そのことは安全メールで保護者の方に注意されてはいても、この注意喚起が私はどれだけ届くのかとか、あるいはどけだけ実効性があるのかとか、つまり消費者庁としての調査とか、そういうものをもう一度踏まえたらどうかということ、これはコチニールの件でも同じだと思うという感じなのですけれども。


また、誤飲のところも、確かに今朝も話題になったと認識しています。ただし食品衛生法の中にも、アルコール飲料であっても、表示の仕方については規制があ るはずなので、その辺のところも少し検討してみて、何とかもっと注意喚起を強められないかということについても検討したいと思います。

 

普通に読んでいるとスルーしてしまいそうな内容で、お酒が子どもにはお酒とわかりにくく果実の表示もしており、保護者が気をつけるように注意喚起の必要がある、というような内容だと思います。

これはお酒だけの問題ではなく製品全般の安全に対する注意表示について考えるきっかけにしてほしいと思います。
製品安全の3原則というのがあります。「設計上の安全→安全装置→注意表示」という考え方で、上位を優先することです。
注意表示の考え方は、設計上避けられず、安全装置もつけることができないときに、最後の手段として注意表示で対応するということです。
注意表示をしていれば問題がないということはありません。
誰もがしてしまう誤使用は、誤使用ではなく欠陥と考えられています。
(製品安全の3原則については別途記事にしたいと思います)

今回の質疑応答にでているお酒の表示(缶のデザインも含めて)は最終手段なのか?
子どもにしてみれば、誰でも誤飲してしまう可能性がある。
保護者が注意すべきだという議論とは別次元の話だと思います。
ジュースと良く似たデザインのお酒はいくら注意表示をしていても子どもには理解できず、大人でなければ缶を開けることができない、飲みかけのものも子どもが飲むことができないという安全装置をつけるのは難しく、製品安全の最上位の「構造上の問題がある」とも考えられるのではないでしょうか。
すなわち、明らかにジュースと間違えることのない構造やデザインにすべきである、というのが正論でしょう(正論が通らないのが常ですが)。

私は製品事故の相談の場合に、メーカーの誤使用・不注意の主張に対して、製品安全の3原則の立場から問題点がないかを必ず検証するようにしています。

今回の質疑応答では、そこまで考える人はいないかもしれませんが、実は重大な要素が含まれているということも、相談員として頭のすみに入れておいてください。

参考
「子ども安全メールfrom消費者庁」http://www.caa.go.jp/kodomo/mail/past/

2012年 9月 27日 Vol.104

アルコール飲料の誤飲に気をつけて!
東京消防庁管内では、過去5年間に16人の子どもがアルコール飲料の誤飲で救急搬送されています。そのうち半数以上の9人が、1歳から3歳までの乳幼児です。また、昨年(平成23年)に搬送された子どもは9人にのぼります。

誤飲の原因は「清涼飲料と誤認して飲んだ」(10人)が過半数を占めています。見た目でアルコール飲料であると判別できなかったため事故につながったと考えられます。

グラスなどに入ったアルコール飲料を子どもが誤って飲まないように注意しましょう。

また、缶入りアルコール飲料の中には、新鮮なフルーツが描かれているなど、清涼飲料と間違いやすいものもあります。缶に記されている「酒マーク」やアルコール分表示は、まだ字の読めない子どもには理解できません。特に誤飲のおそれがあります。アルコール飲料については、子どもの目や手の届かない場所への保管を心がけましょう。

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