消費者庁のHPに、週に1回、消費者庁長官の記者会見の要旨が公表されています。
子どものお酒の誤飲事故の注意表示についての質疑を重要度が高いという位置付けにしました。
消費者庁HP
http://www.caa.go.jp/
トップページの新着情報からでもリンクしています。
トップ > 活動について > 大臣等記者会見
http://www.caa.go.jp/action/kaiken/index.html
普通に読んでいるとスルーしてしまいそうな内容で、お酒が子どもにはお酒とわかりにくく果実の表示もしており、保護者が気をつけるように注意喚起の必要がある、というような内容だと思います。
これはお酒だけの問題ではなく製品全般の安全に対する注意表示について考えるきっかけにしてほしいと思います。
製品安全の3原則というのがあります。「設計上の安全→安全装置→注意表示」という考え方で、上位を優先することです。
注意表示の考え方は、設計上避けられず、安全装置もつけることができないときに、最後の手段として注意表示で対応するということです。
注意表示をしていれば問題がないということはありません。
誰もがしてしまう誤使用は、誤使用ではなく欠陥と考えられています。
(製品安全の3原則については別途記事にしたいと思います)
今回の質疑応答にでているお酒の表示(缶のデザインも含めて)は最終手段なのか?
子どもにしてみれば、誰でも誤飲してしまう可能性がある。
保護者が注意すべきだという議論とは別次元の話だと思います。
ジュースと良く似たデザインのお酒はいくら注意表示をしていても子どもには理解できず、大人でなければ缶を開けることができない、飲みかけのものも子どもが飲むことができないという安全装置をつけるのは難しく、製品安全の最上位の「構造上の問題がある」とも考えられるのではないでしょうか。
すなわち、明らかにジュースと間違えることのない構造やデザインにすべきである、というのが正論でしょう(正論が通らないのが常ですが)。
私は製品事故の相談の場合に、メーカーの誤使用・不注意の主張に対して、製品安全の3原則の立場から問題点がないかを必ず検証するようにしています。
今回の質疑応答では、そこまで考える人はいないかもしれませんが、実は重大な要素が含まれているということも、相談員として頭のすみに入れておいてください。
参考
「子ども安全メールfrom消費者庁」http://www.caa.go.jp/kodomo/mail/past/